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お茶碗と夫


ずっと行きたかったお店へ行きたいと
夫におねだり。
そして、茶碗と豆皿をゲットした。
夫と、これからもずーっと一緒にご飯を食べていきたい。
そんな思いがあったので、古民家でやってる展示会に行ってきた。
ギャラリーってものに行くのも初めて。
ちょっとドキドキした。
そこで、とってもいいものに出会ってしまった。
私は満足気に、抱えて帰った。
そして、帰宅し眺めていたら夫がこう呟いた。

『茶碗の中やったら、それやなっておもてた。』

奇遇ですな。
何かとこんなの好き、そんな感覚はいつも合う。
近頃は、ますますそう感じるようになってきた。
すると夫は決まってこう言う。

『寄せてくんなや!』
寄せているわけではない。
被ってしまうのだ。笑

これからも長く長く大切に、このお茶碗にご飯をよそって食卓を囲みたい。
茶碗から遠い未来が、うっすら見えるような気がした。
ざらざらした手触りのこの茶碗。
ごつごつとした見た目のこの茶碗。
なんだか夫の手を思った。
ごつごつした手が結構好きだと、夫も自分で言っていたのを思い出した。

あぁ、だからか。
触れたときに、これだ!って思ったんだよな。
大事にしよう。
これからよろしく。
夫とお茶碗に、そっと呟いた静かな夜。

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