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#674【姫路】レザー工場に行ってきた話

こんにちは、旅するフォトマガジンMとWのキートン福永です。
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◾️革好きが転じて

実はわたし、旅やカメラ以外に好きなものにレザー(革製品)があります。
写真関係でもストラップやケースをはじめ革製品が多いため、以前から馴染みがあったのも理由のひとつかもしれません。
ただ、革製品を好んで使うだけでなく、素人ながらレザークラフトをやっていた時期もあり、財布やキーケース作ったりしていました。

コクヨの野帳に合うレザーカバーがなく自作しようとしたのがキッカケですね、確か。

革を仕入れ自分で小物を作っていると革の種類や製法に興味が出てきます。
いつか、タンナーさんにお邪魔して革作りを間近で見たい、そう思うようになりました。

◾️革作りを見に行こう!

コロナ禍もありなかなかタイミングが合いませんでしたが、ようやくタンナーさん訪問が実現しました。
今回お邪魔したのは姫路市にある100年以上の歴史を持つタンナーさんである(株)山陽さま。私も好きな革靴スコッチグレインの革もこちらが製造してますね。

とても広い工場、すべての工程を一気通貫で行っている会社はわずか一握りとのこと。
まずは、座学で革ができるまでの製造工程を学びます。右は私のカメラストラップ

◾️皮が革になるまで

私の身の回りには靴、鞄、財布や手帳、その他ファッション関係、あらゆる革製品があります。それらは主に食用の牛からとれた皮を加工したもの。

工場見学のはじまりは、海外から輸入された塩漬けにされた牛の皮を見ること。
倉庫の中は独特の匂い、皮はまだ毛に覆われており、苦手な人もいるかもしれませんが、これはちゃんと見ないとダメだなとしっかり見て話を聞いてきました。

冷蔵倉庫に保管されている塩漬けにされた牛の原皮
まだ毛並みが残っている。もちろん、生き物独特の匂いもする。

塩漬けされた皮はこの大きなドラム洗濯機で洗われ、皮脂層が剥がされたのち、大きなカッターのような機械で漉かれます。

革になるまでに牛1頭に水1トンいるらしい。なので、皮革製造は川沿いで行われる。
反対側からの光景、これくらい大きいです。
巨大なスライサー、この日の作業はすでに終わってた。工場は朝6時から稼働するらしい。

◾️皮を鞣(なめ)す

革作りの一番重要な工程が「鞣し」、漢字のとおり革を柔らかくする工程。
鞣しにも大きく二つの方法があり、一般的で応用範囲の広いクロムなめし、そして革の風合いやエージングが楽しめるヌメ革を作るタンニンなめし、ここではその両方の製法を見ることができます。

まずは、ヌメ革を作るベジタブルタンニンなめしから。

鞣す前の脱毛された皮、触らせてもらったがとても弾力がある。
ピット槽とよばれるタンニンが入った大きなプールのような設備。
濡れて厚みのある皮はかなり重そう、二人がかりでピットに浸けていた。
濃度の異なる槽に移動させつつ、1ヶ月近く時間をかけて鞣すらしい。
ずらりと干されたヌメ革、圧巻の光景。

続いてクロムなめしの工程も見せてもらう。
大量生産に適した化学的ななめし製法、世の中の多くの革はクロムなめしされたものになります。

ドラムでなめされる。手間暇がかからないのがメリット。
クロムの色で薄いブルーになった革。
プレスで水分を搾り取り
シェービングという作業で厚さを均一にする。

◾️製品になるまで多くの工程があると知る

さらにいろいろな加工・着色がなされる。
バケツにはカルテのような処方紙、いろいろな薬品が入っている。
撮影台のホースのような、革をかけておく台。
終盤の工程に向け、いろいろな革がずらりと置かれている。
塗装や表面加工、型押し、皺出しなどの工程を経て製品になる。
一番奥から手前までこの長さが工程の多さを物語っていた。

◾️製品も見せてもらう

さまざまなシボ加工、どれもとても美しい面種
光沢感のある仕上げも美しい。

以上、革作りをめぐる旅、いかがだったでしょうか?
あらためて現地を訪れ自分の目で見て現場の方の声に耳を傾け学ばせてもらう姿勢が大事だと感じました。

ちなみに、皮革関連企業が目立つ姫路市たつのエリアは揖保乃糸で有名なそうめん処、またうすくち醤油のヒガシマル発祥の地でもあります。
私は、1日でレザー工場見学、揖保乃資料館、ヒガシマルのうすくち龍野醤油資料館と3つ回ってきました。姫路たつのエリアを満喫できるコースなので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

以上、キートンでした。次はどこに行こう?

Text&Photo:Keaton_fukunaga
ロケ地:株式会社山陽
使用カメラ:FUJIFILM X-S20


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