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木の名前を知りたい

以前宮崎駿さんのインタビューを読んでいた時のこと。どういう流れか忘れたが、ケヤキだのクスノキだのウラジロカシだのと色々と木や森についてお話をされていた。さすがに『となりのトトロ』や『もののけ姫』を作っているだけあって詳しいんだなあと思いつつ、じつは木の名前を聞いても一切イメージが浮かばない自分がヤバいだけなのでは、とも思った。

考えてみれば、近所の公園に生えている木の名前もよくわからない。正直なところ、広葉樹があったような…、というくらいである。それなりに登山もして、木や自然に触れる機会がわりかし多いはずなのに、そこら辺の街路樹の名前すらわからないのがなんだか急に情けないような気になり、調べてみることにした。

インターネットで「東京 街路樹」などと検索して調べるのもいいが、それだとメジャーなものしかわからないし、とある公園で見かけた1本の木の名前を知ろうとした時に、調べる術がない(もしくは手間がかかり、写真を撮って家で調べようと思っても帰宅するころには忘れている)。そうしてある程度体系的に調べてみたくなったので、本を買うことにした。買ったのはAmazonで評判の良かった『葉で見分ける樹木』という本。葉の形の特徴から木の種類を導くもので、街中にある木の名前はこの本1冊あればわかる、らしい。

そうして調べてみると、街路樹はケヤキをはじめイチョウ、ハナミズキ、トウカエデなんかが多い。おそらく区や市町村の自治体が管理するためか似た木が多い気がする。それに対してそもそも木が多い公園や施設の敷地内などは、クスノキ、マテバシイ、シラカシ、ヤマモモ、コナラ、サルスベリ、などなどバラエティに富んでいて、親切に名前の入ったプレートが幹に巻き付けてあったりもする。

まあ木の名前がわかったところで大して役にも立たないのだが、目の前にいる人間が知り合いかそうでないかで、自分の心理状態が変わるように、自分が歩く道にある木の名前を知っているかで、自分の心のありようが変わる、といえば大袈裟だろうか。少なくとも街中にある木は、誰かがその木を選んで植えたことだけは確かなわけで、そうして見てみると妙な親近感が湧いてくる。

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