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通訳という仕事

 職場が医療関係なので、関わる人は当然健康上の問題や健診で訪れます。ただでさえ外国で暮らすことはストレスの上、病気になったらその不安 心配は実際に体験してみないと分かり得ないものかもしれません。私が働くクリニックには外国の方も沢山見えますが、三名ほどの通訳さんが入れ替わり付き添われています。受診する方が自分で連れてくるのですが、主にポルトガル語で同時通訳してもらっています。

 受診前は大変不安そうな表情をしている患者さんも、通訳さんを介してドクターや看護師の話を母語で理解すると途端に不安が安らぎ安堵して、とても良い笑顔を浮かべられます。

 スマホなどで通訳も可能ですが、やはり生身の人から発せられる声には敵わないものがあります。

 それは人から発せられる声に患者さんへの労いや大変さへの理解、共感、励ましなどの想いが載せられるからではないか?と思います。

 通訳さんではありませんが、外国の方でも旦那さんは日本語をかなり理解し、話せる方が多くいます。女性でよりも圧倒的に多いです。男性の「外国で嫁と子供を路頭に迷わせないぞ!」という強い意気込みと熱意、家族への愛情を感じさせ、「頼りになる旦那さんだなぁ」と、いつも感心してしまいます。

 通訳さんの仕事ぶりを見て、医療専門用語への深い理解と知識を習得されていることがわかります。また、人の声から発せられる母語による同時通訳に、患者さんへの貢献度合いとしては機械翻訳ではなし得ない凄さをいつも感じます。

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