K女史 鴨葱(二)
(この小説の英訳版は、こちら:https://x.gd/nfxmU)
その日、K女史は、ある日本語講師養成学校のパンフレットを作成していた。
Macの大きな画面には、「受講者のコメント」なる長文。
「プラトン対話篇」を引き合いに出して、その学校を褒め称えるかに見せて、チクリと一刺し、皮肉な内容である。
日本語学校の責任者には、大変感謝された内容だったが、K女史にはわかってしまった。
「こいつ、悪い奴じゃな」とほくそ笑んでいる。
その時、女社長のAさんが声をかけた。
「こんな履歴書が届いたんだけど、どう思う?」
履歴書を手に取ったK女史。
履歴書に記載された名前と、画面に表示された「受講者のコメント」の主の名前を、それぞれ二度見。
「あはっ、同一人物じゃ。」
K女史はA社長に、「面接しましょ」と返した。
この時、K女史は私を社内翻訳家として採用しようと決めたそうな。
「鴨が葱を背負ってやって来た」
K女史はこの頃、他社からのヘッドハンティングを受けるつもりで、後釜の「鴨」を探していたのであった。
まだ、つづく「鴨」。。。
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