Dying Message 【台にアニバーサリー】
#毎週ショートショートnote
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家電王の伝記執筆の為、一人奔走してきた。
死の間際のメッセージが、私を苦しめ続けてきた。
「タイにアニバーサリー」
チョンブリー工業団地の現地法人が、今年30周年を迎えた。
何らかの手掛かりがあるに違いない。
眩暈がして、その場にしゃがみこんだ。
「たいじょうぶですか?」
インターンのZhang君が背後から、私を支えてくれた。
「ああ、ありが。。。と」
そういうことだったのか。
私は、あの高台に向かった。
そこに、元社長室長を待たせていた。
最後のピースがはまった。
あの急成長とリコールからの復活劇。
それらの背景にある物語を書き上げねばならない。
「君と飲んでいると、アイデアが泉のように湧き出て来るんだ。」
「社長、本当ですか、それ?」
「んっ。がははは!冗談、冗談。」
「。。。」
「今夜のことは、高台(タイ)にアニバーサリーとでも呼ぼう。」
この夜を境に、家電王は事業領域を大きく転換した。
家電王の母親は中国人。幼少期は上海で育ったという。
リコール後の復活劇についても、聞き出さねば。
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