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100日目に破産する会社員

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ギャンブルの魔力から逃れられるか? 新入社員の神倉は会社の同期に唆され、ギャンブルの沼に嵌まっていく! 会社員生活の光と闇が交錯するハイスピード現代活劇!毎日更新中!会社員、就活…
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#ポーカー

100日目に破産する会社員 〜15日目 〜

「空港内にもスロットあるのか!」武田はラスベガスのマッキャラン国際空港に着くなり驚いた様子だった。空港内にも、スロットマシンがある空港は世界でここだけではないだろうか? 「早速やりたいところだが、せっかくだしカジノでやるか」神倉はそう言うと、二人でタクシー乗り場に向かった。 二人ははじめはストリップ南にあるHOOTERS カジノに泊まる事にしたので、ひとまずタクシーで向かい、チェックインした。 「リゾートフィーが痛いよなあ」ラスベガスのホテルは、だいたい宿泊費以外にもリ

100日目に破産する会社員 〜14日目 〜 第二章

「辞表は書いてきたのか?」ロサンゼルス行きの航空機の中で機内食のビビンバを食べながら、武田が突然とんでもない事を聞いてきた。 要するにラスベガスで多勝ちしたら、もう仕事もやめるだろうし用意だけでもしといたらいいんじゃないかということらしい。 「さっきも韓国で負けたし、難しいんじゃないか?」神倉は悲しげに返答する。 「あれは負けじゃないだろ?韓国経済への投資だよ笑」武田はそういうと、ビールを飲み干し、ブランケットを被って眠ってしまった。

100日目に破産する会社員 〜11日目 〜

「えっ!?ワンルーム新築マンション投資するのか!?」武田に、先輩に貰った勧誘のビラを持っていたところを寮内で武田に見つかったのだ。 なんでも、30年ローンを組むと、貸し出した家賃とローン返済が相殺されて、ほぼただでマンションが貰えるらしい。税金対策にもなってお得だと。 「これ、ほぼ詐欺の案件だぞ笑」武田が事細かに教えてくれた。 ・家賃が実際は途中から値下がりする ・空室期間を未考慮 ・修繕積立金やエアコン等の機材故障を計算に入れていない ・よって実際には手出しが大量に発生

100日目に破産する会社員 〜8日目 〜

「SINさんシートオープン!」神倉は、若干残念そうな顔でポーカーバーの一席から、席を立とうとする。 シートオープンとは、端的に言えばポーカーで全チップを失ってゲームを終了する意味である。 「やっぱり、リバイで」そう言い放つと、神倉はリバイ費用の二千円を支払い、再度参加することを表明した。 「シングルでいいですか〜?もうけっこうブラインド進んでますが?ダブルでもできますよ〜?」 悪魔の囁きを受け、神倉は黙って倍の四千円に変更する。 すぐさま、新しいチップ4万点が配られる。 平

100日目に破産する会社員 〜7日目 〜

「えっ!?今朝まで徹夜してポーカーしてたのか!?」社食の味噌ラーメンをすすりながら武田が大声を出した。 「いやいや、ネカフェで2時間くらいは寝たよ」寝不足で若干眼に隈が出来てしまっている武田が話す。 「え?土曜の昼も、深夜も、日曜の深夜もポーカーって、お前いきなりハマりすぎだろ笑」武田に直接言われると流石に自覚した。 ただ、武田自体はポーカーにドハマリしている自分を見て、えらくご機嫌になっていた。 この調子で、WSOP優勝を目指せとしつこく言われてしまった。 WSOPと

100日目に破産する会社員 〜6日目 〜

「カンパーイ!!」神倉たちポーカーオフの参加者達が、焼肉屋でビールを飲み始めた。終わった後に有志たちで打ち上げが始まったのだ。 「初登場で優勝とは、やるやん笑」武田が自分に話しかけてきた。帰ったかと思ったが、戻ってきて打ち上げには参加しているのだ。 「へえ?このカードガードが優勝商品か?」武田が自分に質問した。「そうそう!いいだろ!」、このポーカーオフでは、各自の不用品やお土産もを持ち寄り、それを優勝者から順に貰っていくという形式を取っているのだ。本場のカジノとは違い、賞金