![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/16495303/rectangle_large_type_2_b15587c916ac2b6bf8036a1b8ddb77a5.png?width=1200)
【段階別】マーケティングへの顧客の声の活かし方
※この記事は、cmkt Advent Calendar2019の4日目の記事です
こんにちは。高品です。
LegalForceという、法務向けの契約書レビュー支援ツールを提供しているスタートアップでマーケティングを担当している者です。
それ以前はLINEで主に広告事業部でB2Bマーケティングを担当していました。さらにその前は、外資系たばこメーカーでLINE担当をしていました。
たばこメーカーでLINE担当をしていた当時(2015~2017年頃)、キャンペーン等でLINEを上手く使ったときの反応率が凄まじく、いち広告主としてLINEが大好きだった(デスクにはムーンのぬいぐるみ、社用iPhoneのカバーは巨大なコニー)のですが、扱っていた商材柄、表に立ってLINEを使ったマーケティングの素晴らしさを語ることもできず、抑え込んだ熱量が爆発した結果LINEに転職したという経緯があるので、カスタマーサクセスは極まると採用に至るというのが持論です。
LegalForceは正式版のプロダクトをリリースしてからまだ半年。ようやくカスタマーが付いてきてくれ始めたいまは、カスタマーマーケティング以前のカスタマーサクセスに注力する時期にあるため、取り組み実例として紹介できることはないのですが、今年から参加し始めた #cmkt や #CMC_meetup での学びをこの機にまとめたいと思います。
1. カスタマーマーケティングとは?
長橋さんのnoteからの引用になりますが、カスタマーマーケティングとは以下。
カスタマーマーケティングとは、既存顧客に対してのマーケティング活動
カスタマーマーケティングには、カスタマーサクセスをスケールさせる考え方で臨むことが必要
そして、カスタマーサクセスをスケールさせるという考え方でカスタマーマーケティングに取り組むにあたって重要なのが、顧客の声を活かすこと。
顧客の声を活かすマーケティング手法としては、#CMC_meetup の影響力が大いにあり、コミュニティマーケティングが盛り上がってきていることを感じます。
一方、無闇やたらに顧客の声をスケールさせることの危険性はあまり話される機会がないと思ったので、先日沖縄で初開催された #CMC_meetup に参加して得た学びを起点に、「顧客の声の活かし方はサービスのフェーズ毎に異なるのでは?」という考察を、以下つらつらと述べていきたいと思います。(#cmkt のACじゃないんかいという突っ込みは受け付けます)
2. 早すぎるコミュニティ化は危険
カスタマーマーケティングにもし罠があるとすると、これではないかと思います。
#CMC_meetup 主宰の小島さん曰く、「ネガティブな話が広がるのはポジティブな話の3倍速い」。
多少のネガティブ発言が熱心な顧客の声でかき消される段階になって初めて、コミュニティマーケティングを始める準備が整うのではないでしょうか。たぶんこのくらいの熱量が必要↓
CYDAS吉田さんがAWSのファーストピンになった原体験が強烈。
— 高品 美紀 | Miki Takashina (@miki_takashina) November 22, 2019
「自分の仕事をドラスティックに改善してくれる」
「未来は必ずこれが正しいと認識される世界になる」
これだけのエンゲージメントを自社のプロダクトが生めたときがコミュニティの始めどきなのかも。#cmc_meetup pic.twitter.com/v1BBvwaVDE
とにかく、PMFしていない状況でコミュニティを走らせるのは危険。なんとなく流行ってるから、で手を出すと大火傷する施策ではないかと思います。
3. 段階別の顧客の声の活かし方
かといって、PMFしていない段階からも、マーケティングに顧客の声を活かす方法は様々あると思っており、マーケティングへの顧客の声の活かし方には「プロダクト改善」「活用支援」「声を届ける」の3段階があるというのが今の私の考えです。
第一段階:プロダクト改善
第一段階と言いつつ、プロダクトを提供する限り永遠に続けなければならない営みでありますが、「プロダクトの改善に顧客の声を活かす」ことが第一歩。見込み顧客にまで届く熱量ある声を生めるかどうかは、プロダクトがどれだけ顧客の課題を解決するものであるかどうか、これに尽きます。外に広がる熱量ある顧客の声を生むために、コツコツ薪をくべるイメージです。
<施策例>
・顧客訪問、ヒアリング
・プロトタイプテスト会
・顧客の声をプロダクト改善に反映する仕組みや体制づくり
第二段階:活用支援
顧客に蓄えられたノウハウを声にして顧客間に流通させることで、顧客における製品の活用が進みます。
さらに、顧客の声を見込み顧客に広げる助走段階として、「プロダクトのここがいい」と思ってることを顧客自身に自覚的にしてもらうまでがこのステップ。くべた薪に火を点けるイメージでしょうか。
<施策例>
・事例
・ユーザー会
第三段階:声を届ける
そうしてサービスに対しての顧客の熱量が高まってきた段階で、外向けにも顧客の声を届けていくのが、いわゆるカスタマーマーケティングの守備範囲になるのかと思います。結果、既存顧客のアップセルはもちろん、新規顧客の獲得にもつながると。点った火をどんどん大きくして遠くからも見えるようにしていくイメージです
<施策例>
・事例
・コミュニティ
・ユーザー登壇イベント
4. 顧客の声に耳を傾けるのは誰の仕事?
複数の段階にまたがって継続的に顧客の声を聞いていくのは、必ずしもカスタマーサクセスや営業の仕事ではありません。第一段階は開発寄りのメンバー、第二段階はカスタマーサクセス、第三段階はマーケティングが、それぞれマーケティング思考をもって取り組むとうまく回るのではないかと想像します。
(ちなみに #cmkt の参加者には開発側もCSもマーケもいるので、改めて素晴らしいコミュニティだなと感じました。)
思い付きですが、THE MODEL的な分業体制を敷いている組織であれば、顧客との接点を集約する役割を置いて、その人が各所に顧客の声をフィードバックする働きを担うのもいいのかもしれません。もしそんな役割を置いている会社があれば、ぜひお話聞いてみたいです。
5. LegalForceにおける取り組み
冒頭でも述べましたが、段階でいえば、第一段階〜第二段階にあるフェーズです。ただ、第一段階のプロダクト改善への顧客の声を活かすということは、開発の基本姿勢として実践できているので、第二段階以降に注力していきたいこの頃です。
(社内の人間の言葉を借りると「ここはゲーム会社か?」な凄まじいスピード感で週に何本も機能改善や追加のリリースがなされており、ここだけの話、追いつけていないこともある)
ということでありがちな落としどころですが、まだ見ぬお客様に届くお客様の声を創り上げていく意気込みでカスタマーサクセスに取り組んでくれる方も、カスタマーマーケティングをいちからやってみたいマーケターの方も、絶賛募集中です。