見出し画像

ウルトラランナーと”プチ断食”~3ヶ月間の朝食抜き生活について

私は走ることが好きで、特に、ウルトラマラソン(100km以上)の大会を好んで挑戦しています。そんな中、2021年は運が良いことに、小江戸大江戸200Kという大会にエントリーができ、3月末に開催され見事完走できました。

この小江戸大江戸200Kの完走の前後(2021年2月2月16日~2021年5月5日)の約2か月半、朝食を抜くといいわゆる”プチ断食”に取り組んでいました。

皆さんの中にも、健康やダイエットの記事などで見聞きしたことある言葉ではないでしょうか?

ここでは、”朝食を抜くプチ断食”はじめた経緯その効果(私のカラダに起こった変化)をお伝えして、ランニングへの影響に言及できればと思います。

はじめた経緯

この”朝食抜きプチ断食”は大会完走のための取り組みの一つでした。

ダイエットや健康のためでは?と思われた方もいらっしゃるとは思いますが、私にとっては、200kmを完走するためのカラダを作ることこそが重要な命題でした。

なので、「200km走る」ために、、、このような超長距離を走る(歩く)上で、大切なこととは???

それは、脂質代謝優位なカラダづくりです。

走るためには、多くのエネルギーが必要となりますが、そのエネルギーの源は、糖質と脂質です。その内、糖質は体内に多くを蓄えることができません(一般に330g程度と言われています)。

そのため、ウルトラマラソンでは、外から摂取していかなくてはいけませんが、外からの摂取する場合、自分で持って走らなければならないし、持たない(エイドなどで補給する)にしても、摂取するために胃腸が強くなければいけません。

しかし、脂質の場合、体重60kgで体脂肪率10%と仮定すると、約6kgの脂肪を体に蓄積していることになり、その総カロリーは54,000kcalとなります。これは単純計算ですが、ランニングで1時間を10km走るペースで約600kcal消費すると仮定した場合、約90時間、距離にして約900km走れる計算になります(実際はこのペースで走ることはできませんが・・・)。

つまり、体に蓄えられた脂肪を活動エネルギーとして有効に使うことで、必要な補給量を減らすことができ(行動時の重量を減らすことができ)、補給による胃腸トラブルのリスクも減らすことができます。

このように脂質代謝優位なカラダづくりを調べている中で、「オートファジー」という言葉に出会いました。詳しい話は専門家ではないので、他に譲るとして、、、

「オートファジー」は体内の不要なたんぱく質をエネルギー源とし、新たなたんぱく質を作ること。そして、16時間食べ物を食べないことで、空腹状態(飢餓状態)をつくることで、そのオートファジーが活性化されるとのこと。

この話の中で私が気になった点は、長い空腹状態(飢餓状態)は糖質が枯渇している状態ということで、脂質代謝優位なカラダが作られるということでした。その他、肌が綺麗になるといった美容やダイエットにも良い的な話もかなりありました。

まぁ、色々見ていくと賛否があり、家族からは大反対!

それでも、脂質代謝優位なカラダづくりの一環として、「やってみないことには良くわからない。」ということで強引に始めました。

”朝食抜きプチ断食”の方法

私は、完全に受け売りですが、「朝食を抜く」ことで16時間程度の空腹状態を確保しようと考えました。

ただし、厳密に16時間を確保しようとは考えず、朝は抜くけど昼食は12時に食べました(仕事の関係です)。そして、夕食は自宅に帰ってからなので、7時に食べることもあれば、遅いと11時くらいになることもあります。

結果的に、12時間~16時間の間で空腹状態確保できれば良いかなと思っていました。

また、長時間のトレーニングをする土曜は、多くのエネルギーを必要とするため朝6時から走るとした場合、トレーニング中(8時くらい)に補給をとりましたし、日曜は回復を図る趣旨で朝食をとりました。

以上より、毎日厳密に行っていたというよりは、平日のみ朝食を抜いて、12時間~16時間程度の空腹状態保ち、休日は普通に3食たべていました。

プチ断食によるカラダの変化

はじめて1週間は、カラダが慣れなくて、「常にエネルギーが枯渇しているなぁ」という感覚でした。ランナー的には「ハンガーノック」状態です。手足がしびれていました。

しかし、1週間を経過するとカラダが順応し始め、手足のしびれは感じなくなりました。この間も、早朝、1時間くらい空腹ランをしていましたし、練習後は朝食は取らず、食塩水(500mlの水に2g程度の塩を溶かす)を飲んでいました。

2週間を経過すると空腹感にも慣れてきました。

この辺から、休日に朝食を取ると、その日は異常に腹が減るし、何かを口にしたいという衝動が半端なくなりました。特にパンなどを食べるとその衝動は大きかったです。小麦粉に何か中毒症状を起こすものが入っているのではないかと疑いました(笑)。

その他カラダの変化としては以下の通りです。

画像1

体重と体脂肪率が減りました。2021年2月15日体重64.1kg、体脂肪率15.4%でした(上表参照)。ちなみに、ブルーが体重(左軸)、イエローが体脂肪率(右軸)です。かなりバラツキがあるのですが、現在では大体、体重60kg~61kg、体脂肪率10%~11%くらいですかね。全体的なラインが一段階下がった感じです。

なお、朝食抜きプチ断食の効果だけ、体重4kg減と体脂肪率5%減が達成できるわけではない点はご理解ください。私の場合、朝食を抜くことで全体のカロリーバランスがそうなったということだと思います。なので、4月に入ってからは、減少傾向にストップがかかり、横ばいとなっています。

長時間動く時の補給量が少なくなりました。例えば3時間のトレイルランニングを考えたとき、これまで途中で何らかの補給物(おにぎり、菓子パン又はカロリーメイト類)などの糖質を摂取していましたが、今では水分くらいあれば動き続けられるカラダになりました。以下のインスタは一例です。

また、便の量が減りました。これまでは毎朝ガッツリ便をしていましたが、その1回の便の量が減りました。これは、食事が1日3回から2回に減ったため、全体の摂取量が減ったことに起因すると思いますが、何となく、ほぼ同じ活動をしていて、摂取量が減り、排出量も減ったということは、これまで如何に余計なものを摂取していたのかと考えさせられました。

その意味で、個人的にはこの効果は大きく、自身の食事を見直した方が良いと思うキッカケをもらえました。

最後に、これがこの朝食抜きプチ断食を止めた理由なのですが、2か月を過ぎたあたりから「手足の冷え」が気になるようになりました。

私は基本、手足は温かい方で、寒さにも強い方なのですが、春先になり暖かいはずなのに、一人だけ寒さを感じていたり、走れば手足がポッカポカとしてくるはずなのに、それが起きなくなったり・・・。

一方で、「冷え」を感じてからは、炭水化物を摂取すると10分~15分くらい経過すると、手先足先に温かな血流が流れ始め、手足が温かくなるという現象を感じるようになりました。

最後に

「朝食を抜く」ことには賛否があります。

賛否がある中で、私自身はどうだったかというと、「小江戸大江戸200Kを完走できたので、脂質代謝優位のカラダづくりへの貢献はできたと思っていますが、継続し続けることには難があり」と結論付けたいと思います。

一方で、パフォーマンスへの影響についてですが、この間、ウルトラマラソンの練習しかしてこなかったので、高強度な練習(例えば、インターバル走など)をしない限りにおいては、疲れやすいとか疲労回復が遅いとか感じることはありませんでした。

早朝水を2杯飲んで、1時間ほど走って、その後、食塩水だけだったとしても、何の問題もなく仕事していましたし、疲労が取れないという感覚はありませんでした。

また、かなり体重が減少しましたが、筋肉量も減らず、パフォーマンスが下がった実感もありません。

ただ、冷えを感じるようになってから、朝起きてランニングをすることに抵抗感を覚えるようになり、モチベーションが減退したような気がします。ただ、モチベーションの減退については、小江戸大江戸200Kを完走したという達成感からきている可能性もある気がしています。

以上、脂質代謝優位なカラダを手に入れる一つの方法ではあるとは思いますが・・・唯一の方法ではありません。そして、私の場合、継続による冷え性発症というデメリットもあり、手放しにオススメできる方法ではないと思っています。

ちなみに、たまに飢餓状態を体感することは良いですよ(笑)。自分が生きているという実感を得られますので・・・

以上、現場からの報告でした!

最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?