2020年 小江戸大江戸230km失敗録~レース編
起床は午前6時
時は、2020年2月22日(土)、午前6時起床。
前日入りし受付を済ませ、妻の実家にはじめて一人でお世話になった。
お義父さんもお義母さんもクレイジーな私に気を使いながらも、「無理はしないでね。」と、心配してくれていました。
午前7時、妻の実家(ふじみ野)を出発。東武東上線で川越市駅まで行って、蓮馨寺までは徒歩。
午前7時半、会場に到着。多くのランナーでごった返していました。あわただしく準備をし、スタートを待っていました。
スタート10分前、近くの方に写真を撮ってもらいました。
まずは、このスタートラインに立てたことがとても嬉しかったです。もう、高揚感で一杯。「これからどんなドラマが待っているのだろう?」と期待で胸をおどらせていました。
スタート~吉見エイド(約21km)
8時ちょうど、スタートの合図とともに、一人ずつタイムを計測するリストバンドを計測機にかざし「ピュ」と高い音が鳴り始めました。
皆がどんどんスタートしていくのを後方から覗き見ながら、初参加の私は、少し気持ちに焦りがでていました。
今思えば、これくらいのタイムロスは大したことないですが、「少しでも早くスタートしたい!」と心の中では思ってしまいました。
10分くらいして、ようやくスタート。川越を北上し始めました。最初は、ランナーが連なり、知り合いの方々とおしゃべりしている方、黙々と走っている方、色々です。
私は、当然、知り合いはいないので、一人で少し焦りを感じながら黙々と自分のペースを刻んでいきました。
街中を抜け、荒川の河川敷にでると程なく、吉見エイドに到着。時刻は10時11分。
当初6’00/kmで進む予定でしたが、実際は5’51/km。ペースは良かったのですが、心拍数が140bpmを超えており、「ちょっと高い」。個人的には138bpm以下で走りたかったので、嫌な感じ。。。これがさらなる焦りを生んだ気がします。
予定通りエイドで補給し、次のエイドに向けて走り始めました。
吉見エイド~手島エイド(32.7km地点)
ひたすら河川敷のロードを走る区間。気温も徐々に上がり、風もなく、とても走りやすい環境でした。ペースは6’11/km(設定6’00/km)。思ったほどペースが上がらず。
心拍数も依然140超。少し消耗してきました。かなり早い段階で疲労感を感じてしまい、「こんなんで完走できるのか?」と早くも思ってしまいました。「高揚感や緊張感で疲れてしまったのか?」経験値の少ない私にとっては、不安しかありませんでした。
11時28分 手島エイド到着。しっかり予定通り補給しました。
手島エイド~浄恩寺エイド(51.8km)
気温がさらに上がり、ペースは6’23/km(設定6’00/km)。河川敷から街道沿いにでると、疲労感からか?塩分切れか?わかりませんが、頭痛を発症。心拍も相変わらず140越えで高い。
13時38分 浄恩寺エイド到着。当初10分の休憩を考えていましたが、20分休憩することになりました。
浄恩寺エイド~唐子エイド(72.0km地点)
ここからは川越街道を南下し始めます。
ペースは7’17/km(設定6’00/km)。かなりペースダウン。疲労感もさらに大きくなり、気持ちが折れそうになってきました。
エイドの手前で200kmのランナーの方に声をかけてもらいました。私のゼッケンが100番だったからという理由だけで。この時、ゼッケンに助けられました(笑)
何とか気持ちを繋ぎ、元気をもらいながらエイドまでたどり着きました。
16時25分 唐子エイド到着。エイドに到着して、椅子に座った瞬間から
「気分が悪い、吐きそう。。。」トイレに行くも、何もでてこない。
とりあえず、糖質補給をしっかりしないといけないと思い、吐きそうになりながら、うどんとおにぎりを少しずつ”胃袋に押し込み”ました。
何とか時間をかけて食べつくし、当初10分と思っていた休憩も15分かかり、エイドをスタート。
時刻は16時40分。若干うす暗くなってきており、ここからはライト必携。点灯させてスタートしました。
唐子エイド~川越エイド(91.3km)
日が暮れてくると、体調は回復。頭痛や吐き気は消えました。これがウルトラあるあるの復活タイム。
ペースも設定よりは遅いですが、7’32/km(設定7’00/km)で進むことができました。
また、途中からその場で出会ったランナーさん達とおしゃべりしながら、お互い励まし合いながら、川越エイドを目指しました。
超ウルトラならでは!変な連帯感が生まれました(笑)
川越エイド
17時57分 川越エイド到着。小江戸コースのゴール。91.3km地点。まだ半分もいっていません。
到着するとランナーさん達でにぎわっていました。ここからは、エイド毎にマッサージ師の方がいて、マッサージをしてくれます。
マッサージをしたい方は受付表に名前を書いて待ちます。今回、私はやりませんでしたが、ここで大休憩をするなら、マッサージしてもらうことをお勧めします。
ただ、ゴリゴリ系のマッサージなので、ランナーさんによっては、めちゃくちゃ大声で「あぁー。ギャー!」と騒いでいる方もいました(笑)
当初、60分の休憩を目論んでいましたが、なんと気づくと時間オーバー。79分も休んでしまいました。
川越エイド~ふじみ野付近(約100km地点)
20時24分 ようやく川越エイドを出発し、大江戸コースへ。
夜中にも関わらず、妻のご両親が待ってくれている地点。LINEでおおよその通過時間を連絡し、お義母さんの手作りおにぎり2個を頂きました。
人のぬくもりを感じるだけで、すごく元気をもらえます。そして、所沢近辺を通過する時に、おにぎりを食べましたが、不思議と涙が湧いてきたのを覚えています。
ふじみ野付近~成願寺エイド(128km地点)
川越エイドから成願寺エイドは、最も長い区間であり、時間帯も夜中なので、辛さが増してきます。
私の場合、過去に朝霞台、和光、成増に住んでいて、試走もしていたので、他の人に比べたら楽だった気がします。
さらに、友人が応援に来てくれてたおかげで元気をもらいました。
調子が回復しペースは6’17/km(設定7’00/km)と設定を大きく上回るペースとなりました。とても満足感を感じながらエイド内へ。
1時19分 成願寺エイドに到着。カレーやたこ焼きが食べれるエイド。しっかり、堪能しながらも、当初想定どおり20分休憩でエイドを出発しました。
成願寺エイド~小伝馬町エイド(146.2km)
1時39分 成願寺エイドを出た瞬間、急に寒気が・・・。体中がガタガタと震え始め、走るどころではなくなってしまいました。
すぐ、レインウェアをまとい、体をさすりながら歩き始めました。これは本当に想定外で、動揺してしまいました。
その後、東京都庁、新国立競技場、東京タワー、皇居をめぐりながら、それぞれの私設エイドを堪能しながら進めるエリアなのですが、私はそれどころではありませんでした。
徐々に足裏に痛みが出始め、一歩一歩進むごとに足裏全体がじわっと痛みます。そして、東京タワーを超えたくらいから、左アキレス腱にも痛みが出始めました。
大手町付近で痛みがひどくなり大手町の地下鉄の出口の階段に座り込み10分程マッサージをしながら休憩しました。
しかし、まったく良くならず。ここからは、少し走っては歩き、歩いては少し走りました。
4時55分 小伝馬町エイドにようやく到着。
この区間ペースは10’48/km(設定7’00/km)。とてもペースを守れる状況ではありませんでした。
当初、ここにもエイドがあるはずだったのですが、コロナの関係でエイドがなくなりました。運営の方が外で計測器とスープを用意してくれていました。
私はお腹が「ぐー」と鳴っていたので、エイド横のコンビニでおにぎり2個を買い、スープと一緒に胃袋にいれました。
何とか出発する気持ちを高め、ようやく腰を上げるも、やはり左アキレス腱と足裏が痛い。
小伝馬町エイド~八丁堀付近(約150km地点)
5時15分 小伝馬町エイド出発。
痛いのは気のせいと言い聞かせながら歩き(走り)続けました。
途中、大江戸ナイトラン組や200k組にガンガン抜かれました。気持ちも徐々に削られていき、肉体的にも痛いものは痛い。
空は明るくなり、太陽が昇り、朝を迎えました。
水天満宮を超え、八丁堀付近のとある公園のトイレに入り、スッキリしたあと、何気なく、その公園のベンチで休憩をしました。
そこで、10分くらい?自問自答を始めました。
このまま進むべきか?否か?
朦朧としながら、今のペースを計算しました。230kmはもはや無理。でも、歩き続ければ200kmは時間内に行ける可能性はある。
川越まで、行くべきか、ここで止めるべきか?
あと、5分休んで、決めよう。
ここで考えたのは、アキレス腱が今より悪化する可能性。悪化してしまって、当分走ることはできなくなる可能性。
このまま走って、昼頃、もう無理となりリタイアした場合、この汗だくの状態で電車に乗って帰るのが恥ずかしい。
今日の夜、羽田に行って、明日札幌に帰らなければならない。
時間ギリギリまで頑張った場合、果たして羽田まで辿り着けるのか?
今なら、まだ始発の電車で乗客も少ない。
妻の実家で昼寝をして、夜、羽田に移動は容易。
こんなことを悶々と考え、ついに、リタイアを決めました。時刻は朝の6時半くらいだったと記憶しています。
これで私の小江戸大江戸230kmは、リタイア(150km地点)という結果で幕をとじました。
その場で運営に連絡をし、近くの地下鉄から川越に向かいました。案の定、乗客は少なく、何事もなく、8時くらいに川越まで帰ることができました。
蓮馨寺に着くと、運営の方だけで、閑散としていて少し寂しい感じ。
歩くのもままならない状態だったので、マッサージをしてもらい、何とかふじみ野まで帰ることができました。妻の実家で仮眠をとって、お昼を食べて、15時くらいにふじみ野を出発し羽田に向かいました。
リタイア後の率直な感想
翌日、羽田空港で特にすることもないので、ずーっと昨日のことを振り返っていたのですが、「思ったほどダメージがなく。むしろ、もっと走ればよかった」と後悔する自分がいました。
一方で、1つ越えたい壁が、より明確になったことに、充実感も湧いてきました。
そして、こういう極端な挑戦に対して、本当に多くの方が応援してくれたことに驚きと感謝の気持ちで一杯でした。
走っている間も、LINEやメッセンジャーで応援動画を送ってくれたりして勇気を頂き、私の進む活力になりました。
こういう体験をすると、「また、やりたいなぁ・・・」と思ってしまいます。アスリートでもないのに、なんかそんな気分にさせてくれる。。。
ということで、また来年こそは完走したいと思いました。
まとめ
今回の失敗録のまとめをしたいと思います。
【良かったこと】
年末に大江戸コースを試走していたので、夜間、特に都心のコースで、まったく迷うことはありませんでした。
【失敗したこと/改善点】
・休憩時間の使い方をもっと詳細に決めておくべきだった。
・休憩後の体温低下のリカバリー策を考えておくべきだった。
・限界まで挑戦できるように、大会終了後の日程調整にもっとゆとりをもって臨むべきだった。
・ネガティブな気持ちのコントロールが未熟だった
・ペースより心拍コントロール(135前後をキープすべき)
・気温の高い時間帯は頑張らず、気温が下がり始める夜間から頑張るべきだった。
以上、失敗録でした。
最後に、各マラソン大会が中止の判断をされる中、小江戸大江戸の運営の方々は開催の決断をされ。一部、エイドが使えなくなるという事態はありましたが、運営の方々の多大なるご尽力のおかげで、大会が開催され、走ることができました。参加した方は口々に、運営の皆さんへの感謝の気持ちを述べていたことを記憶しています。
私も、この場を借りて本当に感謝申し上げたいと思います。
2021年も開催の方向に動いてるとのことで、とても期待しています。次回こそ絶対完走。そんな想いでこれを綴っています。
それでは、また蓮馨寺で!
最後までお読みいただきありがとうございました!
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