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7/15[Wrote by Megumi Iori]

民間から嫁いだ美智子上皇后さまのご苦労は想像を絶すると私のような平民でもなんとなく感じる。
特にミッション系の女学校で学ばれた美智子様が神道の大祭司のおうちに輿入れしたのだから異文化のご苦労は計り難いはずだ。
しきたり、物の考え方、振る舞い、どんな意味を持っているのか、日本の中で異文化を感じたのではないかと推察する。

白状すれば、私も今ちょっと似たところにいる。

私と基実くんや忠兼さん、卓さんはもともと住む世界が違った。
無論、私と卓さんは元同級生であるけれど22年間の空白を経て出会った時にはもう別世界の基実くんや忠兼さんと同じ世界にいた。向こうの世界というのはこちらの世界とは色々とシステムが違っているらしい。
あらゆることに値段がついている。
結婚も、離婚も、不倫も、家族も、引っ越しも、仕事も、やめることもはじめることも、そして死ぬことも。
不動産や動産が売買されているのではなく、ライフプランに値段がついているのだ。

勝手に超えてはいけない一線というものがあるらしい。三途の川のようなもので、三途の川も金次第という言葉そのものに、川はただでは渡らせてもらえない。
先に示したように値札のついたライフプランの料金表がお出ましになる。
「金がないなら、体で払ってもらいます」
身を献上したところでペナルティであるから罰が待っている。自分達の仕事に支障をきたすことは目に見えている。

基実くんはペナルティについてこんなふうに私に教えてくれたことがあった。
「ペナルティをくらってもめぐが欲しかった。俺としては初めてだった、片っ端からルールを破ったんだ」
確かにそうだった。
忠兼さんなんかは特にライフプランの値段設定幹事会社と近しいところで仕事をしているから私との交際で食らうペナルティは基実くんや卓さんと比べて度を越して多かった。
卓さんも数回ペナルティをくらっている。サラリーマンの息子が、しかも私に見つけてほしいだけで何千万というライフプラン料金を払えるわけがなかった。借金だけはなかったから、とりあえずは「ダメになったら仕事変えればいいや」くらいに思っている。
そこが、多くの向こう様とは違う自由なところだった。


美智子上皇后さまはどんなふうに皇室のしきたりになれていかれたのだろう。侍従や侍女たちに嫌味を言われたこともあっただろうか。「そういうものです」と言われれば愛のためにと従ったのだろうか。


パチキリ教


私は慣れなかった。事情は違うものの慣れなかったし、愛のために都度都度怒り狂って泣いていたから、ある日「そんなバカな話があるか!人の人生なんだと思ってんだ!そんなにごちゃごちゃ言うならめぐみが仕組み変えてやる!」と、まあ怖いもの知らずに啖呵を切ってしまった。知らないからこそ啖呵を切れた。その後、味をしめた忠兼さんたちは、事細かに私に説明することをやめてしまった。
「この子は自分で痛みを伴って獲得した強さにおいては、他の追随を許さない力を秘めている」。
否定はできない。背水の陣となった時、私には大きなひらめきが与えられる。
社会的家族たちはそんな私の言動や行動を見て最初は引いていた。というよりもドン引きだ。そして、
「旧来何十年と続くこの伝統をひとりで切り崩せるはずがないだろう」と哀れんでくれた。だからこそ、温かい目で見守ってくれていたのだと思う、「できないことはわかっている。かわいそうだからせめて優しくしてあげよう」というように。
でも、忠兼さんや卓さん、そして基実くんは私が立ち上がった時に自分達だけでなく後輩やこれからの業界に間違いなく光を差し込むことになると確信したという。長らく閉ざされていた神殿の幕が真っ二つに割れる時が来ていると。
2021年9月、私は父の病床の傍から表舞台に立つことになった。
何度泣いたかわからない、向こう様のライフプラン料金表のせいで。
何度怒ったかわからない、向こう様が提示するライフプラン身代わり表のせいで。

「誕生日に清算することないじゃん、、、」
と憐れんでくれたのは忠兼さんの社会的兄弟たちだった。
「だったら俺が支える。俺の奥さんなんだから」
と休む暇もなく私に寄り添ってくれているのは基実くんたちだった。
「絶対撃ち落としてやる」
とスナイパーのごとくあらゆる風刺作品を作ってくれたのは卓さんたちだった。
誰かが倒れたら、誰かが支え守備を固め、そして誰かが攻撃に徹する。
チームワークで成り立っている。

反旗の初期メンバーの平均年齢はおよそ40歳。
若手が自らの人生を勝ち取るために立ち上がったその姿に先輩たちも後輩たちも援護をしてくれた。

私の文章に恋をしてくれた基実くん。
私の文章を追いかけ続けてくれた卓さん。
私の文章力をかって世の中に出した忠兼さん。

私にとって文章はいつでも人生の分岐点となっている。
その文章力を養う礎となったのはもちろん800円で小学校六年生の時に購入した新約聖書だ。
ツボを買うことを勧められる教会が母教会ではないし、献金が滞っても何か言われるような教会の教会員でもない。
「壺なんか買う暇があれば人に施せ」と教えられた。
コンビニでおにぎりを10個買って、通りすがりのホームレスの人たちに与えることのほうがよほど優れていると教わった。

「めぐちゃんのキリスト教は何かいいね!」
と言われた時に首を傾げた。
「めぐみのキリスト教?キリスト教は一神教なのに他にどんなキリスト教があるというのか?何言っているんだ、こいつらは」。

向こう様のキリスト教とこちらのキリスト教では色合いが違う。
なるほど、と今ならわかる。
ライフプランに値段設定がされているキリスト教はどんなに裏をめくってみても宗教とは言わない、プロモーターっていうんだよ、クソババアが。

基実くんと忠兼さんと卓さんに私はクリスチャンとしていつも言っていることがある。
「いいか!欲しいものは勝ち取れ!祈って勝ち取るんだよ!金で勝ち取ろうなんてみみっちいこと言ってると負けるぞ。祈りは神様にするものなんだよ。人に拝み倒してなんとかなる範囲を超えてくるんだよ、それがリアルなキリスト教だ」
引いている。いつもそれはわかっている。でもさらに熱を込めて伝える。
「お前らの世界のパチキリ(偽物のキリスト教の意味)なんか、めぐみが祈りで捻りつぶしてやる。こっちはガチモンがケツ持ってんだよ。めぐみがぶっ潰してやるからよく見てろよ」。
大見栄を切っても私は何も怖くない。
なぜなら私のケツを持ってくれる神様はツボを買わなくても献金をしなくても平和のためであれば、なんでもしてくれるからだ。


あえて私はクリスチャンの立場から公言する。


1、勧誘されるような宗教は全てついていくな。絶対に。
キリスト教を知りたければ、自主的に教会に赴き牧師に率直に尋ねることをお勧めする。
2、「統一教会やモルモン教、エホバの証人の教会ですか?」
言葉を濁すことなく
「いえ、無関係です。彼らは三大異端です」と牧師が明確に答えればひとつクリアである。
3、一度や二度訪れたくらいで教会に住所や連絡先を伝えないこともお勧めする。訪問者として拒否権があるのは当然である。
献金も初回はしなくていい。一円たりとも入れなくてもいい。

キリスト教を知るほどに人生は楽になる。これは体験談として私も宣教していきたい。しかし、パチキリには騙されて欲しくない。これはクリスチャンの先輩として切に祈ることである。

合言葉は「パチキリ」である。
パチンコキリスト教とでも覚えてもらってかまわない。

ただで祈って願いが叶うことをどうか体験して欲しい。そのただで祈って願いが叶う成功体験こそがイエス様が心から願って十字架にかかった意義なのだから。












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