啼き声

「ねぇ 触って」
そう言って、君は右の頬を差し出す。
思わずポケットに手をしまいこんだ。

「ねぇ 触って」
もう一度、君は頬を差し出す。
思わずガタリと立ち上がりその場から立ち去った。

後ろの方から啼き声が聞こえてくる。
行けども行けどもその声が追いかけてくる。

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