![演劇](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/13040541/rectangle_large_type_2_3576b46b913327db45103fe164081019.png?width=1200)
演劇は外国語教育に良き。
演劇を日本語の授業に取り入れる
この動画は、私が中国語の勉強でよく見させていただいている和之梦というチャンネルの動画です。ある日本人の日本語教師に密着した放送回で、中国の大学で日本語を教えていらっしゃる方です。
そこで私の目を引いたのは、日本語の学習に演劇を取り入れているところです。生徒たちは宿題として先生から渡されたスクリプト(台本)を読み込んで覚えます。授業ではそれを演劇として披露するのです。
感情のタグをつける
私が大学で外国語を学んでいた時にこのような演劇を取り入れた外国語の授業はありませんでした。あったらよかったなと、今は思います。なぜなら、感情と言語を結び付けて学習すると身につきやすいと体感しているからです。ある感情になった時に私たちはタグをつけます。「怒り」とか「うれしい」とか「恥ずかしい」などの感情のタグです。まずはこれらの日本語のタグをつけて、後からそのタグの英語なら英訳、中国語なら中国語訳のタグをつけています。そうではなくて、いきなり、その外国語のタグをつけるのです。
演劇を通して言語を学ぶことでこの「直接感情に外国語のタグをつける」感覚が身につきます。びっくりした時に「On my god!」というのです。うれしいときに「Yes!」という。感謝の気持ちを感じたときに「Thank you so much!」と口に出す。そもそも感情的に表現するのが演劇ですから、生徒たちは「感情を出す恥ずかしさ」を乗り越える言い訳があります。私自身は感情をはっきり表現することが苦手です。しかし、英語ネイティブのように感情をストレートに出すように英語を話すようにした途端、何か英語の作法を認識して、急にしゃべり易くなった感覚があるのです。先生はぜひ英語の授業に演劇を取り入れてみるといいと思います。
感情豊かな人は言語習得が早い(仮説)
日本人は比較的感情を表に出さない文化的な空気があります。出さないことが美徳とされている。その美徳は、言語習得の面ではネガティブに働きます。「感情豊かな人のほうが英語の修得は早い」これは私の経験的な仮説です。感情の豊かな人は勉強した英語を感情に結び付ける機会が多い。そして、普段の生活の中でその感情に遭遇する度にその単語を使うようになる。すると、もはや頭で考えるのではなく、筋肉が覚えた単語が反射的に口から出てくるようになります。この仮説が正しければ、俳優さんは外国語を覚えるのが早いのかもしれません。データをとってみたいものです。
普段から感情的に読む
では、俳優ではない私たちはどうしたらいいのか。それは普段勉強している英文を感情的に読めばいいのです。もしくは、普段の勉強に使う文章を小説にしてみるだとか、より感情の要素の高い文章にするとさらに良いでしょう。「感情のスイッチをオンにする」という感覚です。それを意識するだけで、感情を使ったリーディングの練習ができるようになります。日本人はわざわざスイッチをオンにしないと感情を利用できない人が多いような気がします。
日常会話のようなスピーキングの時に役立つのは、筋肉が覚えた英単語やフレーズです。スピーキングしているときに文法や語彙のルールなどに頭が回りませんから、口が覚えている英語しか実際は使えません。そして、感情に結び付いた言葉がたくさんあれば、スピーキングの時の大きな助けになります。人間は論理だけで会話をするのではありません。どちらかといえば感情の生き物です。ハートと結びついた英語を話せる人というのは、私は英語話者として尊敬します。本や英会話学校で学べるのは英語に関する情報だけです。感情というのは、もう既にあなたの心にあるものです。学ぶものではなく、「感情のスイッチをオンにする」という感覚です。インプットした英語を既にある感情と結びつけていく作業、これを意識することで、「使える英語」の能力が飛躍的に上昇します。