中国語note 第一课「簡体字と繁体字」
中国語の初学者向けのnoteを書き始めてみようと思います。
なぜなら、私自身、中国語を真剣に学び始めて一年半で初学者の気持ちがよくわかるからです。
私は一年半の独学でHSK5級、中国語検定2級に合格しました。学び始めから1年程度の俯瞰的な勉強方法については以前noteに書きました。
今回は「簡体字と繁体字」について説明します。
簡体字と繁体字は漢字の種類
私たちが中国語を見て意味が分かるのは漢字を使っているからです。でも漢字の中での書き方に種類があって、簡体字と繁体字という2種類があるのです。
簡体字は主に中国本土で使われている漢字。
繁体字は主に台湾で使われている漢字。
もともとはどこでも繁体字だったのですが、1950年代に中国共産党政府が簡体字に変えました。なぜなら10億人以上の中国国民の識字率を向上させるためです。漢字をより簡単にして、より多くの国民が共通の言語を話せるようにし、中国国民の一体感を演出しようとしました。台湾はそれを気にせずに(むしろ反発して)昔のままの難しい漢字を使っているのです。
ちなみに、私たち日本人が使っている漢字は簡体字、繁体字どちらでもありません。日本独自の進化を遂げて今の日本の漢字があります。それでもルーツは同じですから、見ればなんとなくわかります。私は繁体字の方が見て意味が分かりますね。というかほぼ分かります。日本の旧字体のような形をしています。しかし簡体字の中には原形をとどめないほどに簡略化した漢字がたくさんあって戸惑うことがあります。
例
日本語 : 簡体字 : 繁体字
価格 : 价格 : 價格
営業 : 营业 : 營業
図書館 : 图书馆 : 圖書館
日本 : 日本 : 日本
中華人民共和国 : 中华人民共和国 : 中華人民共和國
ちなみに私の中国本土のある友人は「繁体字を読むことはできるけど、書くのは自信がない」のだそうです。台湾の人が簡体字を読むのはもっと簡単だと予想できます。
発音は同じ
非常に大きなポイントなのは、簡体字も繁体字も発音は同じなのです。だから、台湾人と北京人は同じ中国語で会話が何の問題もなくできます。日本で言えば、ある地域は平仮名だけで、ある地域は片仮名だけで生活をしている感じです。しゃべっていると気づかないですが、文字に書くと違う。でもなんとなく意味は分かる。そのくらいの距離感なんです。
日本で中国語を学ぶと言えば簡体字
例えばNHK出版の「まいにち中国語」はすべて簡体字での記述に統一されています。日本で売っている中国語関連書籍はほとんど簡体字です。”台湾語”と書いてあればそれは繁体字ですが、極めて少数なのが現状です。台湾で生活をする特定の目的がなければまず簡体字を学び始めれば間違いはないでしょう。
台湾で中国語留学も可能
中国語の語学留学を台湾でする人は多いです。台湾留学は三ヶ月まではビザが不要ですし、Googleなどのインターネットサービスも使えますし、便利なんですね。台湾の語学学校の授業は繁体字で行われますが、簡体字が併記されている場合が多いです。外国人が中国語を習得した後のアウトプットとしては圧倒的に簡体字が多いことを台湾の語学学校も分かっています。学びやすさという点で台湾で中国語を身に着けたのちに、中国本土でビジネスを始めるというのは一つ合理的なルートと言えそうです。政治的にもインターネット環境的にも、日本人にとってはなじみ深いのが台湾ですから。
まとめ
台湾と中国本土の政治的緊張関係が続く限り簡体字と繁体字の両立は続くと思われます。ただ、日本人にとってはどっちも、見て何となく意味がわかる。これはすごいことです。中国語を学ぶという意味ではかなりスタートラインが先にあります。簡体字と繁体字は漢字の種類が違うだけで、文法も発音も違いはありません。つまりそれほど悩む必要もなし。まずは日本で教材の手に入りやすい簡体字を勉強し始めれば間違いないと思います。
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