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勝手にNVCコラム「使命感がジャッカルになるとき」

こんにちは。
里山リモートワーカーのなかあづさです。

毎週月曜日に「里山ログハウス通信」として、私が日々感じていることをnoteにまとめてご紹介しています。

今日はNVCコミュニティで投稿した、私の最近感じたNVC的なお話。

(はじめに)NVCとは?

NVC(Non-Violent-Communication)とは、アメリカの臨床心理学者マーシャル・B・ローゼンバーグ博士によって体系化された、自分の内と外に平和をつくる「つながりの質」を築くスキルと対話法です。共感的コミュニケーション・協働コミュニケーション・思いやりのコミュニケーションなどとも呼ばれています。

(はじめに)NVCの基本

NVCの基本プロセスは「観察」「感情」「ニーズ」「要求」です。自分そして相手のことを観察し、その中にどんな感情とニーズがあるのかを見ます。最終的に自分がどんなニーズを持っているのかを相手に伝えることまでがNVCの基本プロセスです。
また、NVCでは動物の例えがあります。NVC的な言葉や行動をキリンに例えます。自分自身がNVCを意識できていたと感じるとき、私は「キリンの心を持てた」と考えています。そして、NVC的ではない言葉や行動はジャッカルに例えられます。自分のニーズが満たされず、相手に厳しい言葉をかけてしまった時、「ジャッカルになってしまっていた…」と考えています。
このあたりの予備知識を持ちながらご覧いただけると、嬉しいです。

「受け入れてほしい」ニーズがジャッカルとなって現れる

私は現在、「暮らしの目からウロコ」という団体で、環境問題をテーマとしたイベントやコミュニティ運営を行っています。このテーマで取り組みをしていると、使命感が強く、心の底から世界を良き方向に変えていきたい想いをお持ちの方によく出会います。環境問題、社会問題を解決するには、一人ひとりが意識を持って取り組まなければ時間が足りないことは私も理解しているつもりです。

一方で使命感が強い人ほど、無意識にジャッカルになっていることも多い印象を受けています。「環境に悪い商品を使う理由がわからない」「環境に良い取り組みをなぜしないのかわからない」と直接的には言わないものの、環境問題に関心のない人に対して、強い反発を感じることがあります。彼らの感情、ニーズを観察すると、「自分を受け入れてほしい」「認めてほしい」想いがあるのではないかと思います。

相手を受け入れずして、自分が受け入れられることは難しい

「自分を受け入れてほしい」「認めてほしい」気持ちは誰しもが持っていると思います。自分の気持ちを受け入れてもらえない、その時に厳しい言葉で反発してしまうのは、人間の防御本能として当然なのかもしれません。ただ、相手を受け入れずして、自分が受け入れられることは難しいのではないかと私は考えます。

使命感の強い人たちはおそらく、自分の意見がなかなか多数派にならず、受け入れてもらえない悲しみ、苦しさを経験してきたのだと思います。だからこそ、自分自身が動かなくてはと、強い意志を持って活動されているのでしょう。それ自体は素晴らしいことだし、そんな方々だからこそ、受け入れてもらえない悲しみや苦しさから逃れてほしいと思います。ただ、その苦しみ、悲しみを自分と異なる意見の人に投げつけてしまっては、自分がされたことと同じことを相手にしているようなものです。

自分に共感ができると、相手に対する怖さや、不安がすっと消えていく

「なぜわかってくれないの?」お互いにそう思っているうちはわかり合えることは難しいでしょう。見返りを求めるのではなく、まず相手を受け入れる。自分の価値観で判断する前に、目の前の言葉を一度受け入れてみる。そして同時に、自分の気持ちにも目を向けてみる。「私はこの人に受け入れてほしいと思っているんだな」自分に共感ができると、相手に対する怖さや、不安がすっと消えていくのを感じられると思います。そこから対話を意識すると、少し会話の内容も変わってくるかもしれません。

同じようなことは環境問題だけに限らず、ジェンダー問題などでも言えると思います。ジェンダー差別的発言をした人をみんなで引きずり下ろして解決したような気持ちになってしまう。これはいままで自分がされてきたことを相手にやっただけで、またいつか逆襲されるのではという恐怖が尽きません。

相手を受け入れることはとてもむずかしいことです。まずは自分の気持ちにしっかりと共感を向けてあげて、自分の気持ちを頑なにする感情に寄り添うことから私も始めたいと思います。

NVCを学ぶ人のためのFacebookコミュニティを運営しています。また、NVCを学ぶイベントも定期的に開催していますので、ご興味のある方はご参加ください!


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