初夏を告げる魔法|マンガ
先日、有名な巨人のお話の最終巻が発売されたとNHKでもニュースになりましたが(NHKでニュースになったのは自前でアニメを放送しているからですが)、こちらの作品の新刊の発売日でもありました。
巨人と同じく、別冊少年マガジン連載の『ふらいんぐうぃっち』です。月刊誌に隔月掲載。1巻につき6-7話載りますから、新刊が出るのは年に1度。
年に1度!
初夏のこの時期に発売されるのが常。まさに風物詩。今年もまた夏が来る。
記念すべき二桁10巻目もすばらしい内容。新キャラも秀逸でした。
魔法・魔女のいる現代世界。その力は世間から秘匿されているわけではないけれど、しかし積極的に明かされているわけでもない。知ってる人はひそかに知ってる。そんな世界観です。
魔女として修業を積むため、横浜から弘前の親戚宅に引っ越した真琴は、野菜を育てたり、変人のお姉ちゃんの相手をしたり、新しい魔法を創作したり、ご町内のトラブルを解決したり。
やることなすこと、作者と編集さんのその場の思い付きを形にしましたという感じ。行き当たりばったり。巻が進むごとに深まりゆくカオスなのですが、もうそれが作品に欠かせない独特な味わいに思えてしまう不思議。
ありがちな悪意も嫉妬も死も、恋も人情も道徳もありません。
奇天烈な魔法と、陽気な魔法使いがいるだけ。
雨が降ればそっと傘をさすように。小腹がすけば甘いお菓子をつまむように。青空に向かって虹色のシャボン玉を飛ばすように。
そんなノリで魔法を使いますからね、彼女たち。
世界に優しさよあれ。
本作を読むと、自然とそういう気持ちにさせられます。
初期の巻はいろいろなコミックサイトで無料で読めます。お試しください。
テレビアニメは2016年に放送されました。こちらも傑作と名高い。
未視聴の方はぜひ。