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公共建築を考える 01

公共建築を考える 役所編

現在、ある自治体の新しい役所についての相談を受けています。小さな自治体のこれからの役所はどうあるべきかというのが大きなテーマ。日本全国にある役所は、そろそろ耐久年数を迎えていて、新耐震に対応していないものも大きいので、ちゃんと考えなくてはいけないものが多いんです。また、菅総理大臣が、2050年までに脱炭素を表明したので、これから、公共建築はどんどんカーボンニュートラルになっていくものと思われます。実際、考えてみてください。今から建てる役所はこれから30年は持つわけで、その時、脱炭素と言っている以上、当然そうしていくべきだと思います。

さて、
他にもいっぱい問題がいっぱいあります。いくつか挙げてみると、、
①自治体の将来に向けた規模を考えるべき。
②規模算定の根拠が必ず大きい。
③議場が立派すぎる。
④複合化を考えなくて良いのか。
など。
簡単に説明すると、
①自治体の将来に向けた規模を考えるべき。
日本はほとんどどこでも人口減少に。これに応じて、床面積を変えるべきなんです。
昔はどんどん人口が増えていたので、大きくてもすぐに埋まりましたが、今はその逆。役所の面積は小さくしておくべきなのです。

②規模算定は総務省が出していたり、大手の設計事務所が経験的に持っていたりしますが、これも大きい。一般のオフィスは一人当たり3坪(執務空間ではなく、共用部含む)とよく言われますが、私はそれは少し大きい余裕のあるオフィスだと思います。実際に机を並べたりして、プランニングするとこれよりも小さくても収まります。

③議場が立派すぎる。
私がオーストリアの村でみた議場は会議室みたいな6人がけのテーブルが一個ある部屋でした。(議員さんは6人。傍聴がある場合は、パイプ椅子で観にくる。)それでいいんです。本当は。私が知ってる紫波町の役場では、議場のそれぞれの演台とかが可動になっていて、議会以外は普通の会議室としても使えるようです。格式も大事かもしれませんが、それが将来の住民の重荷になってしまってはいけません。稼働率を考えることが大事です。

④複合化を考えなくて良いのか。
役場の1階は果たして窓口が必要か。もっと商業的に使って、役場の維持費を出すようなことをしても良いのではないかと思います。あるいは、図書館や交流センターなどと併設することを考えた方が良いのではないか。実はそういう施設にも会議室があって、その利用時間を考えると役所のそれとバッティングしないのです。

そうやって考えていくと、まずは「役所の規模を見直そう。」ということになるわけです。
エネルギーの話はまた、次回に。

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