これまでのエンジニア人生が走馬灯のように駆け巡った「YAPC::Hiroshima 2024」
はいどうもー。クドウマサヤ(@masaya_dev)です。先日、東京からはるばる広島まで行ってきました。そう、YAPCという技術カンファレンスのために。
気づけば開催からもう2週間が経ち、東京へ帰ってきてからいろんな人にYAPCの思い出を語りました。語っていない日の方が少ない。思わず人に話したくなってしまう、それくらい心に残るイベントでした。
というわけで遅ればせながら思い出を綴っていこうと思います。ブログを書くまでがYAPC。
結論
「良いLTは結論から」なんてエンジニア界隈ではよく言われますが、この記事でも先に結論を。
本当に参加できてよかった。
プログラミングが好きで、エンジニアリングが好きでWebエンジニアとして働いてきて十数年。
あの杜甫々(とほほ)さんをはじめ、dankogaiさん(@dankogai)、t_wadaさん(@t_wada)、naoyaさん(@naoya_ito)、yusukebeさん(@yusukebe)などなど、Webプログラミングを覚えたあの頃に憧れていた方々の話を生で聴けたり。
ここ数年、様々な技術コミュニティで出会った方々と広島で再会し話を咲かせたり。もちろん新しい出会いもたくさんあり。何人と乾杯しただろうか。
連日怒涛の勢いで感慨深さが押し寄せてきて、もはやこのエモーショナルさをうまく言語化する術がないんですが、本当にエンジニアとして生きててよかったなと。
11月のとある夜、半ばほろ酔いの勢いに任せてチケットを買ったこの日の自分にありがとうと伝えたい。その直感は間違っていなかったと思う。
というわけで後は私自身の旅の備忘録も兼ねて、思い出をつらつらと綴っていこうと思います。
2/9 Day0
平和記念公園散策
新幹線で14時過ぎに広島駅到着。
記憶と記録を辿ってみると広島はどうやら13年ぶり、その時はDJをするためでした。あの頃共演していたみんなは元気にしているかなぁ、などと想いを馳せつつ宿にチェックイン。
前夜祭のスタートまでちょっと時間に余裕があったので、さだまさしの「広島の空」を聴きながら平和記念公園を散策。
原爆ドームは学生時代ぶりで2回目。30歳を過ぎてから観る原爆ドームというのも、いろいろと胸に迫るものがありました。切に平和を願う。
と、ひとりベンチでしんみりしていたら前方から忍び寄ってくる影が。
しばらく近くで一緒にまったりしてくれて癒やされました。こういう旅の一コマがとても好きですね。
というわけでちょっとほっこりした面持ちで、前夜祭の会場である国際会議場へ。
前夜祭
会場着いてすぐに目に飛び込んできたのがogijunさん(@ogijun)で、「あれ、ここは広島…?東京…?」となりながらも謎の安心感。
飲食も楽しみながらセッションを聞けるということで、ドリンクを取りに行ったら良さげなワインが。ゲヴェルツトラミネールがあるなんてとても珍しいと思っていたら、「ワインと鍋」のすてぃおさん(@suthio_)チョイスで納得。
そしてセッション、yusukebeさんのHono話は驚きました。
正直Hono盛り上がっているなぁという印象だけで、深くを知らなかったので、こんな便利なフレームワークになっているのかと。近々なにか趣味サイトをHonoで作ってみたさありますね。
onkさん(@onk)、そーだいさん(@soudai1025)のキャッシュバスターズも面白かった。キャッシュは麻薬、とてもよくわかる。とりあえずいろんな一時情報をMemcachedに突っ込んでしまっていた時期が私にもありました。
前夜祭のあとはノープランだったので同志を探し、ogijunさんやげんえいさん(@gennei)らと飲みに。居酒屋着いてはじめましてと自己紹介した方が、以前から相互フォローだったずっきーさん(@zuckey_17)でまさかの邂逅に互いに驚くwこういう偶発性が本当に好き。
この日は飲みはほどほどに早め解散。
ひとりで〆のラーメンでも食べて帰るかとふらついていたら、繁華街に温泉の一文字が。
いかにも町の銭湯という感じで、地元の人達なんだろうなあというお客さんで溢れている中、湯船で1日を思い返しながらまったり。
身も心も温まり広島の初日を終えたのでした。
2/10 YAPC::Hiroshima 2024
そしてYAPC当日!
ここからはセッションのレポート、というか自分が感じたことのメモです。
コミュニティと共に生きる - キャリアの螺旋 / live with community
朝からめちゃくちゃ感動した、目頭が熱くなった。そーだいさんの熱量がエモすぎた。エンジニアやっているけど、まだあまりオフラインイベントとか参加してないって方に特に聞いて欲しい話。コロナ禍にエンジニアになった方とかで、まだコミュニティの魅力に気づいてない方いると思うんですよね。
「恩送り」という言葉がとにかく刺さった。自分もたくさんの人から学ばせてもらって今がある。次の世代に還元していきたい。
経営・意思・エンジニアリング
CTOを約12年間やっている松本さん(@y_matsuwitter)の話。これめちゃくちゃ良かった。何が良かったかというとCTOというロールに対して興味を持つ人がすごく増えたと思う。これはひとりのCTOとしてとても嬉しい。
技術者でありながら経営にタッチしていくことの面白さが、とてもわかりやすく言語化されていた。
わかりみが深い話が多すぎて、頷きすぎて首がもげるかと思った。
経営は意思、意思は言語化することでより強くなるという話は特に共感。自分がこうしていきたいというビジョンを語り続けていると、よりその気持ちが強固になっていくんですよね。それが土台となってさらなる行動(意思決定)に繋がる。
やっぱCTOって楽しいロールだよなあというのが再認識出来て良かった。私も広めていきたい。
Amazon ECSで好きなだけ検証環境を起動できるOSSの設計・実装・運用
ISUCON12・13と直近2年連続で出ている私。
生のfujiwara(@fujiwara)さんを拝見するのは初めてだったのでそれだけでテンション高。好きな芸能人みたいなものですね。
gitブランチごとの検証環境サクッと(そして安価に)作れたらなぁというのは、どこの開発現場に行っても思うわけですが、それを実現できる「mirage-ecs」というソフトが!便利すぎてすごいってなりました(語彙力)
なぜmirage-ecsに辿り着いたかってところの話も歴史があってすごく面白かった。
ランチセッション
Helpfeel CTOの秋山さん(@akiroom)とnote CTOの今さん(@konpyu)による「なぜ、技術イベントに協賛するのか」をテーマにしたポッドキャスト公開収録がとても面白かった。
私自身、今回のYAPCは個人スポンサーという形で参加しまして、あくまでもプライベートです。ただ、iCAREのCTOとなって半年ちょっと、会社としてどのように技術・コミュニティに対してスポンサードしていくかというのは常々考え続けているテーマとなります。そんな今後の戦略を考えて行く上で、とても学びになる話でした。
新任エンジニアリングマネージャーのための「ぼうけんのしょ」
あらたまさん(@ar_tama)のEM話。CTOもそうだけど、EMというロールも想定される役割の幅が広くて事業フェーズや組織規模によってやるべきこと全然違うので、どこにフォーカスするかって難しいんすよね。観察とセルフマネジメント超大事。
キャリアの中でプレイヤーとマネージャーは行き来できるものというのは私も思っていて、キャリアラダー(梯子)ではなくてキャリアラティス(格子)という表現は良いなと。
タワレコ店員から20年くらいエンジニアとして働いて学んだこと
公開資料はなし。
専門学校でプログラミングを学んでいた頃は音楽にもどっぷりハマっていて、新宿や渋谷のタワーレコードに毎週通うような生活をしていた私。というわけでタイトルに惹かれ聞いたんですが、koba04さん(@koba04)の人生が詰まっている感じがすごく良かった。
一見キャリア的に順風満帆に見える方でもしっかり壁に当たり、悩み、それを乗り越えている。なんだかすごく勇気をもらった。チャレンジし続ける姿勢がとても素敵で、そんな40代に私もなりたいと思いました。
There's More Than One Way to Type It!
こちらも公開資料はなし。
dankogaiさんの、型の話。
型があるから値に意味が生まれるってのはなるほどなと。
例えば0でもStringなのかIntegerなのかBooleanなのかでは意味が変わる。
それをPerlではどう解釈しているかって話が非常に面白かった。
最前列で聞いてたら、danさんから唐突にコードの実行結果クイズ出されてめちゃくちゃ焦った…今となっては良き思い出w
2010年にdanさんのblog(404 Blog Not Found)や書籍を読み漁っていた自分に、そのままエンジニアとして生きていると面白いことあるぞと伝えたくなった。
パネルディスカッション
941さん(@941)、馮さん(@tomihisa)、yusukebeさん、t_wadaさん、naoyaさんらによる「平成のエンジニアから令和のエンジニアへの遺言〜技術情報を伝達する手段の変遷〜」というおもしろテーマのパネルディスカッション。
なんか話の節々で2000年代のインターネットカルチャーが詰まっている香りがするなあと、インターネット老人会の私はウキウキ。
イベントにおけるぼっち対策の話が1番盛り上がっていた気がする。登壇して認知を得ると声をかけてもらいやすくなるのは本当にそう。なんかこの辺のコミュニティに加わって輪を広げるノウハウは自分なりにもまとめられそうな気がする、考えてみよう。
ライトニングトーク
さまざまなLTがありましたが個人的にはtakasagoさん(@sago35tk)の「プログラムを書いて楽しむ自作キーボードの世界」が大ヒット。自作キーボードに以前から興味があるものの、まだ手を出していなかったんですが、このLTをみて始めてみようとなっています。(何買うか検討中)
自作キーボードといえばハードウェア側をカスタマイズできる楽しさの印象が強かったんですが、takasagoさんはファームウェア開発の魅力について語られていて、なるほどこれは楽しそうと。
ちなみにLTのプロポーザル落選しましたが、全員の発表みて納得でした。なるほどこれがYAPCのLTクオリティかーと。この悔しさもまた良い経験。リベンジしたいと思います!
キーノート
インターネット歴36年、杜甫々さんのキーノート。これを聞くためにチケットを買ったと言っても過言ではありません。あの日会場中にいた全員が震えていたのではなかろうか。
私も、杜甫々さんのサイトによって育ったひとりです。
小学生の頃にHTMLをかじっていたときは、とほほのWWW入門でHTMLタグを覚え。中学生の頃にはレンタル掲示板を使ってコミュニティサイト運営していて、もっと凝ったことがしたくなりCGIというものを覚えてみようと。そこで開いたのがとほほのCGI入門でした。その後も幾度となく技術情報を検索してはとほほのxx入門に辿り着くといったことを繰り返して育ってきています。
とほほのWWW入門の変遷や、杜甫々さんのプライベートまでいろいろなお話をされていたんですが、バイタリティにただただ圧巻。「好きこそものの上手なれ」とはよく言ったものですが、杜甫々さんがサイトの更新をただただ好きでやっているというのを飄々と語られていて驚き。
プロ野球選手からみた大谷翔平選手の存在っておそらくこういう感覚なのかもしれないな…なんてことを思ってしまうくらいのインパクトでした。
クロージング
参加者やスポンサー数など数字で振り返りつつ謝辞を伝えるってのはすごく素敵だなあと。オフライン参加者448名、企業スポンサー53社ってのは本当にすごい。
懇親会&Findy Beer bash
イベントの熱量そのままに懇親会。なんかみんな杜甫々さんのセッションにあてられて、子どものようなテンション感になっていたような。語らずにはいられない的な。
よく会う方も、お久しぶりな方も、はじめましてな方も、たくさんお話させていただきました。ありがとうございました!
Sotaro(@sotarok)さん、shinofara(@shinofara)さん、まさたん(@ma3tk)さん、Miyagawaさん(@DragonTaro1031)などなど、P2B Hausでよく会うCTOコミュニティの面々とも広島で会えたの嬉しかったな。オリジナルIPA出てきてこの面々が1番盛り上がっていた気がするw
懇親会のあとはFindyさん主催のBeer bashに参加!
ここでもいろいろな方とわいわい。
会場のRAKU BEERさん、とても素敵な店だった。また行きたいな。
2/11 YAYAPC::Hiroshima
若干の眠さを堪えつつ、この日は朝からアフターイベントのYAYAPCへ。
サブタイトルの通りオフラインだからできる話ということで具体は書かないんですが、とにかく面白かった。YAPC本編のテーマ「What you like」に対してこちらは「What you live」ということで、登壇された方々の人生が詰まっているトークばかり。そういう話聞くのめっちゃ好きなんですよね。
おわりに
謝辞
まだまだ書ききれていない思い出もたくさんあるんですが、こんな感じで濃密な3日間を過ごしてきました。素敵な機会を設けてくれたYAPCスタッフの皆様に心から感謝です。会場で出会った方々、広島の飲食店の方々にも感謝。
そしてなにより、現地でいろいろな方とお話していて、オーガナイザーのkobakenさん(@kfly8)の熱意、巻き込み力、人徳が本当にすごいなーというのをしみじみ。心からリスペクトです。また飲みましょう。
お知らせ
2/29にタイミーさん主催のアフターイベントがあるのでLTやります〜。松本さんの「経営・意思・エンジニアリング」の内容を受けて、私がひとりのCTOとして感じたこと、伝えたいことをお話しようかなと。
あと3/5の非公式後夜祭にも行きます!
ひとつのイベントをきっかけにこうやって少しずつ人生は変わっていく。そんな偶発性を楽しむのが私の「お好み」なのかもしれません。それではまた!