ダイレクトメールの定番、広げるはがき。発明者はいるのか?
今回は買って良かったというよりも、あって良かったもの(圧着はがき)と、その特許調査です。
とても便利。なんか楽しいカモw
最近というほどで最近ではないですが、ダイレクトメールや秘匿性のある郵便はがきに、めくって広げるタイプのはがきがよく使われるように感じます。
封筒だと料金が高くなるという送り側の都合もありますが、受け取る側も封筒とは異なり開封の必要がないのがとても便利です。
子供が小さかった頃は広げるのが楽しいのか、ちょっとしたおもちゃにもなりました。
難点があるとすると、保管に困ることくらいでしょうか。
一部の自治体はふるさと納税の証明を、このめくって広げるタイプのはがきで送ってきてくれます。確定申告書類の一部として保管する時に、広げて読める状態で保管するのが意外と大変です。
封書で送ってくる自治体がなく、全部このはがきなら、いいのでしょうが。
もっとも、畳んだまま保管しても問題ないので、本当に些細な難点です。
この便利なはがきの開発はTOPPAN
このめくって広げるタイプのはがきはトッパン・ムーア株式会社 が開発したそうで、TOPPANホールディングスのHPに記載があります。
業界では総称として圧着はがきと呼ぶことが多いようですが、現販売元のTOPPANエッジ株式会社 の商品名はポステックス(POSTEX)です。
TOPPANホールディングスの圧着はがき誕生物語によると、「1975年以前に開発着手、1987年にポステックスの前身の三つ折り封筒を製品化に成功、1991年にポステックスの製品化」とあります。
そもそも、圧着はがきは1988年の規制改正が行われる前は、郵便としてはがき扱いにならず、封書扱いになっていたようです。
つまり、規制改正がなかったら、圧着はがきを送るメリットはなかったのです。
1988年前後に圧着させてはがきにするということを発明して特許取得をした人がいてもおかしくない思うのですが、TOPPANのHPにはその記載がないのです。
HPには1996年の先糊方式のポステックスの基本特許を取得と書いてあるのみです。
つまり、貼る方法としての糊付けに関する特許取得があったということです。
かなり内容の近い特許は存在する!
気になって調べてみたところ、基本特許となりそうな概念の発明は1987年9月16日に出願された特許第2613398号のようです。
ただ、TOPPANエッジのポステックスはじめ、現在流通している圧着はがきはこの特許を使っている訳ではなさそうです。
類似点と相違点
基本特許になりそうで、ならない!?
特許第2613398号は接着テープの部分を除けば、現在流通している圧着はがきの基本特許といえるくらいの内容だと思うのですが、今となっては接着テープの記述が恨めしい。このテープさえなければ…。
ちなみに、特許第2613398号は個人の発明です。ライセンス料で不労所得が得られた可能性もあり、さらに残念です。
接着テープなくしただけでは特許査定されると思えませんので、他に同様の特許出願された形跡はなかったです。
とどのつまり、現在流通しているタイプの接着テープなしの圧着はがきの基本となる、折り曲げて貼り合わせてはがきにするというアイディアは誰が発明者か今となっては分からないです。
当然、特許権者も不在です。
最後に
発明、もっと広く技術・学術は先人の知識の上に成り立って進歩していくものです。ただ、必ず最初の一歩を踏み出した人もいるはずです。
今回紹介した特許も最初の一歩には違いないと思います。先人の知恵として後に続く者の大きな助けになったとすれば、発明者も報われるのではないでしょうか。
私も、その最初の一歩の発明をしてみたいものです。ただ、ライセンス料はガッツリ欲しいですがw
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最後までお読みいただきありがとうございます!
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