掃除機のコードにある黄色の印に意味はあるのか?
今回は特許調査が間に合わなかったので、小ネタで。
掃除機のコード
そこそこ知られている話ですが、掃除機のコードを引き出すと最後の方で目にする黄色の印と、赤色の印。
その意味、ご存じですか?
赤色は知っていた方が無難
赤色は「これ以上、引き出せない」から、無理に引っ張らないでくださいという意味合いです。
断線する可能性があるからというのが理由ですが、理解できなくもないですね。
下記は日立のCV-P500という掃除機の取扱説明書ですが、他の会社も同様です。
実は、黄色にそれほど重要な意味はない!
インターネットで黄色の意味を検索すると、よく出てくるのが「ここまで引き出してから使うこと」といった内容を目にします。
テレビ朝日でもそのように放送したことがあるようです。
他にも、フリーライターが書いたHPにも同様の記述があります。
でも、本当?
掃除機の取扱説明書にそんなこと書いてある?
赤色の印で引用した日立のCV-P500という掃除機の取扱説明書には、トラブルシュートのページに「黄印まで引き出してよじれを直す」とだけ記述があり、「ここまで引き出してから使うこと」との説明はありません。
同じく日立のCV-WA55という掃除機の取扱説明書にも、「ここまで引き出してから使うこと」との説明はありません。
しかしながら、コードを引き出すことを推奨する記述があります。
ですが、テレビ朝日などのHPに記載のある「コードの発熱が故障の原因になる」ということではないです。
たまたま、コードを引き出すことで、除じんフィルターのごみを落とす機能がある掃除機だから。
黄色の印までは引き出すとフィルターのゴミが落ちてイイよってことです。
日立だけの話ではなく、パナソニックも似たりよったりです。
パナソニックのMC-P2XDという掃除機の取扱説明書には「黄印を目安にして、赤印以上引き出さない」と書いてあるに過ぎません。
やはり、「ここまで引き出してから使うこと」との説明はありません。
なぜ、このような注意をする方がいるのか?
電気のコードは巻いたままや、束ねて使うことを推奨されていない場合が大半です。
特に、ドラム型のコードリールは安全上の注意として、巻いたままで使うときと、全部引き出して使うときで、流せる電流が違うことが明記されています。
理由は、掃除機で指摘しているのと同じです。コードが熱を持つからです。
コードリールは30mなど、かなり長いものも市販されています。
ここまで長いと、全部引き出さないで使うこともあるかと思いますので、ちゃんと理解して使うことは重要だと思います。
さて、掃除機でいわれている、まことしやかな注意のお話にもどります。
使える電流に制限がつくものの、コードリールでさえ巻いたままで使うことを許容しているのですから、掃除機なら最初から巻いたままで使う前提で設計すればいいだけの話。
黄色の印まで引き出しましょうって注意されている方は、コードリールの知識と混同しているのかもしれませんね。
少なくとも掃除機メーカーはそんな注意喚起をしてないですし、取扱説明書にも記載はないです。
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最後までお読みいただきありがとうございます!
次回は頑張って、特許調査を再開したいと思いますw
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