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正しいワインの飲み方とは

僕はワインが好きだ。
ソムリエだから当たり前だと思われるかもだけど、少なくとも仕事だから飲んでいるだけでは無い。
仕事じゃなくてもワインのことを考えてることが多い。どうしてそうなるのかと言うと、そうなるのが当然だと考えているからです。

まあ、ワインのことを、と言うとちょっと語弊があるかな。
ビジネス的なワインへのアプローチや、ワインへの知識を深めるための勉強など、仕事に繋がるワイン全般のことではなくて、大好きな生産者や大好きなワインのことばかり考えています。
それもね、僕はちょっと偏屈なところがあって、ワインに対しても(それはワインに限らずだけど)好き嫌いが激しくて、今までたくさんワインを飲んできたからか、だいたい好みの味は決まっているんですよね。
だから何十年もワインを飲んでると、好きなワイン、というか好みの生産者がだいぶ定まってきていて、そうなると、その生産者の資料を何度も読んで、どういう人が、どんな想いで造っているんだろう、なんて考えながら、その人のイメージとワインを重ね合わせたりしてます。
まあ最近好きなワインは日本のものが多いから、英語やフランス語を日本語に翻訳された資料を読んでその人のことを想像するよりも、直接会って話が聞けたりするのがとてもいいし、スっと腹に落ちる。
お話を聞いてその方の造るワインなんて飲んだらもうそれだけでファンになっちゃいます。

だから僕にとって、誰かがつけた点数とかはあんまり興味が無い。またはコンクールで賞をとったワインとかにも興味が無い。
もちろん誰かに評価されたワインというのはどれも美味しいから評価されるのであって、それを指標にするのは素晴らしいことです。

ただ僕にはあんまり関係ないってだけ。
しいて言えば、僕とワインの嗜好が似ている人とか、よく一緒に飲むワイン仲間がおすすめする造り手さんとかはすぐ買っちゃいます。

しかしそれを「それはおかしい、ワインの買い方はこうだ」みたいなことを言われると、僕としても困ってしまう。
それはもう考え方のちがいだから。
逆に「ソムリエ○○がおすすめするワイン」が好きと言ってる人に向かって「それは間違っている」と言えるような根拠もとくにないですし。
あるいは、ワインなんて酔うための飲み物にしか過ぎないと考えてる人を説得する自信もない。
またそんなワインを飲むよりももっとコスパの良いワインを飲むよ、という人だっておられるかもしれないし、それはそれで正しいような気もする。


しかしですね、大好きな生産者のことを調べたり、現地でお話を聞いてファンになったりしてそのワインを飲むことを長年続けていると、そこにはそれなりの対話のようなものが生まれてくる。
僕はけっしてワインに詳しい人間ではないし、それほどお金をかける人間でもないけれど、日々、ワインを飲んで楽しんでいるのなら、多少対話をしてみるのも大事なんじゃないかと、ふと考えたりもする。

でもまあ、そういう固い理屈は抜きにしても、ワインを飲むのは(1人でも大勢でも)楽しいものだと思う。

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