『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』公式データ集私訳版『アウトロー名鑑』&『伝説の秘宝』
『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』公開記念として、公式データ管理サイトD&D Beyondで無料公開された、原作TRPGの第5版で使用できるNPCデータ集『Thieves' Gallery』と『Legendary Magic Items』を翻訳する。
翻訳元のデータはこちら↓
(各キャラクターやアイテムのイラストも元データを参照のこと。)
なお、映画のそのもののパンフレット代わりの解説記事もあります。併せてどうぞ。
なお、『Thieves’ Gallery』に収録されているキャラクターデータはあくまでNPC用に設計されたものであり、HPやヒット・ダイス量、武器のダメージ量などは、脅威度をもとにモンスター用のデータを基準に調整されています。
同クラス、同レベル帯のプレイヤーキャラクターの能力とは必ずしも一致するものではないことにご注意ください。
収録内容
収録内容は以下の通り、作中に登場する主要キャラクター7人のNPCデータと魔法のアイテム5つです。
アウトロー名鑑(Thieves' Gallery)
エドガン・ダーヴィス
サイモン・オーマー
ゼンク・エンダー
ソフィーナ
ドリック
フォージ・フィッツウィリアム
ホルガ・キルゴア
伝説の秘宝(Legendary Magic Items)
タブレット・オヴ・リアウェイクニング / よみがえりの石板
ヒザーシザー・スタッフ / ここ・そこの杖
ヘルム・オヴ・ディスジャンクション / 魔法破りの兜
ホーン・オヴ・ベコニング・デス / 手招く死の角笛
レッド・ウィザード・ブレード / レッド・ウィザードの刃
一部公開前のアナウンスになく、作中のネタバレになるかもしれない情報があるため本編の視聴後に読むことをオススメします。
『Thieves’ Gallery』はフォーゴトン・レルムのアドベンチャーにキャラクターを登場させる際だけでなく、『ウィッチライトの彼方へ』で登場した「悪意の軍団」「天命の勇士団」とも同様に、冒険者をNPCとして登場させる際の参考としても有用かもしれません。
共にあなたのD&Dのセッションに彩りを加える助けとなれば幸いです。
開発者インタビュー
併せて米公式YouTubeで公開された『D&D』第5版首席デザイナーのクリストファー・パーキンス/Christopher Perkins氏(以下P)への『Thieves' Gallery』に関するインタビューを翻訳する。(インタビュアーは以下I)
I:『D&D/アウトローたちの誇り』と言えば、D&D Beyondでもおまけとして軽いコンテンツ『Thieves' Gallery』を公開しますね。映画のキャラクターのデータ・ブロックのようですが、どのような内容なのでしょうか?
P:もちろんです。『Thieves' Gallery』はバードのエドガン、バーバリアンのホルガ、ドルイドのドリック、ソーサラーのサイモン―この辺りはパーティの中心メンバーですね。
歴戦の腕前で力を貸してくれるパラディンのゼンク、劇中でヒュー・グラントが演じるフォージ・フィッツウィリアムはパーティのローグ枠…のようなものでしょうか。
そしてウィザードのソフィーナは、パーティメンバーでありながら敵対する感じですかね(笑)。
I:(笑)
P:僕なりの表現ですけどね(笑)。
I:映画のキャラクターをデータに落とし込む過程とはどのようなものだったのでしょうか?独特で不思議な体験だったと思いますが。
P:ですね。ゲーム側にも映画のキャラクター達を出すと決まった時、データ・ブロックにするというアイディアに行き当たりました。DMが進行中のキャンペーンに登場させるNPCとして使う場合が多いと思ったからです。D&Dのキャンペーンではプレイヤー達がもう主人公となるキャラクター達を作ってある訳ですし。
I:ですよね。
P:どのようにデータを組むべきかとなった時、うちのチームが一番最初に行ったのはウィザーズ社内の別の部署であるフランチャイズ・チームと連絡を取ることでした。
フランチャイズ・チームはこういったキャラクター達の実際に使用できる、作成済みキャラクターシートのような物を作っていたので、それを貰いました。それが映画で実際にどんな事をするのかに関して一番信頼できる指標だった訳です。
もちろん、まだうちのチームが映画の台本や本編を見せてもらえる前の話だったので、本当にキャラクターシートが頼りでした。
うちのデザイナーのダン・ディロン / Dan Dillonにシートを渡して第一稿を作ってもらい、ロン・ランディーン / Ron LundeenがDMが卓で使いやすく、遊びやすいようにシステム上の調整を行いました。そして編集のエイドリアン / Adrianが最終的に校正を行った訳です。
そうやってデータが作られている間に、僕はようやく撮影用の台本を見せてもらえる事になったんです。それで今あるデータと見比べると、いくつか台本と噛み合わない所があったので修正しました。
さらに試写で本編を見せてもらった後、台本と細かい違いがあったので、また戻ってさらに修正したんです。
そして完成に近づいた時、フランチャイズ・チームやスタジオ外部の映画の関係者に、キャラクターを正しく表現できているか確認してもらいました。
P:データには映画の劇中で登場しない要素もあります。映画で見せられる物には限度がありますからね。ですが、こういったネタのおかげで、DMは卓のプレイヤー達を(訳注:既に映画を見ていたとしても?)驚かせられることだと思います。
I:データ上に登場する特殊能力や攻撃の数々も気になりますね。
P:ええ。
I:以前も話しましたが、プレイヤーが「このキャラの魅力とか筋力もっと高くね?」「いいや18でしょ!」とかって重箱の隅をつついたとしても、僕は楽しく見てると思いますよ(笑)。
P:楽しく比べあってるだけでも、ですね。
I:確かに。
P:「なんで俺の魅力があのパラディン(訳注:ゼンク)以下なんだ~!」みたいなね(笑)。
I:パラディンとかバード(訳注:エドガン)とか…(笑)
P:そうそう(笑)、面白そうですね。
P:僕たちの目的はキャラクターに忠実であることと、DMが使える軽いおまけを加えることです。
それと、軽くて扱いやすいこともですね。DMはいろんな事を管理しないといけないので、重荷であってほしくはなかった。卓がスムーズに進むようにデータは調整しました。
P:映画とデータを両方見て比べた時、共通点とか「ああ、これを表現したかったんだな」というシーンがあると思います。