障がい者×事業所×相談支援員を繋ぐポータルサイト「みんなのサポートネット」の設計・開発
障がい者支援における情報共有の課題
私は現在、就労継続支援B型事業所で職業指導員として働いています。日々の業務の中で特に課題に感じているのが情報共有の面です。事業所内ではICTを活用した管理が進んでいる一方で、事業所利用者と相談支援専門員との情報共有においては、まだまだICTの活用が遅れているように思います。現状では、よくてメールでExcelファイルを送付する程度で、紙媒体でのやり取りが多くを占めています。この状況を改善し、より効率的な情報共有を実現したいと考えています。
障がい者支援のためのポータルサイト
「みんなのサポートネット」は、障害福祉サービスを利用する方、その方が利用する事業所、そして相談支援専門員をつなぐ革新的なポータルサイトです。このサイトを利用することで、三者は以下のようなメリットを享受できます。
簡単なアクセスとコミュニケーション:
連絡先の共有: 全ての関係者の連絡先を一元管理し、迅速なコミュニケーションを実現。
会議予定の確認: 会議や面談の予定を一目で確認でき、スケジュール調整がスムーズに。
効率的な情報共有:
会議記録の閲覧と保存: 過去の会議記録を簡単に参照でき、情報の一貫性を保つことが可能。
重要書類の共有: 必要な書類や情報を即座に共有し、手続きや対応が迅速に進む。
利用者中心の支援体制:
安心と信頼のサポート: 利用者が自分のサポートチームと密に連携できるため、より個別化された支援が提供される。
透明性の向上: 全ての関係者が同じ情報を共有することで、支援内容や方針に対する透明性が高まり、信頼関係が強化される。
「みんなのサポートネット」は、利用者の安心と生活の質の向上を目指し、効率的かつ信頼性の高いコミュニケーションと情報共有をサポートします。
ポータルサイトの設計紹介
ここからは、私が行ったポータルサイトの設計および開発について紹介します。初めて使用するツールもありますが、ご容赦ください。
UIデザイン設計はFigam
UIデザインにはFigmaを使用しました。Figmaは、デザインを非常に簡単に作成でき、様々な端末に対応するデザインを作ることができます。今回の作業はM1 MacBook Airで行いました。デザインはスムーズに進行しましたが、そのデザインを実装する際には多少の困難もありました。その詳細については後述します。
データベース設計はdraw.io
ER図の作成にはGoogleのサービスであるdraw.ioを利用しました。draw.ioは非常に簡単に使用でき、データベース設計が楽しく進められました。テーブルとカラムは念のため白抜きで表示しています。
ポータルサイトの開発紹介
設計が完了したので、次は実装です。
開発言語はHTML、CSS、javascript(Vue)
今回の開発は大規模ではないため、シングルページアプリケーション(SPA)のフレームワークであるVueを選びました。Vueは初めて利用しましたが、画面遷移が非常に速く、とても有用だと感じました。
データベースはMySQL
データベースには、レンタルサーバーで標準搭載されているMySQLを使用しました。
今実装できている機能
ログイン認証(障がい者当人、相談支援専門員)
ログイン後に自分の情報、所属事業所、相談支援専門員の情報表示
会議予定の取得
会議記録の取得
参考動画はこちらです。
今後実装したい機能
所属事業所、相談支援専門員の会議予定の登録
所属事業所、相談支援専門員の会議記録の登録
各種登録情報の編集
行政アカウントの連携
セッション管理
最後に
アイデアは豊富にあるものの、実際の実装には多くの難しさが伴うことを痛感しました。今後は、支援力や技術力をさらに向上させていきたいと思います。
また、福祉分野においてICTを活用し、効率的に業務を遂行するための支援はまだまだ広がりを見せる余地があると感じています。支援を受ける側も、提供する側も、全員が幸せになれるような仕組みを構築してまいります。