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HRなイベントに行ってモヤモヤしたことが結果エールで終わる話
昨日は、「人生100年時代80歳まで現役で…!」という趣旨のコンソーシアムのキックオフにお呼ばれ。最初にご案内をもらった時から、なぜか予感があったのだけど、実際に行ってみて一夜明けてもなんだかモヤっとするので、文字化して成仏できないかな・・・という目的でこれを書いてみることにします。
イベント前半 ~守島先生のお話~
イベントは前半主催から趣旨の説明があった後、先日ご一緒した守島先生のお話で、話されていたことは以下多分こんな感じ。
これからの人不足は数だけではない、高齢化が進むとフルで働く人も減るので、ますます現実の人材と社会のニーズのミスマッチは広がる傾向
一方で、昔に比べるとWLB重視な人はやや減少傾向にあり、同時に若い世代のキャリアに対する意識が実は高まっているので、世に言うキャリア自律はどんどん当たり前のことになりますね。
コロナ以降、働き方が自由になり、働く人のチョイスが増え、会社を選ぶ力(バーゲニングパワー)が高まっているので人事も変わらないとね。
学生のキャリア自律が、「転職できること」と勘違いされているのを直したい。併せて教科書的なキャリア教育は現実に即さないことも多いので、迷子が増えているのでは?キャリアは、自分の選択肢を知り、自らが選ぶものということを広めねば。
会社もそれは同じ。そのためには「対話」が必要ですね
さすが守島先生、もう首がもげるほど共感しかない。自身のオプションを知り、可能性を信じ(グロースマインドセット)て、初めてその先にキャリアのレールが繋がっていく。実際のところ、私もそうやって、えいやっ!と転職をしてきた一人である。(このことはまた別途書くと思う)
イベント後半 ~パネルディスカッション~
後半では団体の理事の方々(JTCのCHROなど)と守島先生、そして主催の須東さんのパネル。話されていたことは大体こんな感じ。
人的資本経営2.0における人事とは・・・?各社の取り組みなど
経営戦略と人事戦略のリンクは大事
ずっとキャリア自律って言ってるのになぜ広まらない?!
越境のためにも社内における第3者的な人(バウンダリースパナー)がいるとよいのでは?女性活躍の時にもそれはうまくいったのでは?などなど
・・・と、手元のメモを見ながら打とうと思ったが、ここら辺から私はメモを取るのをやめている。自分の思考と目の前の話があまりにかけ離れていったから、書くことができなくなったのだと思う。実際その違和感をしめす「?」マークとともに、そこでペンは止まっている。
その場で感じたこと
イベントの趣旨で言えば、私も長く働きたいと思っている。80は自分の健康寿命と相談だけど、75くらいまでは稼ぎというよりはシゴト的なことで、社会と繋がっていたいなと心から。(これはがん経験者の就労支援を長くしている中でいつも痛感すること。WHOの健康の定義はすこぶる正しい。)そのために健康でいなければとも。
そして、パネルで話されていた各社の施策もとても素晴らしかった。FBカルチャー、斜めの関係、役職者のサポートや永年勤続者へのイベントもろもろ、各社の状況にあった処方箋なのだから、それはそれでいいのだ。なのでこの後書くことが、それをけなすつもりは毛ほどもないことは先に書いておきます。
私が気になったのは、いわゆる定年後やシニアな年齢を迎え、キャリアを模索しようとする際の、「男性と女性の向き合い方の違い」だった。何度も違う場所で同じ感覚になったことのあるアレ。ダイバーシティ推進をしたことがある担当者なら感じる、今風に言えばあの「はて?」である。
ただのボーイズルールじゃん・・・
・・・とタイトルに先に書いてしまったが、パネルの中でされていた、越境や斜めの関係大事!とか、いろいろな働き方の話が、もはやボーイズルールベースだったのだ・・・。それも控えめに言って古めの・・・。
女性は、結果越境となるようなコミュニティを作るのが比較的得意だし、色々な働き方についてはもう、時間も雇用形態も、男性の比ではないくらい女性の方がむしろ大先輩なことは誰も否定をしないと思う。正社員、派遣、契約社員、パートタイム、やむを得ずという方もいるとは思うが、堂々と選ぶことのできる選択肢を女性はたくさん持っている。時間もしかり。働くママたちの作ってくれた実績のおかげで、例えば時短で働くことは女性にとって男性ほど抵抗のある事ではない。
一方で男性の働き方はまるで多様性がない。正直これは本当に可哀想なことだと思ってる。令和の今でも正社員のフルタイムでないと男性は「お勤めをしている」とまず見做されない。更にはオールドの分類に入るボーイズは、滅私奉公で働く期間も長かったはず。会社では役職をやるか?と聞かれれば、自信なんか無くても「はい!」と言わないとやる気がないと思われる。(・・・からみんなやるw)家では「一家の大黒柱」と言われ、働き方をちょっと緩めたいんだけど・・なんて絶対に言い出せない。この個性の無さは、まるで暗黒の帝国軍か、ショッカー並みだと思う。何度も言うが本当に可哀想。・・・なので、人生100年80歳で現役!と言われるとアワアワしてしまうのだろう。ここが私の最大の違和感。
既に起きていること
10年以上前から、私は自分が経験者ということもあって、がんに罹患した人の就労支援に関する相談ごとのボランティアをしている。少し前まで、男性は、告知を受けた=フルスロットルで働けない=自分は戦力外=辞めた方がいいのでは?という相談を普通にしてくるような状態だった。(今は医療関係者の助けもあってだいぶ改善がされてきた)手術が終わっても、まだ治療費かかるよ、勤め先には色々な働き方があるはずで、続ける方法を一緒に考えましょうよ、ということを男性の相談者には何度もした。もちろん以前いた会社の中でもそれは同様。話を聞きつつ「選択肢がないってこういうことか・・・」と毎度何とも言えない気持ちになった。お互いがお互いの中で「男性たるものかくあるべき」を作ることで、高めてきたこともあるのだろうけれど、それが結果、自分たちの居場所を窮屈にもしているという寂しい事実。就労者が高齢化すると、がんのみならずこれは日常的に起きることになる。(なので、がんと就労を考えることは、これからの人事戦略的にも大事なことなのです)
結果のエール(笑)
長々書きました・・・改めて思うのは、オールドボーイズな企業戦士の皆さんには、人生100年と言われるから・・・!ではなく、自分らしく社会にコネクトし続けて、1日でも長く世の中に貢献ができるために・・・をベースに、色々自由に考えてほしいな・・・ということ。群れなくていいし、金太郎あめみたいなキャリアも捨てて、自身らしく自身のオプションを広げてほしい。会社の制度ができるのなんか待ってなくていいし、子供が仕上がってるなら、家族にも少し多めに見てもらっていいかもしれない。自分が年を取り切ってしまう前に、新しい一歩を自分で踏み出してほしい。
いつもOBNを悪く言う私ですが、昨日のイベントに出て、モヤモヤを書くうちに、本当に皆さん可哀想だなと思い、結果エールなnoteになりました。傷口に塩、煽るつもりもないけれど、あとに続く若い世代はもっと自由に働いていますよw カッコいい背中を見せてくれ、がんばれオジサン!!!