#22 土俵際

兵庫県の斎藤元彦知事が土俵際に追い詰められています。
先日の証人尋問で、目は泳ぎ真っ赤、紙をめくる手が震え、言葉もたどたどしく、将棋で言えば詰む一歩手前です。

知事をめぐる様々な報道はご存じかと思いますのでここでは触れませんが、9月19日から始まる県議会で不信任決議案が可決されれば、知事は辞職、または議会解散の選択をします。
これまでは不信任決議案が可決されると知事辞職となっていましたが、私は議会を解散させると予想します。

県政を前に進める、任期を全うしたい、などなど斎藤氏は辞めない理由を毎日言っていますが、
自分のした/していることは正しい
辞めて無報酬になりたくない
これに尽きるでしょう。
「『不快に思われたのであれば』お詫びする」彼のお詫びには必ずif、もしもが付いてきます。「ああ、不快に思われていたのですね」という受け止めもできますが、私からすれば「えっ、不快なの?間違ったことはしていないんだけどな~」という解釈にしか思えません。先日の涙の会見も自分の不甲斐なさではなく、もう四面楚歌の状態、誰も味方をしてくれない、自分が一体何をしたというのだ、という涙にも見えます。

名家に生まれ、子どもの頃から祖父に「おねだり」し、東大を経ての官僚。苦労とは無縁で順調にステップアップし、あの告発があるまでは何の挫折や逆境もなく生きてきた方です。辞めれば無職(もしかするとyes!と手を差しのべてくれる人が出るかも知れませんが)、今のような生活はできなくなるのは明らかです。県議全員から辞めろと言われている今の状況は理解していると思います。だからこそ知事の椅子にしがみつきたいのです。県政を前に進めるなんて、表向きの単語でしかありません。

知事辞職だろ県議会選挙ふざけんな、という世論が圧倒的でしょうが、私は選挙も有りかと思っています。逆風が吹いている維新の議員さんあたりは今からビクビクしているかも知れませんが、兵庫県のために働いていれば続投、そうでなければ落選、今の民意が如実に反映された議会体制になるでしょう。新体制後もう一度不信任決議案が可決されれば、知事は辞職しか選択肢がありません。

「法律にのっとってさまざまな選択肢がありますので・・・」ごもっともなことです。2回目の不信任決議も地方自治法第178条第2項に定められています。さまざまな選択肢はだんだん絞られ、最終的には1つになります。斎藤氏は法律にのっとって、そう遠くない将来に知事職を追われることになるでしょう。土俵際、徳俵で踏ん張るよりは、自ら土俵を割る、素直に参りましたと言うのが良いと考えます。

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