ダイハツ不正問題
う~ん。どうなるんでしょうねえ???
基本的に製造業では、
正式発注分については補償対象とする
というルールがあります。(建前上)
ですから、この夏、某大手企業さんの(弊社は曽孫請け? ぐらいですが)案件が納期の一か月前でSTOPした際も、補償問題は浮上しました。
が・・・
遅々として進まないんですよ。こういうのは。
支払いのためのエビデンスを要求
してくるんですよね。
注文書や納品書、現物の写真等々。
ただねぇ・・・不正防止という観点では正しいのですが、これをすることによって発生する経費も上乗せで計上させてもらうことになるわけで。。。
きっちり手順を踏むのは正論ながら・・・
今度は、
その上乗せ経費の妥当性に関するエビデンスを要求
となるんです。
ですから、
いまだに補償は1円も支払われていない状況です。
まあ、ウチの窮状は社会全体から見ればゴミくずみたいなものでして、マスコミも政治も公正取引委員会も見向きもしません。
よって、補償が無ければ全損となり大赤字をくらい経営悪化になるだけのお話です。
※)訴訟すれば勝てるでしょうが時間と費用、さらには今後の取引停止という報復措置に対抗できませんので、泣き寝入りしかないです。
アトキンソン流に言えば交渉力の無い小さな会社は淘汰されるべき
となるのでしょうね。。。
さて、弊社の話でも分かると思いますが、上流部になるほど補償が行き届き、下流部になるほど補償されないという構図になっています。
ダイハツさんがどこまで救いの手を出すのか? は、不明です。
今後の対応を注視するしかないですが、メディアがそこまで報じてくれるとは思えません。。。
いずれにせよ、当面は、内示までの補償がなされると思います。
というのも、自動車業界はカンバン方式が主流になっており、内示が出た時点で材料発注やスケジュール設定が行なわれます。
未着手であったとしても、材料費の全額補償は必須と目されることになるでしょう。
問題は、それが末端まで行き渡るのかどうか?
そして、その速度はどの程度なのか?
ですね。ウチの事例のように、エビデンス、エビデンスで半年が経過しても1円もお金にならないことなんてザラですから・・・
そうなると、企業規模によっては倒産するかもしれませんね。。。
ダイハツさんの場合、国やメディアの注目を集めているだけに、スピーディな動きになるとは思っていますが・・・
そして、さらに問題になるのが、業務の再開時期についてとなります。
この事例、普通で考えれば、調査・再発防止策の設定・未実施項目の試験を数年単位で行なう必要があります。
(原発の再稼働の許可と同レベルで審査期間を要することになるでしょう)
下請け企業のうち、ダイハツさんへの依存度がどの程度なのか? によっても会社の浮沈は変わってくると思いますし、それで消滅してしまう企業が出た場合、今後の調達面で困ることになるかもしれません。
そして、我々のような自動車産業の業務をほとんどしていない企業にも大波がやってきます。
仕事を失った自動車産業界の下請け企業が大挙して乱入
してくるからです。
過去、何度もこういった事例が発生し、我々の業界が食い散らかされ、価格競争の血の海になりました。
今なお、ゾンビ価格として採算度外視の相場帯が市中をさまよっています。
自動車産業界は24時間フル稼働で製造単価を引き下げていますので、普通に有人で8時間勤務の我々とは製造単価の土台が違うのです。
向こうは、機械が回せれば・・・となります。
ウチらは社員の生活水準を維持しなければならない・・・となります。
だから、ダイハツ不正問題は、
自動車産業界以外の下請け町工場がバタバタと潰れていく。
風吹けば桶屋が儲かるのような図式で、ドミノ倒しでそうなっていきます。
で・・・
国やマスコミは、その構図を理解していないので、ダイハツの不正に起因する倒産と認識することなく終わっていくことになるわけです。
過去、何度も見てきた景色です。
今回の件、どのような悲劇が引き起こされるのか・・・
めまいがしております。。。