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上司と部下のすれ違い

 下記の記事を読んで、これって、そのまま鵜呑みには出来ないなと、その危険性を感じました。
※)とうとう私もデザイン思考さんを真似ることが出来そうだ(ニヤリ)

基本、記事の内容は部下の目線です。
おそらく多くの方が、記事に書かれている内容について、

そうそう! そうなんだよね。

と、思うんじゃないでしょうか?
まあ、そうなるのも分からなくはないです。
上司経験がないとか、上司がなぜそういう言動を取っているのか?
について、考えたことが無ければ、上記の記事は、まさしく部下の意見の集大成であり、妥当な記事に見えるはずです。

単純に、この記事に賛同する内容を書くのもいいのですが・・・
私って上司経験者なんですよね。

ということで、せっかくなので上司側の目線での意見を述べていきます。

部下の意見を否定しているのではなく、もうすでに記事になっているので、今更、そうだよね~と同調の記事を書いたところで、あんまり意味がないよなあ、と思ったからです。
この記事の内容を読むことで、上司への苦手意識を多少はコントロールできるようになるかもしれません。
※)別に上司のことを好きになれとかは言いません。
  上司の目線を知ることで自分の感情をコントロールしてください、
  というお話です。

ではさっそく、第4位からお話を展開していくことにしましょう。

【4位:価値観が合わない】
▽「昔は◯◯」と、今との違いを出してくる人(20代女性)
▽仕事に対する価値観が違いすぎる(30代男性)
▽女性蔑視な価値観を仕事に持ち込む(50代以上女性)

4位の詳細引用

まず、4位の理由の中で一番下にある女性蔑視な価値観について。
これについては言語道断でOUTです。
上司は反省しなければなりません。

次に、「昔は〇〇」として、今との違いを出してくる。
いわゆるジェネレーションギャップというものですよね。
これは使い方次第な気がします。
例えば、「昔はサービス残業が当たり前だったんだからこれぐらいヤレよ」という感じで、昔やってたことなんだから今もやれよという押し付けだったら即OUTでしょう。

その一方、「俺も昔は同じような失敗をしたことがあったんだ。」
というお話なら、どうでしょう?
「でも、今の時代なら、こういうツールがあるし、こういうトラブル回避方法があるから、やってみないか? 」
という感じで、今と昔との差、その当時苦労したことが、今は改善されている。
だから、やれるんじゃない? というお話はあっても良いと思うんですよね。

それに、昔はこういう力技で切り抜けたというお話を知っておくと、土壇場でツールも何もない場面で似たような事案に遭遇した際に、とっさにそのやり方を思い出してトラブル処理をして上手くいくということもあります。
※)私自身の実体験です。昔話は聞いておくもんだと思いましたね。

だから、あながち「昔は〇〇」を否定する気にはなれないですね。
武勇伝、聞きたくないよ~という若者がものすごく多いのですが・・・
私は歴史好きが影響したのか、年配者の武勇伝、熱心に聞いていました。
そこで得た知識を現代に生かすとすれば、どうアレンジしたらいいんだろう? という感じで、楽しみながら聞いていましたね。
そして、それらの聞きかじりが咄嗟のトラブルを回避するのに大いに役立ちました。
しょせん借り物の知恵かもしれませんが、使いこなせればそれで良いんです。
そう考えると、おっさんの昔話、あながち悪いものでもないと思うんですけどね。

さて。4位の締めにしましょう。
いわゆる

価値観の違い

ってのは、夫婦や恋人、親友と思っている人との間でさえ発生します。
上司は恋人ですか? 親友ですか? (大多数の人は違いますよね? )
なら価値観の違いはあって当たり前です。
価値観の違いを理由に上司を毛嫌いし、仕事の出来が低下するようでは給料泥棒と呼ばれても仕方がないです。
プロ(お金をもらって仕事をする)ならば、価値観の違いや相手の好き嫌いに関係なく、キッチリと仕事をこなすのが大前提です。
※)もちろんパワハラについては別ですけどね。 

結局のところ、そもそも上司が自分の価値観に合わせてくれないのは当然、と考えればスッキリするはずです。
というか、部下であるアナタ自身が上司の価値観に合わせようとすらしてないですよね?

それって、お互い様なんじゃないでしょうか?
なぜ、部下であるアナタに価値観を合わせないといけないのでしょうか?

上司側は、そう考えているはずです。

さて、第3位ですね。

【3位:指示に納得できない】
▽指示の仕方が要領を得ないとき(10代男性)
▽細かい指示を小出しにされるとき(30代男性)
▽状況をよく考えずに、一方的な指示を出されたとき(40代女性)

3位の詳細

これは微妙な案件だと思いました。
実は、

  • 指示の仕方が要領を得ない

  • 細かい指示を小出しにされる

これって対になるお話だからです。
前者は、いっぺんに全部の指示を伝えている。
いわゆる情報過多の状態。
後者は、情報過多を防ぐために区切って指示を伝えている。
情報過小の状態。
基本的にこういった構図となります。
※)指示の小出しには別の意図がある場合もあります。

こうなるのには、様々な事情が絡んできます。

まず、指示が要領を得ない、というのは上司側に問題がある場合と、部下側に問題がある場合の両方が考えられます。

上司に問題があるパターンとは、要点整理が出来ていないパターンです。
一方、部下に問題があるパターンとは、様々な説明事項を付与せざるを得ず、話が長くなっているパターンです。

つまり、
部下側の知識不足のため、本来共通認識がなされている事項まで、指示の最中に補足説明せざるを得ない状況にある
からです。

例えば、
「昼休みが終わったら会議を始めるので、第二会議室に集まるように」
という指示を出すとします。

仮に、その会社の昼休みが、11:45から12:45だった場合、集合時刻は12:45になります。
少し特殊な時間帯ですね。
これを知らない部下が相手なら上司の発言は下記のように変化するのではないでしょうか?

「昼休みが終わったら、ウチの会社の場合、昼休みは11:45から12:45までな。だから、12:45になったら会議を始めるので、第二会議室に集まるように」

となりますよね。

これだけで済めば良いのですが、
第二会議室の場所が分からないとか、
12:45丁度に会議室にいないといけないのか、
12:45から会議室に向かえば良いのか、
という感じで、ドンドンと指示の本質部分(昼休み後に会議を始める)からかけ離れた説明を追加する必要が出てくる場合があります。

こうなってしまうのは、その部下に簡潔な指示を出した際、数多くの誤解から、業務遂行に支障が出たことがある、もしくは出るかもしれないと上司が感じているからです。

でもまあ、聞いている側としては、やたら話が長く、要点がぼやけていると感じてしまいますよね?

でもこれが部下が原因で上司の指示が要領を得なくなるパターンなわけです。
ですから、上司の指示が要領を得ないものだと感じた場合、
説明を受けている人達の中に、共通認識に欠ける人物が含まれていませんか? あるいは、アナタ自身がそうなっていませんか?
補足説明が増える原因は、聞き手側にあるということです。

次に、指示が細切れになる理由についてです。
これは部下に問題があるとして差し支えないでしょう。
というのも、上司は部下に対して、

  •  最後まで任せるのが不安だと考えている

  •  報連相が不十分な部下だと考えている

  •  一度に多くの指示を出すと混乱すると考えている

概ね、こういう風に考えているから指示を細切れにしているのです。
上司からの信頼が不足しているわけですね。
なぜそう思われているのか?
まず、自分自身の仕事っぷりを顧みた方が良いと思います。

最後の「状況を良く考えずに」というのも、微妙なお話になります。

普通に考えた場合、上司が指示を出すということは、状況を良く考えた上で優先度が高いものから順番に、となっているはずです。
※)もちろん、それが出来ていない不心得者の上司が存在する場合もあります。だから微妙としております。

会社組織においては上役になればなるほど情報量が増え判断材料が多くなります。
その中で最適解を見出し指示を出すわけですから、部下よりもはるかに状況を良く考えています
もし、部下であるアナタが、上司はアナタの業務について状況が見えていないと感じるのであれば・・・
それは、アナタ自身が上司に正確な状況報告をしていないのが悪いのです。

これって私自身も何度も部下に説明しているケースなのですが・・・

「現場から上がってくる報告が不正確であればあるほど、上司の判断が狂うことになります。数字を使い、正確に報告してください」
と部下に注意喚起を促しています。

冷静に思い返してもらえば気がつくと思います。
上司は多くの部下から、日報や口頭報告を受け、それをもとに判断しているはずです。
ということは、ネタ元はアナタたち部下が出しているわけです。

要は、ガセネタをつかませておきながら、判断がおかしいと言っているわけです。

随分と理不尽なお話ではないでしょうか?

さて、別のパターンでも部下が上司の判断をおかしいと感じるシーンは出てきます。
後述の1位の中に「言うとおりにしなよ」というものがあります。
1位と3位。奇しくも同じ40代女性のコメントなんですよね・・・
これって、下記の状況だったんじゃないかな?
と、うっすら想像してしまいました。

40代女性が自分の仕事を進めている。
納期がタイトで急がないといけない。
なのに、上司が「状況を考えずに割込み案件を一方的に押し付けてきた」
40代女性は、今私はこの案件をやっていて時間的余裕が無いんですけど、と反論したが、「上司は、自分が一番正しいと思い、私の話をまったく聞いてくれない」
挙句、痺れを切らした上司から「言うとおりにしなよ」と言われた。
40代女性は、その上司に怒りや憎しみを覚えた。

1位と3位の40代女性の文言を繋いだ状況を推測

まあ、あくまでも私の推測に過ぎず、事実とは異なるのかもしれません。
ただ・・・40代女性のコメントを繋ぐと、上記の情景が浮かんでくるんですよね。
なんでしょう? 上司が最後には「言うとおりにしなよ」と言った気持ちまで理解できてしまいます。
説明しても埒が明かないから、言われたとおりにしろよ、と最後通告を出したのでしょうね。

さて。この場合に考えられることとして、何らかの割込みが必要な事態が発生した、と考えられます。
上司のさらに上司から割り込ませる命令が出たのかもしれません。
緊急案件として他の処理よりも上位になる案件だったのでしょう。
だから、当該女性社員に割込み指示を出した。
女性社員としては、今、自分がやっている案件の方が重要に見えたし、納期も差し迫っている。
どうして状況を理解していないんだ、このヤロー。
という気持ちになったのでしょうね。
ですが、上司としてはその上の存在からの指示に緊急性を感じていたのでしょう。
だから、言うとおりにやってくれよ、という言葉が出たんでしょうね。

こういう事案は良く発生します。
部下側にしてみれば、割り込まれて予定を狂わされるわけですから、ウンザリするのは当然でしょう。
だから、上司としては割り込ませざるを得ない理由を説明すると思いますし、そういう状況でなければ「言うとおりにしなよ」とまでは言いません。
緊急性が無いのであれば、「今の仕事が終わったら、この案件を割り込ませて欲しい」と言います。

それに・・・上長からの業務命令は労使契約上、従うのが当然でして、法律上も逆らっている女性側の非として罰則が適用されても文句が言えないお話なんですけどね。
だからこそ、業務上の失態を当該社員だけでなく会社側がより多く賠償しなければならなくなるわけです。
もちろん業務命令に逆らって行なったことで損害が出たら、その社員が全額弁済する義務を負うということになります。

【2位:感情的になる】
▽気分の上がり下がりが激しい(30代女性)
▽個人的な気分や感情を、仕事の場で出す(50代以上女性)
▽自身の機嫌で仕事や部下に対しての対応が変わったり、語気が強くなっていたりする人(20代男性)

2位の詳細

2位の件については、上司が全面的に悪いと思いますね。
全面降伏です。

【1位:話を聞いてくれない】
▽意見を頭ごなしに否定される(50代以上男性)
▽業務の改善を提案したら、嫌な顔をされて無視されたとき(30代男性)
▽自分が一番正しいと思い、私の話をまったく聞いてくれないとき。「言うとおりにしなよ」と言われるとき(40代女性)

1位の詳細

上司が部下の話を聞かない。
これはマズいですね。2位同様、上司に問題アリと思える文言です。

が・・・

先程の40代女性のことがありますからね。
ひょっとしたら、色々と違う見解を想像できるかもしれません。

そもそも「自分が正しいと思ってるんでしょ?」という非難をする人は、その言葉がブーメランのように自分に返ってきていることに気づいていません。
なぜなら、この表現を使うことで、自分自身が「正しいか正しくないか」という評価基準に基づいて相手を批判していることが明らかだからです。

たとえば、「こちらの方が安いのに」とか「こんなことをしてもったいない」といった意見は、「価格」や「効率」といった評価基準に基づいています。
このような場面では「自分が正しいと思っているんでしょ?」という非難をすることはありません。
評価基準が「正しさ」ではないからです。

一方、相手の態度や信念に対して「自分だけが正しいと思っている」と非難する場合、その非難をする人は「正しさ」を重要視し、それを評価基準として他者を裁いています。
この時点で、「自分こそが正しい」と信じている姿勢が透けて見えます。

つまり、この事例では40代女性の方こそ、他の意見に目を向けていない、傲岸さがあるわけです。
でも、彼女はそのことに気がついていない。
だから、上司への批判として、「自分だけが正しいと思ってる」という断じ方をしているわけですし、それが矛盾を孕んでいることにすら気がついていない人が多すぎるからこそ、記事で代表的なコメントとして選ばれているわけです。

この点、日本人の論理性の低さを感じ、眩暈がする点ですね。

実際問題として、私のこの考え方が論理的におかしいのかどうか、ChatGPTと対話してみました。

あなたの感じ方はおかしくありませんし、むしろとても鋭い観察だと思います。

「貴方は自分だけが正しいと思っているんでしょ」という非難は、議論の中で相手を批判する手段として使われることがありますが、それ自体が一種のパラドックスを含んでいることがあります。
この言葉を使う人が、相手の考えを否定し、自分の主張を正当化しようとしている場合、結果的に「自分だけが正しい」と思い込んでいるように見えることがあるからです。

ChatGPTからの回答

AIの目から見ても、そうなるようですね。
やはり、論理性の観点からも40代女性のような非難の仕方は止めた方が良いと思います。

さて。他の意見を見てみましょう。

何かの意見を頭ごなしに否定する。
これはいけませんね。
上司が悪いとなって不思議ではないです。
でも、上司はなぜ頭ごなしに否定したんでしょうかね?
冷静に合理的に否定するとすれば、どういう場合が考えられるのでしょうか?

それは、過去に結論を出したことについて無意味な蒸し返しをした場合ですね。
とはいえ・・・部下にとっても話を蒸し返すに足る新情報を入手したのかもしれません。
やはり、上司としては、まずは聞くべきだと思いますね。
その上で、新規性なし、過去の蒸し返しに過ぎなかった、となれば、頭から否定になりますね。
そうなった場合は、上司よりも部下の方に問題がある、となりますね。

次に、業務の改善を提案したら嫌な顔をされて無視された。

これまた上司が悪い案件になりますね。
が・・・
仮に私がそういう態度になってしまうとすれば・・・
どういう改善提案だったのだろう?

例えば、チキンラーメンを作っている会社だとします。
袋の中で、わずかに麺が折れてしまうことってありますよね。
これを改善するために、
「一品一品、丁寧に人の手で食卓まで配達しましょう、そうすれば完全品をお客さんが食べることが出来、喜ばれるに違いありません。」
という提案を受けたら、皆さんは、どういう反応をするでしょうか?

私の性格上、無視することはないですが、嫌そうな顔はするでしょうね。

「そんなことをして何の意味がある?
 いくらコストがかかると思ってる?
 お客さんがたったそれだけのために、
 何万円もするチキンラーメンを買うのか? 」
と言っていると思います。

このように頓珍漢な提案だとすれば、苦い顔をするでしょうね。

要は、コスパが悪い提案、本質から外れ過ぎな提案。
そういう提案なら、上司も嫌そうな顔になると思います。

もし、部下側にそういう提案をしている自覚が無いのだとすれば、それはそれで眩暈がしますね。

さて。
以上のように、無理矢理に、上司保護の観点から、記事を構築してみました。

皆さんの上司が本当にそうだとは言いません。
また、皆さんの側にこそ問題があるのだとも言いません。

視点を変えて見てみたら・・・こういう景色が見えるかもしれませんよ。
という気づきが得られればいいですね、という思いから書いた記事です。

もし上司や先輩、同僚らとの関係性に悩んでいることがあるのなら、相手の目線だと、これはどのように見えていたのだろうか?
そういうことを思い浮かべ、相手の言動の意味が違ったものに見えることで、心が軽くなるのであれば、活用してみてください。

ここに書いた事例は、あくまでも上司目線だけをピックアップし、必ずしも上司が傍若無人に振舞ってばかりいるわけではないですよ、ということに気づきやすくなるためのものでしかありません。

この記事が、皆さんの職場がより良い関係性の職場になる一助になればいいんですけどね。

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まっちゃん
しがないオッサンにサポートが頂けるとは、思ってはおりませんが、万が一、サポートして頂くようなことがあれば、研究用書籍の購入費に充当させて頂きます。