【AndréMauriceアンドレモーリス】を語る
・真の価値をわかる大人女性に伝えたい、AndréMauriceとは?
イタリアのピエモンテ州Casale Monferratoにある1921年創立のニットメーカー。語りつくせないほどここには私は深い思いと通い続けた歴史があります。ちなみに「アンドレモーリス」または「アンドレモリス」と呼びます。
創業者が「フランスっぽくしたい」という思い(当時はフランス、パリがやはりファッションの頂点)、から、名付けられています。
*会社名はALGISアルジス、ブランドがAndréMauriceアンドレモーリス*
たまに取り扱っている方々が「アントレマウリーツェ」と読んでいますが(私もその一人でした)、現地で社員の方にきちんと確認していますし、電話をすると「アンドレモリス↑(少しイントネーションが上向き)」と出ますから、間違いありません。私が2022年2月に「正式に」アンドレモリス(アンドレモーリス)と呼ぶことを確認しております。
公式サイトにあるとおり、ニットメイン。ラグジュアリーさが伝わります。
以下は弊社が過去このブランドを説明するのに使ってきたショットの一部。まだアンドレマウリーツェと言っていた時代のもあります。
余談ですが弊社は、2022年4月から、特許庁に「Mセレクション」のレジスターマーク、10年取得しております。画像や文章の転用や使用は弊社の許可を得てください。ご連絡ください。
・私と「AndréMauriceアンドレモーリス」との出会い
なぜ、私がこのブランドと出会ったのか?知ったのか?
私は初回の自己紹介(私のページのTOPにピンして固定してあります)で、「趣味が高じて25年近くセレクトショップをやっている」と書いたかと思う。本当にまだ、インターネットがダイヤル回線で(パソコンの中で電話のダイヤルを回す音が聞こえる時代)、デジカメもなくて文章で商品をネットで売っていた時代から「独学」「自力」のみでやってきた。
常に「これで合ってるのか、こんなことしていいのか」は私の心の奥底での不安要素だった。
服を売るのに許可書などは要らないということは初期の段階で知った。
いずれ語るが、日本のインポートアパレル商社と取引ができるようになり、どんどん広がって行った(これも私が自ら、取引したい、商品を仕入れたいとお願いしたことはない。すべて「紹介」だった。)
今日までを振り返ると本当に多々の出会い(ブランドも商品も取引先も営業マンも・・・)があった。これについてはまた別途語ります。
そしてこのアンドレモーリス、これはいつから知ったのだろう。過去を調べてみたら、2015SSコレクションから私の仕事、ショップに入り込んできたブランドだった。
今はあるのかわかりませんが、当時AXISアクシスさんというメーカー&インポート輸入をしているアパレル会社さんが、このアンドレモーリスを扱っていた(ここではマウリーツェと教えられた、それ以来ずっと私も私のお客様もマウリーツェだと思い込んで2022年2月まで来てしまったという…汗)。
この頃、私は単なる「小売店(ブティック)」だったので、輸入の仕組み、代理店の仕組みなどアパレル業界のそんな仕組みは全く知らなかったし、当時は知る必要もなかった。しかもその当時は、このように、織ネームにはAntisというAXISさんのブランド織ネームが縫い付けられていたのだ。
そして展示会では、このようなカラースワッチ(カラーカード。ここから好きな色をブティック、専門店、買い手はオーダーする)が用意されていました。今となっては何もかもが理解できるのですが当時は全くわからないまま、ここで発注をしていた。
当時2015SSコレクションでした。サンプルを私もそのままその会社さんから借りて、色々撮影して私から固定のお客様はオーダーしてくれた。イタリア製の上質なニット、適正価格。変にブランド品のように高値が付けられていない。なぜなら完全にここは「川上」だから。様々なブランドの下請けをしていると思われる。その商品にブランドは自社のブランド織ネームをつけて展開(OEM)。その大元、源だから、直輸入すれば「アンドレモーリス」そのものをきちんと適正価格で仕入れられる(底値ともいう)。
当時最も人気だったのはこれだ↓透かし編みのカーディガン!
アンドレモーリスには定番でずっと固定されている品番とシーズナルコレクションと両方存在する(大きなブランドはたいていこのパターン)。
この編地、RISO(リゾ。イタリア語で米。リゾットのリゾですね)といって、米粒編みはSSもFWもある。モーリスならではの編地。
話が脱線したが、これがそもそもの出会いだ。それから数年、2018年の初めくらいまでは、このALGIS社擁するアンドレモーリスを「個人のブローカー、バイヤーとして」輸入している営業男性(日本にはこういう方がたくさん存在します)から買うことになった。毎シーズンこの営業の方が、モーリスのサンプルを持参し、または提携している商社さんや会社さんの展示会場に飾っていた。私は常にそこに出向いていた。
SS(春夏)はコットンと麻(ワンピースやパンツなどの布帛もあり)、FW(またはAW、秋冬)はウールをずっと扱っていた。
しかし、年を経るごとに、色々な謎が私に湧いてくる。深堀りしたい私だからこそ、謎が出てくる。明確にしたいことが多々出てくるのだ。
それはそもそも、常に毎年同じ形、同じ素材ばかりの20点くらいのサンプルだけを紹介されてきたから、私も、お客様も「飽きてきた」ところから始まった。
半年に1度、アンドレモーリスに出向いている、といっていたその営業マンに、何度頼んでも「現場の現地の写真」を貰えなかったこと。
特に後者は私にとってはとても腑に落ちなかった。普通に考えたら、「自分が扱うブランド」「自分が好きなブランド」「自分がこれ!と紹介するブランド」のことって、普通、普通・・・深堀しませんか?もっと知りたい、そしてそもそもそれを「お客様に販売するのだから」、自身がもっとも詳しくありたい、って思いませんか?現地に行きますよね、私だった、この目でこの手でしっかり現場に現地の会社に、現地の工場に、行きたい。どうやってこのお品が作られているのか、メーカーから直接買っているなら、見れるはず。現地に脚を運んでいるはず(だってイタリアに半年に一度いつもその方行ってましたもん!)。
あるシーズンにその方が「イタリアへ行く」というので「現地の写真をください。限定のアンドレモーリスの建物とか風景とかなんでもいいので直接画像ください」と何度も頼んだ。でも常にはぐらかされた。胡麻化された。しまいには「モーリスのHP画面」を送ってきただけ(そんなこと誰でも調べられる!)。
いただいた写真は、イタリアのどこぞやの家庭でご飯を皆で食べてる写真だけだった。
謎は深まる一方だった。なぜこの営業マンは私に現地の画像、メーカーの画像をくれない???謎、謎、謎!!!
しかも当時は全く海外に行くことがなかった私は、当然イタリアについても詳しくない。まさかその営業マンが、常に北部ロンバルディア州ミラノやピエモンテ州などに行っていなくて、常に行っていたのがフィレンツェだったなんて・・・。アンドレモーリスの会社、ショールームがあるピエモンテ州とは程遠い場だったことを、2019年1月に知ることになる私であった。
そしてさらに、2018年1月に、私にとっては「衝撃的なこと」が目の前で起こった。
それは2018年2月号の雑誌プレシャスPreciousのこの表紙。
ごくごく普通に「素敵!!!」と純粋に単純に思っただが(ちなみに中身のグレージュ特集も最高です)、この表紙のクレジットを見ると・・・
「え???」目を疑った。後にも先にもアンドレモーリス(ここでもアンドレマウリーツェを書かれてますが)が出たのはこの1回と思う(私が知る限りです。あくまで)。
一度も過去載ったことがないこのアンドレモーリスがこんな頂点の雑誌に紹介されている。で、この号を色々よく読むと数か所に使われていた。たとえばこれ↓
私はすぐさま、そのアンドレモーリスを扱っている営業、個人の代理店の人に電話をした。「ちょっと!!!雑誌プレシャス表紙にマウリーツェ(当時は私もこう呼んでたから)が載ってますけど!!ご存知でした?」
私にとっては「おおごと」でも、他人にとってはそうでないことは世の中多々ある。でもこの時この営業も「え?そうなんですか?」と全然知らない様子だった。アパレルの世界はとても関係性や流れや物の流通が闇、でもあり、摩訶不思議なことも多々あって、、、、「専属代理店」「専属ディストリビューター」でない限り扱おうと思えば「量さえ」買えばだれでも扱えるということもあったりして・・・(そのメーカーが認めれば)。
この営業マンルートでこの雑誌に掲載されたわけじゃないから、知るわけもなかった。
そしてこの時から「こうやってアンドレモーリスにはこうやってこのようにウールだけでなくてカシミヤもある」ってことを知った。さらには、このストールが欲しいと思ったので、その方に「このストールオーダーしたいから聞いてもらえませんか」とお願いした。カシミヤ100のアンドレモーリスのこの杏さんと同じニットストールを買えると思った。扱えると思った。その営業マンが「調べた」と言って私に提案してきたものは、カシミヤ100のニットストールで、定価29,000円だと私に言った(最終エンドユーザーに半場するのが29,000円ですよ、この雑誌に載ってる49,000円って何?ぼったくり?と思ったほど安かった)。
私は嬉しくなり、固定客の長年のお客様に「この杏ちゃんストール(と名付けていた)手に入りますよ」と勇んで伝えた。お客様も喜んでくれて、沢山オーダーをくれた。
しかし、やはり私の心の奥底では一抹の不安は若干あった。あまりに安すぎないか?また「絵型(デッサン画)」を見る限り、この杏ストールと同じと思えなかったからだ。
2018年9月か10月だったか・・・私はそのブローカー、個人代理店さんから29,000円上代のカシミヤ100のニットストールを手にした。がっかりした。「まったくの別物」だった。やっぱり私の懸念していたことが当たった。たいてい私の「勘」は当たる。
この表紙のものとは全く違う、いわゆる一般人が知っている「ふわふわのカシミヤ」「空気感、エアリー感がある」カシミヤ100のストールだった。
「本当にマウリーツェ(しつこいが当時の呼び名)さんにこのニットストールだと確認してくれてたんですか??」と私はその方を攻めてしまった。だって、納得いかないんですもの。あまりにもいい加減過ぎる仕事だったから。こっちは本気で仕事をしている、私は「納得できるもの、本物」をきちんと「長年の固定客」に販売したい。それだけだった。
なのにこういういい加減な、適当な仕事をする人が私を邪魔する。
だいたいこのレベルの品で、上代が29,000円のわけないと思った。するとその営業マンは私に言った。
「マウリーツェに何度も問い合わせているだが、このニットストールはないというんですよ。担当者も知らないというんです」
はぁ?ないわけないでしょ。だって、現にこうやってプレシャスで杏さんが巻いて表紙に出てるんですよ。そしたら雑誌プレシャスさんが嘘をついたってこと?それはないでしょ。
こんなことをきっかけにこの営業さんとの仲が悪くなり、さらにはどんどんすべてを疑うように、信じられないようになる私が生まれた。
そこから、「私の現場現地主義」が始まったのだ。2018年10月1日に初めてミラノに渡った。その前までは、まだ上海、常熟、ソウル、とアジアだけを回っていたが、「飛行機乗れない」「英語(外国語)話せない」「海外行きたくない」私が2018年10月1日から今では何度となくミラノを中心にParisにもソウルにも散々行くようになった、1つのきっかけともいえる事件だった。
そして私はアパレル専門の通訳と知り合って、彼女にアンドレモーリス社にアポイントを取ってもらった。専属で契約している日本の会社はないから、ショールームに来ていいですよ、と輸出担当者(この方とは今もワッツアップやインスタ通じて関係を築いてる)が言ってくださった。
2018年10月にはまず、現地視察に行った。そこではあくまで、「現地を見たかった」そして「アウトレットが併設されている」のでそこで一般コンシューマーとしてアウトレットで買ってみた。
いよいよ「雑誌プレシャス・杏さんストール」との対面!!
その後、2019年初旬(1月かな?)には会社ALGISとショールームに訪問することが出来た。ここでやっと「あの謎」を解明する!!!
いつもお世話になっているアパレルに強い通訳Cさんから「ショールームに出入りできる人が最も底値で買うことができ、もっともある意味偉い(笑)。TOPだ」と何度となく知らされた。叩き込まれた言葉だ。Cさんは本当に優秀な通訳で(今これを書いていて、改めてそれを思わざるを得ない。彼女はプロフェッショナルだ)、アルマーニのショールームなどにもアテンドをする経験をお持ちだ。その彼女にモーリスに行く手配をすべてしてもらえた。
私は2018年6月からイタリア語を学び始めた。最低限の挨拶、日常会話をするのが常識と思っていたので、少しでも少しでも・・・と未だに習っている。しかし才能はない!!どれだけ習っても、仕事との両立は難しく、初級者レベルで4年間過ごしている。でも知らないよりずっといいとは思ってる。
一人で行ける会社も多々ある、増えた。でもいざってときはやはりビジネスになると通訳と共に行く。もう通訳も2018年から決まった人にお願いしている。ミラノならCさん、ボローニャなら専門の●●さん、というように。それ以外はもう使わない、頼まない。私一人で完璧にもうこなせる、やり取りできる大きな会社(メーカー)もある。でも、苦手なところはいつも通訳さんに一緒に行ってもらう。言語で脳を使いたくないからです。
2019年1月だったと思っていたが、過去の画像を見たら、3月でした。
2019年3月に、ついにアンドレモーリスのショールームに行ったのでした。
ここで、私は今回のこの「雑誌プレシャス掲載の杏さんが巻いていたストール」の謎を追及する。そのためだけにここに来たようなものだ。すごく私は「グレーなことが嫌い」で、「いい加減なこと」が好ましくなく、「納得したい」だけなのに、どうしても代理店や個人のブローカーや変なおじさんに丸め込まれることが多い。それが結局、私の固定客、会員のお客様へも影響し、私のせいでエンドユーザーにも迷惑をかけてしまう。それが最も嫌だった。
そもそも、「アンドレマウリーツェ」と思い込んでいたこともお客様へもずっとそう伝えていて、迷惑をかけていた(私が現地に行かなかったことがいけないのですが、そもそも)。
当時の輸出担当者(この女性はとても仕事が出来た!COVID19になってから、彼女は会社を退職して海のある地域で夢のTABACCI店(タバコ屋)をやっている、未だにインスタで個人的に繋がっている)に、雑誌を持って見せて、「このストールをどうしてもオーダーしたいんです!私がずっと頼りにしていた個人のバイヤーさんに聞いてもだめでした」と執拗に私は懇願した。
それがこのシーン。
この担当の女性もなかなかわからなくて、それでもとても心あるこの担当女性は、調べて調べて、ついに「これよこれ!あったわ。サンプルが白だけど、なんとこれは2014年の秋冬コレクションよ!」と。ついに私は対面したのです。まさしく間違いなくこれでした。
やっと夢の「杏さんストール」に出会えて、こうやってこのサンプルがあれば、色を変えて特別に発注できるとのことで、2019AWにはついにこれらを生産。入荷。私の長年の会員のお客様も本当に喜んでくれました。
*結局杏さんが巻いていたのは、恐らく「スタイリストさんかどなたかの私物であろう」とモーリスの担当者も言っていました。広く流通はしていなかったようです。
ここまでの私の執念は一体何なのか。ひとえに「背景、真実をしっかりお客様に伝えたい」。自分が扱う品をきちんと知って、語って販売したい、というのが根本にあるからです。裏を返せば「アパレル経験がない」私だから、専門学校に行っていたわけでもないし、アパレル販売員などの経験も知識もないから、それが「自分の弱点」「引け目」と思っていたので、きちんと理論で、現地現場主義で真実を周りを固めたかったのだろう。
でも本当にいかに、代理店やブローカーや営業マンの知識や思い入れがいい加減なものなのかをも長年この業界にいて分かってしまった。
そもそもどうして男性営業マンが、男性が「女性の服を扱うのか」が私には理解不能だった(笑)し・・・。
アンドレモーリスを強く推しながら、ご自身は「モーリスのメンズ(があるのに!)を着ない」。また別途語るが「AlvieroMartiniプリマクラッセ」を扱いながら、レディースアパレルを沢山紹介しながら、代理店として代表として扱いながら「なぜご自身はAlvieroMartiniプリマクラッセのUOMOの服を着ない」のか、とかごくごく自然な謎だらけだった。
それは、「好きを仕事にしていないから」だ。いや、「好きじゃないことを仕事にする」ほうが、ビジネスになるし思い入れがない分「稼げる」からだと思う。私のように「本当に好きなものを扱う」ような人は実は稼ぐことはできない、んです。全然稼げません。それはこの記事を目にする業界の人で私をよく知ってる方々なら理解できると思います。
自身のブランドを持ちながら、全然違うハイブランドの服ばかりを身に着けている社長さんとかも平気でいます。儲けたいなら「好きでないことをビジネスにしろ」というのを最近よく、様々な本、今の時代の本やYOUTUBEで目にする(いわゆる本予約チャンネルなどでやってます)。
回りくどくなりましたが、この「杏さんストール」はそれから2021AWにも生産し↓
2022AW(今季、今シーズン)はpaillettesと呼ばれるスパンコールシリーズで、ニットストールを作った。このスパンコールシリーズはアンドレモーリスの中でも推しの素材である。
そしてこの杏さんストール14(2014の14)でスタートするカシミヤ100と、スパンコール付きのカシミヤシルクストールについては、弊社が5年間の独占販売権を日本においてはアンドレモーリスALGIS社と契約を結んでおります。弊社だけが発注できるので、
●欲しい方(個人でも、ブティックさんでも、委託営業さんでも)
は是非ご連絡ください。23AW(FW)もベーシックなカシミヤ100と、スパンコール付きのニットストールの2種を発注予定です。
*お問い合わせはインスタグラム(DMや連絡先Gメールなど記載あり)、
このnoteコメント。エンドユーザーさんで私の活動の場を知っている方はそちらからメッセージくださってもOK
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