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曜日及びキックオフ時間帯別の入場者数で見るロアッソ熊本

 初のJ1昇格に向けて快進撃を続けている2022年のロアッソ熊本。しかし、入場者数は伸び悩んでおり、後半戦になってホームで5連勝と好調にもかかわらず状況があまり変わらないことから、サポーターの間でもたびたび話題に上がっています。
 過去の記事では減少した原因について考えてみました。今回は、どういった条件だとホームの入場者数が多くなるのかについて考えてみたいと思います。

曜日別の平均入場者数の比較

 まずは、試合の主な開催曜日である土曜日、日曜日、水曜日の平均入場者数を見てみます。

筆者作成。対象から祝日は除く。

 平均入場者数の土曜日と日曜日の比較ですが、年によって変動が大きく、全体としてはやや土曜日の方が多いかな?程度で、はっきりとどちらの方が多いとは言えなさそうです。一方、水曜日はわかりやすく少ないですね。

キックオフ時間帯別の平均入場者数の比較

 続いて、キックオフの時間帯別で見てみます。ざっくり昼と夜に分けて比較しました。

筆者作成。夜開催は18時、19時台、昼開催はそれ以外の時間帯を指す。ただし、水曜日を除く。

 全体として、昼開催の方が夜開催よりも入場者数が多い傾向があります。
 特に昼開催と夜開催の乖離が大きいのは、2020年と2021年です。
 2020年は、新型コロナの影響でシーズンが夏開幕となり、夜開催である序盤ほど外出自粛の影響が大きかったと思われます。
 2021年は、後半の昼開催の時期に成績向上に伴い入場者数が増加したこと、特に最終節の11,314人の入場者数が平均を大きく押し上げたことによるものだと思われます。

曜日及びキックオフ時間帯による入場者数の比較

 最後に、これまでの2つの要素、曜日とキックオフ時間帯の両方を同時に比較してみました。

筆者作成。時間帯の定義はひとつ前のグラフと同じ。

 土日の時間帯別でみると、やや日曜日の昼開催のときの平均入場者数が一番多い傾向があるようです。
 ただ、大きな問題があります。それは、サンプル数が少ないということです。サンプル数が5以下のこともざらで、2018年、2020年、2021年の土曜昼開催、2016年の土曜夜開催は1回しか開催がありませんでした。そのため、動員試合やアウェイ客が多い試合が含まれると、数字にその影響が大きく表れます。
 例えば2019年の土曜夜は平均入場者数が8,178人ととても多くなっています。これは、3回の開催のうち1回が16,027人を記録して、平均を4,000人ほど押し上げたためです。
 このようにサンプルの数が少ないと外れ値に引っ張られるため、平均入助者数の比較で有益な結論を得るのは難しいかもしれません。

まとめ

 以上から、日曜日の昼開催だと多くの入場者数が見込めそうなことがわかりました。一方、サンプル数の問題から、この結論がどの程度有効なのかについては議論の余地があり、どの時間帯の開催が一番望ましいかについての結論は、一筋縄ではいかなそうであることもわかりました。
 ただ、翌日が平日となることから、試合後の活動が期待できないこと、アウェイ客が来場しにくいことなどを考えると、日曜夜は経済効果が低くなると個人的には予想されるため、可能であれば日曜夜開催は避けた方が望ましいのではないかと考えています。
 実際には他の利用者との兼ね合いがあるのでなかなか難しいところですが、できることから取り組んで、一見さんが少しでもロアッソを観戦しやすい環境を整えていきたいですね。
 なお、分析に詳しい方がいらっしゃいましたら、是非より詳細な分析方法を教えてください。心よりお待ちしております。


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