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平均入場者数で見るロアッソ熊本

 4シーズンぶりのJ2で台風の目となっているロアッソ熊本。しかし、その魅力的なサッカーにもかかわらず、入場者数は前回J2にいたときよりも大幅に落ち込んでいます。そのため、(個人的に観測できる)サポの間でも危機感が高まっており、色々な推測が見受けられるようになっています。個人的にもその要因については気になっていることから、平均入場者数をもとにその要因と今後について考えてみました。

平均観客数の推移

 まず、過去と比較するために、2015年以降の入場者数を調べて平均入場者数の推移をグラフ化しました。

各試合の観客数はFootball LABから。グラフは筆者作成。

 2015年に7,038人だった平均入場者数が、2022年では暫定ながら2,944人とおよそ4割まで落ち込んでいます。そらみんな焦りますわ…

平均観客数の減少の要因

 ここで要因分析として、各年で入場者数に大きく影響を与えそうなトピックスを加えてみたのが次のグラフです。

グラフは筆者作成。

 熊本地震、J3降格後に平均入場者数が減っていますが、J3の1年目でも前年比+300人の5,533人(2015年比およそ約8割)と、成績が低迷していたにもかかわらず、J3降格後もそれなりに入場者数をキープできていました。しかし、新型コロナで一気に減少。制限が緩和された昨年度以降、好成績と相まってかなり盛り返したものの、新型コロナ前の水準には程遠い状態となっていることがわかります。
 なお、2021年と2022年の比較で、J2昇格でアウェイのお客さん増えたはずなのに平均入場者数減ってるじゃん、と思われた方もいるのでは。ちなみにこの差の一番の要因は、2021最終節の入場者数11,314人です。この1試合で平均入場者数を600人くらい押し上げています。この分を考慮すると2,700人くらいになるため、今年の方が+約200人となっています。また、クラブによると

今季から無料招待の数を抑え、有料入場者の割合を増やす方針に転換

熊本日日新聞より

とのことや、前半戦ホームで1勝しかできなかったことを鑑みると、物足りないものの健闘しているとも言えそうです。

まとめ

 結論として、現在の入場者数の減少の要因は、熊本地震やJ3降格等の成績低迷よりも、新型コロナによる影響がはるかに大きいと個人的には思われます。そうなると新型コロナが収束するまでは、劇的な回復は難しそうなので、今はまだ、コロナ禍後を見据えて地道に種を撒いていく我慢の時期なのかもしれません。
 幸い、

観客数が減っていても、チケット収入自体は今期の計画を達成できそう

熊本日日新聞より

とのことから、直接的なクラブ営業への影響はあまりなさそうですし、2021最終節の入場者数からしても確実に熊本にロアッソは根付いています。
 ただ、入場者が増えればスタグルやグッズ販売が伸びるでしょうし、周囲から見ると入場者数が少ないとやはり盛り上がっていないように見えますし、何より観客が多いとスタジアムの雰囲気が全然違います。新型コロナの影響で大規模なイベントや営業は難しいですが、駐車場をはじめとしたアクセス問題の解消進展や積極的なホームタウン活動、そして何よりホームでの勝利を重ねることで着実に入場者数を増やし、新型コロナ後の盛り上がりに備えたいですね。

おまけ

今回平均入場者数データをまとめてて、ホーム成績や曜日時間帯、天気別の入場者数の違いなんかも面白そうだったので、調べて記事にできるといいなぁ。

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