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稲盛記念館 〜 西郷隆盛の教え
稲盛記念館の第二弾は、西郷隆盛にまつわるお話です。後段で大切なお話をしますので、最後までおつき合い下さい (^ ^;
1 「敬天愛人」について
前回、記念館の入口には、「敬天愛人」というレリーフが飾られているとお話しましたが、
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(Photo by ISSA)
この言葉は、明治時代の文学博士・中村正直(なかむら まさなお)の造語といわれ、簡単に言えば「天を敬い、人を愛すること」を意味します。
西郷隆盛の座右の銘として、著書「南洲翁遺訓」(注1) にも登場します。
道は天地自然の物にして、人はこれを行うものなれば、天を敬するを目的とす。天は我も同一に愛し給ふゆえ、我を愛する心を以て人を愛する也
(注1) 南洲とは「南の島」を意味し、西郷隆盛が沖永良部島に流刑された時の文筆活動で使っていた名前で、敬天愛人の考え方は、この獄中生活で見出したとされる
鹿児島に生まれ、幼少期から西郷隆盛の思想的な影響を受けて育った稲盛さんは、「敬天愛人」を京セラの社是としました。
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ここからは、稲盛さんが語る西郷隆盛像と、どのようにその哲学を自分のものにしていったのか、そのことについてお話します。
2 稲盛さんが学んだ西郷隆盛像
(1) 「郷中教育」で西郷に触れる
私は、「郷中教育」(注2) で西郷隆盛の人物像、偉大な功績を体系的に学びました。その学びが、私の考え方に影響を与えています。
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(Photo by ISSA)
(注2) 元々、薩摩藩独自の子弟教育で、明治以降も形を変えながら終戦まで続いていた
稲盛さんは、鹿児島で生まれ育つと、西郷隆盛の教えは「何か風の音のように自然と耳に入ってくる」とおっしゃっています。
確かに、今でも鹿児島県民の「西郷どん」愛は非常に強く、至るところで西郷どんや愛犬「つん」(注3) を型どったキャラを見かけます。
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(Photo by ISSA)
(注3) 西郷隆盛が、薩摩川内市の東郷町にある藤川天神に参拝した際、飼い主だった前田善兵衛から譲り受けた薩摩犬
西郷隆盛は、それだけ県民に愛され、暮らしに深く浸透している証なのでしょう。
(2) 誠の心が何よりも大切
「権謀術策を駆使する人間は、純粋な心を持った人間に最終的には負けるのだ」という西郷の教えを、私はそのまま自分の信念としました。
西郷隆盛は、才識は大切だが、それ以上に誠の心が大切だと教えています。
この教えは、後に「考え方」を最重要と位置づける稲盛さんの「人生の方程式」となって結実することになります。
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(3) 奇策を弄ぜず
西郷は「南洲翁遺訓」の中で、「道に志す者は、偉業を貴ばぬもの也」 と語っています。
「正しい道を志す者は、偉業を成し遂げようと思っていません。人の意表を突き、驚かすような派手なことをしないものです」と諭しています。
西郷隆盛は、人目を引く奇策に走るのではなく、地道な努力の積み重ねの大切さを説いているのですが、この考えは、後に稲盛さんの名言のひとつとして結実します。
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(4) 徳高き者には高い位を
西郷隆盛は、「徳高き者には高い位を、功績多き者には報奨を」と語りました。その意味するところは、功績にはお金で報い、人格の高潔な者こそ高い地位に据えるべきだということです。
人間にとって一番大切なのは人格であり、特にリーダーのなる人には、高潔な人格が強く求められるということです。
(5) 西郷隆盛を、もっと知るべき
私たちは、「西郷隆盛」の生き方、考え方をもっと知る必要があります。西郷と向き合うことで、日本人が本来持っていた「美しさ」「高邁さ」が思い出されるのです。
今回、ここが最も重要なポイントなのですが、稲盛さんは、西郷隆盛に学んだ集大成として、次のように語っています。
一人ひとりの日本人が、美しくて高邁な心を取り戻すことこそが、日本の繁栄を長く維持するための最善の方法だと思っています。日本は経済大国ではなく、国民の精神が上質な国家として、世界中から尊敬され信頼されるようになるのが、日本が繁栄を長く維持するための最善の方法なのではないでしょうか。
つまり、稲盛和夫という日本経済の一端を支えてきた巨頭自らが、日本は経済大国ではなく、先ず、国民の精神が上質な国家を目指すべきだ、と諭しているのです。
さて、ここからは少々、主題から離れますが、上記を踏まえて私の持論を展開させていただきます。
3 「国の守り」は物心両面から
私(ISSA)が、最もお伝えしたいことは、本当の「国の守り」というのは「物心両面」から行うものだということです。
戦後、「物」理的な国の守りは、自衛隊によって担保されてきたものの、国民の「心」を守る手立ては失われたままとなっています。
かつて日本には、先人の知恵を基軸とした、薩摩藩の郷中教育のような心の教育(=心の守り)が、日本中のそこかしこで行われていましたが、
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(Photo by ISSA)
戦後のGHQによる占領政策や、押し付けられた東京裁判史観、これを真に受けた戦後教育が浸透するにつれ、「高邁な」心を育む機会は徐々に薄れてしまったのです。
国内で進む心の荒廃は、敵対国には「分断、弱体化、左傾化の好機」と映ります。
今現在も、周辺諸国が仕掛ける情報戦によって、日本人の美しくて高邁な心は、絶え間なく侵食の脅威に曝されています。
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幸い、日本には国民の象徴(お手本)として天皇が君臨(=国体を護持)しているお陰で、何とか日本の心は守られているのですが、
本来、敵対国はおろか、米国をはじめとする同盟国や友好国にさえも、その主義、思想、文化に形を変えた心の侵食に対し、無防備であってはならないのです。
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私たちは、何よりも先ず、その問題を強く認識しなくてはなりません。
そして、政治や教育の現場が、もっと日本の心の守りに取り組まなければならない。
安部元総理は、若くしてそのことに気付いていた稀有の政治家で、「何とかして、美しい日本の心を守りたい」と命をかけていました。
先述の稲盛さんによる一文は、奇しくもそうした安倍元総理の政治理念とも符合していることがお分かり頂けると思います。
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しかし、安倍元総理なき今、果たしてその志を語れる政治家は、一体どこに居るのでしょうか・・・。
4 如何にして日本の心を守るのか
実は、私が日々 note を書き連ねる理由がここにあります。
殊更、日本神話や神社、特攻隊、伝統文化などを多く取り上げてきたのは、そこに日本の美しい心の原点を見出しているからであって、それを掘り起こすことが、いわば「心の防衛力」を育むことに繋がると、そう信じているからなのです。
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つまり、私のライフワークは、一貫して日本の「心の防衛力」を育むことであり、自己紹介に記載のとおり「読者の心にひらめきを芽生えさせ、バタフライ効果で、より良い社会へ向かう潮流を生み出す」ことをねらいとしています。
「心の防衛力」を育む上で留意すべきポイントを明示すると、次のようになります。
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「心の防衛力」を育むということについて、是非、考えてみてください。
おわりに 〜 私が守りたいもの
以前、こちらの記事でも書きましたが、
私には「守りたいもの」が二つあります。
⼀つ目は、国⺠の⽣命・財産を「外敵から守る」ことで、⼆つ⽬は、国民の⼼を「変化から守る」ことです。
どんなに価値観が多様化しようとも、「⽇本の⼼髄」(The genius of Japan) だけは「変えてはならない」と思っています。
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つまるところ、敬天愛人とは
「天の心を敬い、人の心を愛する」
ということであり
どんなに時代が変わろうとも
人が人である限り
「敬天愛人」という考え方も
変えてはならない「日本の心髄」
そのひとつなのだろうと思います🍀
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(Photo by ISSA)
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さて、私のこの地での最大のテーマは、掘り下げれば、稲盛和夫という巨頭を生み出す原点となった西郷隆盛、本人ということになりそうです。
語り尽くされた偉人だけに、西郷隆盛を論じるのは大変、難しいことですが、いつか「日本の心の防衛力を育む」という独自目線で書き上げたいと思っていますので、引き続き、懇意にして頂ければ幸いです😊✨