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誰にもぶつからないように

大都会に住む友人の地元をたずねた。

とにかく明るい街で、いろんな音やカラーがビカビカしている。漫画のような服装の女の子たちが何か言っている。(日本語なのに聞き取れない)

誰もが超スピードで移動している。ここ数年かけて貯めたストレスを発散するかのように。


友人と一緒に、ぐうぜん1997年に出版された漫画の初版本を見つけた。もちろんBOOK・OFFで。

私は迷わず買った。べつに転売や投機のためではない。私が小学生のころ夢中だった漫画だからだ。

背表紙はすっかり色褪せていたが、中身はとても綺麗だった。店員さんたちは、これの価値を理解しているのだろうか。非常に安く買えた。

その本の価値が、言葉ではなく「心」で理解できた。


大都会では、人とお金がとんでもないハイスピードで動いている。しかもフリースタイルで、たがいに心理を読み合う。

それによって、「あったほうがいいけど、なくてもいいもの」を買ったり売ったりしたいからだ。

私は、たまたま界隈で育った、いうなれば大ベテランの友人と一緒に街を歩いたことで、なんとか危機と誘惑と回避できた。

というのが昨日の話だ。今日は家でゆっくりしたあと、近所を散歩しようと思っている。