とりたて助詞② 取り立て助詞が…呼応する、だって?!奥が深いな…取り立て助詞ってやつは。難しそうに見えるが、ちゃんと勉強してみると、意外と簡単に理解できる。
まったく・・・あと試験まで1か月だっていうのに、ADHDの先延ばしのせいで、ようやくまともに勉強する気になったら、ひどいじゃないか…
なによ、取り立て助詞の呼応って!(笑)
まあ…そんな難しいいい方しなくても、
あいつは ろくに 笑わない。
ろくに + ~ない は、セットで出てきますよ!っていうあれですね?
「取り立て助詞には、呼応する述語が存在するものがある」とか、
ことばを並べると難しく聞こえるんだわこれが。
でも、~しか ある、とは言わないわけで、これは、セットになる言葉がひとつしか出てこないようなパターンだと、この「呼応」というやつが見分けやすくなってくる。
その1、組み合わせが、しっくりくる。
その2、ほかに候補になる言葉がない。
この1,2をクリアするやつが、呼応する組み合わせだと言えるだろう。
面倒くさいけど、日本語教育能力検定試験に出てきたら、例文を作ってみるしかない。
逆に、
果物は、桃だけが食べられる。
果物は、桃だけが食べられない。
両方言えてしまうものは、呼応しているとはいえない。
上記の文章であれば、
「だけ~ない」
は、呼応の関係にはならないということだ。
「だけ~ れる(ることができる)」
が言えてしまうから。
例文を作っているうちに時間が経過して焦りそうだけれども、後半の問題はパッと見て答えられるような問題とか時事問題とかだから、
試験では焦らず、例文を作って考えよう。
とりたて助詞②
というわけで、何かを主張したい助詞さんたち、
追加を表す
も
限定を表す
だけ
しか
ばかり
こそ
極端な例示
さえ
まで
でも
評価など
など
なんか
なんて
くらい
を深堀していってみよう!
追加を表す、列挙する「も」
も は、追加したり、列挙したり、並べたりする意味を+αしている。
バナナも食べる (朝ごはん?ヨーグルト。それに加えて、バナナだってよく食べるのよ=追加。)
ラーメンも寿司も好き (何が一番好きか?ラーメン。焼肉。ラーメンも寿司も、焼き肉も、どれもこれもそれも好きなんじゃ!=列挙)
天丼もいいし、かつ丼もいいなあ。(またまた、あれもこれも。=並立、列挙。まあこの二つは同じ。)
同類どうるい
私 も ほしい。
強調
雨が三日 も 降ふり続いた。(ただ雨が 3日降ったってだけじゃないの!3日!3日だよ!長いでしょ!怒 =強調)
並立 へいりつ
あれ も これ も ほしい。ならべれば、きりがないですね・・・そんなときは「も」ですわ。
限定(ONLY)を表す「だけ」「しか」「ばかり」
「こそ」はオンリー。「しか」もオンリー。「ばかり」もオンリー。英語にして考えると簡単。
あと1回だけやりたい(あと一回やりたい。ううん…本当だってば、たった一回だけでいいの!あと1回オンリー!=限定)
一回だけでいいから食べてみたい!(何回も?いやいやいや、一回だけ、たった一回きりでいいの!=限定)
たったひとりしかいなかった。(オンリー一人。)
ポテチ…もうこれしかない。 (両方まとめて、、、とにかくオンリー=しか=限定)
ゲームばかりしている。
寝てばかりいる。(本当は、ほかのことだってしたい。でも、そのこと ばかり、どうしても、やってしまう!=限定 ONLYそのことだけやっちゃう!)
「こそ」で想いを強調する。
今日こそ勝つ!(=今日はぜったいに、勝つ!=強調)
あんたこそがんばりなさいよ。(私?私じゃなくて あなたの方がでしょ!あなたのほう こそ=強調)
生きてるからこそおいしいもの食べられるんじゃないの!(生きているから 生きているから!だからこそ!それゆえに!味わえるんだよ!=強調)
赤本に書いてある「極端な例示」ってなんのこっちゃ。「さえ」=程度の強調、のほうがわかりやすくない?
程度の強調「さえ」
彼はひらがなさえ書けない。(彼は、字が書けない。ひらがなでさえも!書けない=かけないっていうことを強調している。)
だからさ、そんなものでさえさ、盗まれるから、相当気をつけないとね。(そんな 価値の無さそうな、大したもんじゃない物も、盗まれてしまうんだよ=強調)
子どもに さえ わかることだ。(こどもにもわかるようなことも、私にはわからないのさ・・・)
名詞+でさえ(連語)=英語だったらEven~
温厚なあの人でさえ、彼の態度には怒った。
用例(会話)
UF11 あたしなんか、自分のゼミの先生でさえなめてるから<2人笑い>。
用例(会話)
F109:うーん。 で、大体その最初、言ったときでさえも、どうしてそんな言い方なんですかみたいな感じで。
用例
母国語である日本語でさえ、よく知らない人とうまく話のできる人は少ないのである。
わたしたちが自由の理想郷のように考えているアメリカでさえ、独立からしばらくは自由な社会だったが、その後の社会の階層は急速に固定した。
限定の「さえ」
生きて さえ いればよい。
時間さえあれば簡単に作れる。
ボートだけあれば生きていける。 何もいらない。 ボートさえあればいいと思っている。
平和さえ守れれば。
意外さを強調したい「まで」
この、「まで」がまたややこしい。
Until~~~のまでのほうは、格助詞になる。
「バス停までお願いします。」
「公園の前まで行ってください。」
みたいに、目的地をあらわすときの まで と、
取り立て助詞の「まで」はぜんっぜん意味が違う。
「彼氏に裏切られた上に、あんたまで裏切るなんて!!!」
の まで が、取り立て助詞。
何を意味に含めたいかというと、
Surprise!!
びっくりして、そんなの信じられないわ!
「普通だったらしないよ〜!」を言いたいときの「までして」
普通ではない方法を使って,あることをした,ということを強調して伝える時に使う。
「そんなに疲れているのに、徹夜までしていくなんて!!」
「そんな辛い思いまでして、無理していくことないよ!」
でも=でさえ
小学生でもできるよ。(Even elementaly school kids can do that…)
そんなの私でもわかるよ。( Even I can understand that.)
プロでも間違えることだってあるよ。( Even professional person can make a mistakes)
強調の「など」「なんか」「なんて」
タバコなど吸わん!
彼氏などいらん!
タバコなんか吸わん!
彼氏なんかいらん!
タバコなんて吸わん!
彼氏なんていらん!
程度の強調「くらい」=まるで~なほど。~な程度。
比べものにならないくらいの複雑な香りと味の要素をもっている。
涙が出るくらい気をつかっているよ。
せめてピアノが置けるくらいの家に住みたいと思ってさ
じゃお茶くらい(程度)飲む時間ある?
そのくらいどうってことないでしょ。
疲れを忘れるくらい、素敵な景色だった。
いかがでしたか?
取り立て助詞は、色々な意味を含ませたいときに使われることがわかりましたね~!
「はごろも」機能語用例文データベース はごろも (hagoromo-text.work)
とかで調べると、取り立て助詞の用例なんかもたくさん出てきます。
というわけで、自分的には取り立て助詞のニュアンスをつかむことができました。
格助詞にはない、意図や気持ちが込められている感じが、取り立て助詞にはあるなあ~と考えると、見分けがつきやすいですね。
ああ~すっきりした。
お疲れさまでした!