21年間と前世の話(殴り書き)

本当のことを言えないのがあまりにも苦しいし、もうわざわざ隠そうとしなくていいかな、理解される必要もないかなと思うので書きます。現実で言う勇気はまだないので、このノートから。

大学一年生から掲げてきた「起業」という目標、最初はお世話になっていた方に言われるがまま何となく起業しようかなと思っていただけですが、紆余曲折あり全くうまくいかず、それでも「いや何でうまくいかんのや!」と様々な人に相談したり、自分なりに一生懸命ビジョンとか考えてみたり、世の中の動きをよく読んでみたり、めっちゃお世話してくれる経営者にビジネスモデルを半分考えてもらって賛同者を募ったりもしましたが、やっぱり全く心が動かない。うまくいこうがいかまいが、どっちでもいい。何を聞いてもやる気にならない。苦しくてたまらない。

ただこれだけ必死に動いて…いや心が動かないので体も動かなかったわけだが、とにかく4年間起業しようと曲がりなりにもいろいろな情報を集めてきて、起業というのは失敗しようがしまいが現代においては結構重要なスキルで、その重要度は今後年々増していくという確信が出てきたので、ここまで頑張ったんだからもう一歩。もう一歩ずつ、私のマイペースな歩みでやってみようよと思う。

ただ、もう、疲れた。本当のことを隠して、普通の人間ぽく振る舞うのは(いや振舞えてないか)。私はビッグなドリームを掲げた起業家でも、特別な使命感があるわけでもないが、私の今まで過ごしてきた人生、そしておそらく前世から持ち越している価値観やモノの見方、かすかな感覚を大事に一歩を踏み出していきたい、と、強く感じる。
ん?前世?と思った方、結構ここからぶっ飛んだ話になるので、ついていけねえと感じたら離脱してください。スピ系(笑)と馬鹿にされるのが嫌で今まで何も言ってきませんでしたが、まあ馬鹿にされてもいいか。
私も高校2年生くらいまでは前世のことなんてすっかり忘れてスピ系の人たちを馬鹿にするリアリスト(笑)だったので、人のことは言えません。

私が高校2年生の時の冬。
きっかけは、何だったのか今でもよくわかりません。当時イギリスに留学に行ったからなのか、父親が大病で毎日病院にお見舞いに行っていたからなのか、単純に自分の精神が限界を迎えたからなのか….ある日、黒い影が見えるようになってしまいました。
最初は何か目の端に黒いもやっとしたものがある気がする。というレベルでした。
次第にそれは人の形を帯びていきました。
見えるのは家の中だけ。
そして一人の時だけ。
そのうち私は睡眠も満足に出来なくなりました。
毎日のように金縛りにあうので、寝るのが怖い。ひどいときは1日3回以上金縛りにあっては目覚め、寝て、またあって、目覚めて、寝て…を繰り返し、日中は黒い影が見え、精神が休まらず、体にも疲れがたまっていきました。
私にはもともと妄想癖というか、イマジナリーフレンド的なものが沢山いたので、ついに私の頭の中が暴走してしまったのかと思いました。ちなみにイマジナリーフレンドたちは、この黒い影現象が起こる少し前に全員消えてしまっていました。
なので今まで信じてなかったけど、ワンチャン、本当にこれ幽霊なんじゃないかと頭をよぎり、除霊とか試してから精神科に入ろうと決意しました。
そしてネットを漁り、自分で除霊が出来、なおかつちゃんと効果のありそうなものから順に試していきました。
とはいっても、別に変な呪文を唱えたりしません。
心が暗くなるようなものは見ないようにする。嫌な気持ちになるものは避ける。好きなものを見つける。朝日を浴びる。運動をする。玄関に入る前に体についた埃を払うように嫌な気を除去する。体に入ってしまったと感じたら咳をして出す。自然の豊かなところに行く。
そんな程度です。当時の私は生粋のホラー好きで、家の中に飽き足らず、父親のお見舞いに行った病院で陰湿なホラーを読み漁って、病院内を探検して回るという非常にリスキーな遊びにハマっていたので、まずはそういうことをやめていきました。運動も全くせず、朝日が出る時間には目覚めもしていなかったので、できるところから生活を整え、趣味もホラーだけだったのをだんだんと料理やアイドルなど別の安全そうなものを増やしていくようにしました。
そうすると、だんだんと黒い影は消え、重たい辛い気分は多少はましになっていきました。しかしその体験をしてから、自分の大好きな絵を描く気力がすっかりなくなっていまい、美術の道は諦めることになってしまいました。
そして私は、だんだんと、世の中には目に見えない存在というのもあるのかもしれないと思うようになりました。
当時自分自身の除霊のために一番参考にしていたサイトがあり、除霊の記事だけではなく見えない世界の様々なことを調べたり読んだりするのが大好きになりました。
時は過ぎ、高校3年生になったあるとき、気分がどうにも辛くて受験勉強に手がつかなくなって、またその人の記事で元気を貰おうと読んでいたら、急に大量の涙が流れてきて、「どうしてこういう世界があることを忘れてしまっていたんだろう」と物凄い後悔というか、反省の感情があふれてきました。
ただ恐怖の快楽に浸り、見えないふりをしてきた。私には霊感なんてない、と見えない世界を馬鹿にしながら生きてきた。大好きだった美術まで手放すことになってしまった。もうどうしていいかわからない。

だから私は、当時そのサイトの自称霊能師と名乗る人物に、「これからのこと」を聞くことにしました。正直そんな体験をしても本物かどうか疑っていたので、こちらの情報はなるべく伏せて簡潔に「美術が好きだが、辞めてしまった。しかし芸術家以外になりたいものもない。どうすればよいか」と質問したところ、「いっぱい色々なことを体験しましょう!やりたいことに突き進んで下さい!そうすれば未来も見えてきます!」という身も蓋もない回答が返ってきました。ただ、周りの美術系の先輩や先生にも「やばい」「海外の美大行く?」と言われるほど私の絵はかなり個性的なのですが、絵を見せてもいないのに「日本の範囲じゃない。芸術家として生きていくなら海外の、もっと多様な個性を認めてくれるような学校や芸術機関に入ったほうが良い」と言い当ててきたので、あ、この人本当にわかる人なんだなと、なんとなく感じました。

そして時は流れ、大学生活が始まります。それと共にコロナも始まりました。しかし私はそんなことは梅雨も気にせず(本当にごめんなさい)、「大学に入ったらいっぱい色々なことを体験しましょう!やりたいことに突き進んで下さい!そうすれば未来も見えてきます!」という霊能師さんの言葉通りに、やりたいことは金を稼ぐことだ!ビジネスしよう!と突き進み、ほぼほぼマルチみたいな人たちに150万以上の借金を背負うことになります。
コロナで働く場所もないのに、東京に出て、あるのは家賃と奨学金とあらたな借金の支払いだけ…
そんな時私は当時毎週楽しみにしていたMIU404という野木亜紀子さん脚本のドラマの第4話に出会います。その内容は、ホステスとして働いていた女が違法ギャンブルにハマり、風俗に沈められ、その後違法賭博罪で逮捕され、出所し、心機一転ハローワークで紹介された会社で真面目に働き始めたが、その会社がヤクザのマネーロンダリングのための会社だと発覚。絶望した彼女は、会社の金を横領。一億を横領したところで、ヤクザに気づかれ、逃亡するが、銃殺される。その一億円は、殺される直前に海外の貧困支援団体に贈っていた。というものでした。
「これは私だ」と思いました。
なぜなら当時金に困った私は、キャバクラで働こうとしていたからです。マルチっぽい人たちに騙されてるのも、頼れる信頼できる人物が誰一人いないのも、もしキャバクラがダメだったら風俗で働こうと思っていたのも、なんとなく彼女と被ります。
彼女は「賭けてみよう、今まで勝ったことないけど」とつぶやき、横領した金を海外の貧困支援団体に寄贈し、最後に「もう死ぬみたい。つまらない人生。弱くてちっぽけな小さな女の子、逃げられない、何もできない。そんなの嘘だ、自由になれる、私が助ける、最後に、ひとつだけ」とツイートして死にます。
これに感化されて、私もこのままだったら風俗嬢になって鬱で自殺エンドになっちゃいそうだし、賭けてみようかな。と思いました。
体を売るのは大変ですからね。
どうせつまらない人生だ。何もない。人生の最後の最後くらい、金を稼ぐことより、誰かの役に立つってことをしてみたい。
私にとっての賭けは、誰かを信じてみることでした。当時の私は家族すら信用していませんでした。他人というものに対して、どこかおぼろげな恐怖を抱えていました。だから、顔も、年齢も、どこに住んでいるかも、何もわからない霊能師を信じてみよう。この人がダメだったら、きっと私はこれからの人生だってうまくいかない。この人の言うことを聞いてみよう。私は誰かの役に立つということが知りたい。
すると霊能師さんは、具体的な起業アイデアと時期、気を付けるべきことなど、最初に私が依頼したときと比べ物にならないくらいの詳細を私に教えてくれました。
私は言う通りに行動しようと思いました。
騙されているのかなと思いつつ、また新たに経営スクール的なところに入り、そこでたまたま霊能師さんに言われた通りの芸術やクリエイティブ関連のプロジェクトがあったため、そこに入って、芸術家やクリエイターの役に立つと思ったことをどんどん実行していきました。
なかなか大きなお金にはなりませんでしたが、私も誰かの役に立てているんだと思って、とても嬉しかったです。
経営ノウハウを調べ、自分でも成長していくことが実感でき、楽しかったです。
あまりにも急激に「誰かの役に立つ」ということの尊さが理解できるようになり、苦しいほどでした。本当に全身が痛かったです。それと共に今までの霊能師さんへの見下した態度、周りへの横柄で自分勝手だった態度を反省するようになりました。世の中のことも急激に理解できるようになったので、正義感も急激に強くなっていきました。私が助かったのと同じように、みんなのことも助けなきゃいけない、そう強く思うようになりました。
しかしここで、段々と私の態度が気に入らなくなってきたのか、急激に成長する私に焦ったのか、当時そのスクールで一番お世話になっていた方の態度がきな臭くなっていきます。私はその人に感謝していたし、ほぼ実態を感じられない霊能師さんと遜色ないくらい信用したいと思っていました。現実は残酷です。不運にもその方のグループ会社の若い社長にも私は嫌われ、私もその社長のことが嫌いだったので、段々とスクールにいる人間やスクールの実態が信用ならなくなってきました。
まあこれ以外も実際は本当にいろいろあって、自分の心にあるとき限界がきてしまったという感じです。
霊能師さんにもいくつか忠告されていたので、ああ本当に忠告通りになってしまった、と絶望しました。
何でこんなクズを野放しにしているんだ、スクールに入ってきてくれた子たちへの態度がひどすぎやしないか、本当にみんなを助ける気はあるの?利用したいだけじゃないの?私のこと利用しようとしたよね?と疑問と失望が消えず、私はそこを後にしました。
もう自分で起業してしまおうかと思いましたが、イメージがわかないのと、まだ多分誰かに騙されると思ったので辞めました。
心機一転、ブランディングの会社でインターンをはじめ、やはりそこでも、スクールとは違いますが排他的で選別的な世界が待っていて、業界の人間が当たり前のようにそれを受け入れている姿に違和感を抱き、なじむことが出来ませんでした。その後様々な人と会った結果、アート業界にも再度失望し、起業も全くいいアイデアが思いつかないままだったので、とりあえずITだ!AIやりたい!と当時ハマっていた小説の題材だった業界に入り、SES業態を知りました。そこの会社は基本情報技術者の資格も取らせてくれましたし、IT業界というのは金には困らない、風通しのいい業界に見えました。一方、自由で暇なのでセクハラを平気でやって若い女の子といちゃいちゃしたい薄っぺらすぎる人間が会社の社長だという欠点もありました。私の求めている自由な世界はどこにもありませんでした。みんな、このそれぞれに窮屈な世界で、いい人で居ようとしたり、タガを外して好きなことをしたりしていました。
ただ色々な人間が存在しているだけです。

そして気づいたのは、どこにも私の居場所はない、ということです。
これは悲観的なことではなく、人間というのは本来誰しも孤独で、居場所なんてないものなのです。集団形成だったり、将来設計だったりをしているとまるで自分が何かの一部になった気持ちになりますが、その一部として心地よく居られるのであれば、それがその人の居場所なのだと思います。
私はそれがどうにも窮屈で馴染めません。
だから自分で作っていくしかないのです。
私は夢を叶えたいから、大きくなっていきたいから、野望があるから、起業するわけではありません。
この世界に私が生きる分、そしてこんな世界で淘汰されてしまう弱くて小さい誰かのために、自分の信じる道を歩みたいのです。
私にはやりたいことが沢山あります。もっと優しく、もっと愛や多様性にあふれた、心地の良い世界を作っていきたい。もっと、もっと、内側からにじみ出てくる美しさを大切にしていきたい。自分のことを大切にできる人を増やしたい。
勉強する気力、頑張る気力すら奪われると、思考力が弱くなり、視野も狭くなります。もう体売るしかないかな、とうっすら体を纏う絶望を払いのけるのはなかなか難しいです。私はもろくて弱いと思います。特に悪行を働いたわけでもなく、体を売っただけで壊れてしまったのですから(前世の話ね)。だから、弱くても生きられる世界が良いなと常々思っています。
壊れてしまっても生きられる世界が良いなと思います。
きっと弱さにしか見つけられない世界もありますからね。多分。
これからはもっと自分を第一に、大切に大切に持っていこうと思います。
2024年の目標は、自分を大切にすることです。
というわけで、今までもこれからも様々な人に多大なご迷惑をおかけしながら生きていきます。


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