2022カタールW杯試合分析 大会4日目
ついにこの日から日本が登場。
その前にモロッコvsクロアチアを。
グループF モロッコvsクロアチア
筆者のサッカーについての無知がわかった試合となる。
クロアチアは中盤の3人がポジションを固定せずに流動的に動くことで、相手のずれを上手くつくっているような形。
特にCB-SB間に立ち位置をとるので、その分SBが高い位置をとることができ、WGが中央に絞ってプレーすることでよりゴールに近づいてプレーすることができる。
モロッコは相手中盤のローテーションにマークをついていけば、中央のスペースを空けてしまうことになるので、ある程度のボール非保持は受け入れている様子。
WGの外切りで中央に誘導し、そのパスをひっかけてカウンターをするのがモロッコの狙い。
非常に統率されたチームであり、この後の2戦目以降も期待したい。
クロアチアは後半28分ごろのBUがチームとしての狙いであったと思うが、背後に抜け出すアクションが出てこなかったのが課題である。
MVPはモロッコのアムラバト。開始早々とんでもない凡ミスをかましたが、その後は安定したプレーで攻守にわたって貢献した。
グループE ドイツvs日本
言わずもがな死の組であるグループE。
前半は優勝候補であるドイツが圧倒する試合展開となる。
ドイツはギュンドアンとキミッヒの絶妙な立ち位置を日本の中盤がつかみきれないまま、左SBのラウムがWGのポジションまで入っていってチャンスを量産する。
また右サイドもミュラーが効果的に日本のマークを引き連れながらCB-SB間に降りたりして中央のパスコースをあけるなど、日本は中盤の3人に好き放題されていた。
前半1点で終わったことが救いである。
後半は日本がフォーメーションを3-4-3に変更。
これが流れを変え、徐々に日本のペースに。
前線からのプレスを行うときは3-4-3。得点を重ね守備時は5-4-1と試合開始の際のプラン通りだったろう。
前半に1失点は想定内のことだった日本がまさか後半に逆転するとは、思いもしなかった。だが現場の人間は全員それを本気で信じていたから、あのプラン変更がすんなり効いたのだろう。
MVPはドイツのWボランチ。あんなに立ち位置だけで全員を揺さぶり、フットボールを行っている選手はそうそういないよ。
日本ナイス勝利。歴史的快挙でした。
グループE スペインvsコスタリカ
日本と同組の試合。
結果は7-0とスペインの圧勝。なぜいきなり結果を言ったのか。文字に起こすのが面倒くさくなったからではない。ただ、言葉にするには非常におこがましいくらいのフットボールが展開されたのだ。
スペイン伝統の4-3-3。ルイスエンリケ監督になってからはSBがそれほど高い位置をとらずに4バックが平行に立つ。そのSBにコスタリカのSHを引き出すことで、スペインの至宝、ガビ・ペドリのインテリオールコンビのスペースが空くのだ。
そこで水を得た魚のように華麗に動き回る姿は90分通して見る者を魅了した。
またガビやペドリは2列目から背後へのランニングも厭わない。
その姿はスーパープレーの切り抜き集だけを見ている小学生たちに是非見てほしいものである。
コスタリカの何が悪いというものでもない。スペインが強すぎたのだ。
MVPはガビ。代表最年少W杯得点をとんでもないゴールで飾った。
グループF ベルギーvsカナダ
試合はベルギーの3CB+2MFのBUに対して、カナダ3-4-3の守備という構図。ベルギーが前線からマンツーマンで嵌めてくる相手に対してなかなかはがせずに苦労している様子。
カナダは苦し紛れのロングボールを蹴らせて回収するという日本と同じような闘い方。
ただ前半18分のベルギーのプレーはそういったマークをはがすお手本のようなプレー。
手前の味方選手にパスをつけるのではなく、一つ飛ばして奥の選手につけることで、手前の選手が3人目で前向きをつくって打開。
ただベルギーの左CBが最初から開きすぎているので、ボールを受けた際の出口が限定されている印象があり、もう少し内側に立つように改善することで、打開のシーンが多くとれたと考える。
昨今の3CBのBUに対しては3-4-3でマンツーマンの方が良い印象がしたゲームでもあった。
前半にカナダがPKを失敗したこと以外はカナダのゲームプランは格上相手に成功だったといえるだろう。
MVPはクルトワ。前半のPKが入っていたらどうなっていたかわからない。
初戦の前半でよい入りができいたと思う。