読書記: オーウェル『1984』を漫画で読む(ジョージ・オーウェル フィド・ネスティ 著、 いそっぷ社)(2022.6.28 発売)

学生時代にオーウェルの「1984」を読んだが、難しくてとても読みづらいと感じた。
今回、漫画版が出たとのことで試しに読んでみたが、やはり難しい。
しかしながら、その中で展開されている内容は現代の時流を見ると考えさせられた。
乱暴にまとめると、権力層(個人の権力者ではない「システム」→個人だとクーデターや寿命がつきることもある)の構築した統治システムを維持するためは勝ち負けのない戦争をダラダラと続けることが有効、ということ。
これは世界中でおきている紛争や危機懸念をベースにした専制的統治の源泉となっている仕組みである。
「個人」の専制を維持することは難しいが、「システム」として組み込まれてしまうとそれを止めることは難しくなる。
「1984」には解決の処方箋は記載されていない。しかし考えるきっかけは与えてくれる。民主主義のシステムについて改めて問われた感じがする。






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