読書記:「なぜあの人は中学英語で世界のトップを説得できるのか」(三木雄信著、祥伝社) (2016.7.29日経産業新聞寄稿)
日本のビジネスパーソンにとって、「英語」は永遠の課題であるが、その解決のヒントが本書にはある。著者は元ソフトバンク社長室長であり、書名の「あの人」とは孫正義氏である。
孫正義氏は、シンプルな英語で世界のトップと互角に交渉し、相手を説得してしまう。身近で接する立場にあった著者が、その理由を徹底的に分析し、英語で悩んでいる人にとっての「目からウロコの連続である50のポイント」にまとめたものが本書である。
著者が分析した孫正義氏の英語スピーチ3時間分で使用した英単語は1480語であった。この単語数は、中学英語で学ぶ単語数と同程度であり、文法も中学英語までの範囲であって、時に間違いも見受けられるという。
偉大なビジネスの実績を有する経営者の英語が身近なレベルであることは、多くの人に自信を与えてくれるだろう。