【SUPER FORMULA 2023年シーズンレビュー🏎💨】
全9戦で行われた2023年シーズンは、最終戦まで三つ巴のタイトル争いが繰り広げられた大接戦となりました。
少し時間が空きましたが、今年のSUPER FORMULAを少し振り返りたいと思います。
まずはドライバーズランキング(TOP10のみ)
1 : 宮田莉朋 (TOM'S / TOYOTA) 114.5pt
2 : リアム・ローソン (MUGEN / HONDA) 106.5pt
3 : 野尻智紀 (MUGEN / HONDA) 106pt
4 : 坪井翔 (CERUMO・INGING / TOYOTA) 59pt
5 : 平川亮 (IMPUL / TOYOTA) 58pt
6 : 牧野任祐 (DANDELION / HONDA) 43pt
7 : 太田格之進 (DANCELION / HONDA) 35.5pt
8 : 山下健太 (KONDO / TOYOTA) 32pt
9 : 大湯都史樹 (TGM / HONDA) 22pt
10 : 佐藤蓮 (NAKAJIMA / HONDA) 17.5pt
こうやって見ると宮田、ローソン🇳🇿、野尻の3人が突出しているのがよくわかりますね。この3人に絞って少し話を広げたいと思います。
チャンピオンとなった宮田莉朋の戦績はこちら
第1戦 富士SW : 予選2位/決勝5位
第2戦 富士SW : 予選2位/決勝4位
第3戦 鈴鹿 : 予選12位/決勝1位
第4戦 オートポリス : 予選4位/決勝2位
第5戦 SUGO : 予選2位/決勝1位
第6戦 富士SW : 予選5位/決勝3位
第7戦 もてぎ : 予選8位/決勝4位
第8戦 鈴鹿 : 予選2位/決勝2位
第9戦 鈴鹿 : 予選4位/決勝3位
最多勝はローソンと野尻の3勝でしたが、宮田はどのレースも常に上位で戦い半数以上表彰台に登ってるのが強かったですね。ちなみに宮田は今季ポールポジションの獲得はなく、第3戦は12番手から掴み取った優勝でした。もちろんこのレースは優勝を争っていた野尻と大湯が接触していなくなったのは大きかったですが、それがなくても3位まで挽回できていた辺りは凄まじい追い上げでした。何があっても上位で確実にフィニッシュする、宮田の攻めと堅実さが際立つシーズンでした。
来季はFIA F2に名門カーリンから参戦するとのことですので、彼の来季の活躍が楽しみですね。
ランキング2位となったレッドブルの刺客、リアム・ローソンの成績はこちら
第1戦 富士SW : 予選3位/決勝1位
第2戦 富士SW : 予選4位/決勝5位
第3戦 鈴鹿 : 予選8位/決勝4位
第4戦 オートポリス : 予選2位/決勝1位
第5戦 SUGO : 予選6位/決勝5位
第6戦 富士SW : 予選2位/決勝1位
第7戦 もてぎ : 予選3位/決勝13位
第8戦 鈴鹿 : 予選7位/決勝6位
第9戦 鈴鹿 : 予選1位/決勝2位
F3やF2を注目している僕にとって、このローソンが日本に来るのは非常に楽しみでした。海外から日本にやってくるドライバーはどのサーキットも初体験、習熟度の差をどのようにして戦うのかは注目ポイント。
そして迎えた開幕戦、ローソンはいきなり優勝を飾りドライバーとしてのレベルの高さを示しました。
最終的に年間で3勝を挙げ今季SF最多勝をマーク。その中で痛かったのは第7戦もてぎでの13位ですね。あのレースを無理せず表彰台でフィニッシュしてたらチャンピオンだったので。
反面「ローソンらしい」と思ったのはPPが僅か1回ということ。F2でも2年間戦ってPPは2021年の1回のみ。一発の速さよりもレースで力を発揮するタイプなんでしょうね。
今回のローソンで改めて感じたのはヨーロッパをメインに戦うトップドライバーたちはとにかく適応力が高いということ。
日本人ドライバーはずっと国内サーキットを走っているのでサーキットに対する習熟度は非常に高いです。一方でローソンはどこに行っても初めてのサーキットなので一から学ぶ必要があるわけですがそれでも3勝を挙げてるわけです。これは過去のバンドーンやガスリーにも同じことが言えます。またローソンは基本的に日本には残らず、SFが終わればヨーロッパに戻りレッドブルJr.としてF1に帯同したり、さらに8月末のF1オランダGPからは代役とはいえF1デビューを果たし非常にハードなスケジュールをこなしてました。国籍問わずF1に上がっていくのであれば、この変化に適応する能力が必要なのは間違いないですね。
来季はアルファタウリF1のリザーブに集中するようなのでSFでは走りませんが、彼の今後の活躍に注目です。
3連覇を目指していたランキング3位の野尻智紀の成績はこちら
第1戦 富士SW : 予選1位/決勝2位
第2戦 富士SW : 予選1位/決勝1位
第3戦 鈴鹿 : 予選3位/リタイア
第4戦 オートポリス : 欠場
第5戦 SUGO : 予選3位/決勝2位
第6戦 富士SW : 予選7位/決勝8位
第7戦 もてぎ : 予選1位/決勝1位
第8戦 鈴鹿 : 予選1位/決勝1位
第9戦 鈴鹿 : 予選3位/決勝4位
野尻は第3戦のリタイアと第4戦の欠場が響きましたね。この2戦をもしフィニッシュしていたら野尻の3連覇の可能性は高かったかもしれないです。野尻はこの成績を見ても、追い上げるというよりは予選で高いポジションに位置しそこをしっかりと守っているのが分かります。ローソンにとってもこれだけの成績を残す野尻と同じMUGENというチームで走れたことは大きいでしょうね。ミスをせず堅実にステディドライビング、流石ベテランが成せる走りでした。来季もタイトル最有力候補なのは間違いないでしょう。
今回この上位3人を挙げましたが、注目はもう1人。
ルーキー最上位はローソンでしたが、それに続いたのは太田格之進。
シーズン序盤は予選も決勝も下位に沈んでましたが第5戦SUGOでは初めて予選Q2に進出、第6戦富士では6位フィニッシュし初ポイントを獲得。第8戦鈴鹿では初表彰台(5周目のアクシデントにより赤旗終了、3周目の順位が適用)、そして最終戦第9戦鈴鹿では遂に初優勝を決めました!2023年シーズンでは上位3名以外で唯一の優勝です。開幕戦からすれば見事な右肩上がりの成長曲線、来季の更なる活躍が楽しみですね。
改めて今シーズンを振り返ってみると、様々なドラマがあったなと感じます。開幕戦のローソンの優勝から始まり、第3戦鈴鹿であと一歩で初優勝に手が届きかけた大湯と王者野尻の接触。第4戦オートポリスでは野尻が肺気胸で欠場、第5戦SUGOでは大湯がPPから初優勝を再度狙うもまさかのリタイア、第7戦もてぎのスタート直後や第8戦鈴鹿での大クラッシュ。そして宮田莉朋の初タイトル。
最終戦鈴鹿では25,000人もの観客が詰めかけ、もちろんローソン効果もあったとは思いますが、SUPER FORMULAを観る人が増えたなと思いました。
さて、来季はF2参戦を表明した宮田、F1リザーブに集中するローソン、WECとマクラーレンF1リザーブに集中する平川がいなくなるのは確定となっており、各チームのラインナップにもシャッフルが起きることが想定されます。
現時点でハッキリしているのはTEAM MUGENが野尻の続投と、ローソンとの入れ替わりで今までF2を戦ったレッドブル育成/ホンダ育成の岩佐歩夢の加入が発表されてます。
先日12月の合同テストのエントリーリストが公表され、今までホンダ陣営だった大湯や福住がトヨタ陣営から、さらに今までヨーロッパを中心に走ってきた女性ドライバーのJuju(野田樹潤)がTGMから参加。他にも多数の外国人ドライバーが参加し、その中にはなんと今季FIA F2チャンピオンのテオ・プルシェール🇫🇷(ザウバー育成)の名前も!
あくまで合同テストの参加ですので来年のエントリーとは異なりますが、もしプルシェールがSFに参戦するのであれば個人的には非常に楽しみで仕方がありません。
そんな来シーズンはF1日本GPが4月に移ったことに伴い例年より早めの3月9−10日に開幕予定。同日は全日本ロードレースJSB1000クラスと併催の鈴鹿2&4になります。
果たして来季はどんなドライバーが走るのか?誰がタイトル争いに名乗りを挙げるのか?楽しみにしながらSF公式のYouTubeでも観て冬を過ごすことにしましょう( ̄▽ ̄)