【F1 Rd.19アメリカGP🇺🇸決勝ハイライト】
週末を通して快晴に恵まれたアメリカGPオースティン。決勝レースは誰が優勝するか読めない、非常にストラテジックな展開となりました。
TOP3
優勝を飾ったのは見事なレースペースで追い上げてきた王者マックス・フェルスタッペン🇳🇱(レッドブル)。予選でのタイム抹消で6番手スタートを挽回する見事な走りでした。
この勝利でフェルスタッペンは自身が持つシーズン最多タイの15勝目をマーク。更に通算50勝目を飾りました。シーズン最多勝も通算勝利数も、まだまだ伸ばしていきそうですね。
2位に入ったのはランド・ノリス🇬🇧(マクラーレン)!フロントローから見事なスタートでトップを奪い、レース前半をリード。終始安定したペースで素晴らしい走りでした。
3位はカルロス・サインツ🇪🇸(フェラーリ)!レース前半はなかなかペースが上がらず苦戦してましたが最終スティントではペースを上げ、チーム判断でルクレールとポジションを入れ替え。見事TOP3入りを果たしました。
全体順位/ハイライト
レースを終えた時点での順位はこちら。
スタートはノリスが見事なダッシュでホールショットを奪います。
ノリスはここから最初のピットの17周までレースをリード。その後もピット済の中では先頭を走り、多くの視聴者が一時「これは初優勝あるのか?」と期待を抱いたと思います。僕もその1人でした。
しかしフェルスタッペンが6番手スタートからジワジワとポジションを上げ、28周目にノリスを捉え先頭に立ちました。
フェルスタッペンの今までのパフォーマンスを考えればもっと早い段階で先頭に躍り出るかと思いましたが、シーズン中盤から調子を上げてきているマクラーレン、ノリスが素晴らしい走りでレース前半を作ってくれました。
レース後半注目だったのはハミルトンの怒涛の追い上げ。ルクレール、そしてノリスを料理し2位まで浮上。ブレーキに不安を抱えレースペースの上がらないトップフェルスタッペンの背中が見える距離まで迫ってきてました。
2シーズン振りの勝利も期待するほどの最後の走りはハミルトンの気迫を感じましたね。
今シーズン前半で大活躍だったアストンマーティンはスプリントレースまで大失速。投入したアップデートパーツが上手く機能せず全く速さを示せてませんでした。その状況を受けてアストンマーティンはスプリント後に思い切ってセッティングを変更。投入したパーツも旧型に戻して、本来マシンに触れてはいけないパルクフェルメ保管をしなかったので決勝レースではグリッドではなくピットレーンからのスタートとなりました。
その結果レースでは本来の速さを取り戻し、ストロールは9番手チェッカー、アロンソは残念ながら終盤でリタイアとなりましたがそれまではポイント圏内を走り、見事な追い上げを披露しました。
調子が悪い時は思い切った行動を起こしてみることも時には大事だということを教えてくれる1戦でした。
またこのレースの終わりに我々日本人だけでなく世界中を盛り上げたのは、角田裕毅🇯🇵(アルファタウリ)ではないでしょうか?
残り2周のところでピットに呼び込まれ、見ていた多くの人が「トラブルか?!」と思ったことでしょう。角田本人ですらレース後のインタビューで故障かと思ったと話していたくらい(^^;;
ソフトタイヤに履き替えて送り出された時に「ファステストラップ(FL)か!」と気付きました。
この時角田とアルボン🇹🇭(ウィリアムズ)の間には30秒のギャップがあり、更にアルボンにはレース後に5秒ペナルティまで課せられていたので、確かにFLを狙うには環境が整ってましたが、今まで角田にこのプランF(レース最終盤にFLを狙いに行く作戦)を求められることがなかったので誰もが想定してなかったと思います。
それまでのレースFLは17位走行のチームメイト、復帰戦のリカルド🇦🇺が持っていたので角田がそれを上回れる可能性は十分にありました。でもそれを「狙ってやる」のは肩の力も入りやすいしなかなか難しいことです。
角田はその作戦を見事完遂し、自身初、そして日本人3人目のFLをマークしチェッカーを受けました。
シーズン中盤までアルファタウリは苦戦ばかりでしたが、シンガポールGPでアップデートを投入してからは明らかに戦闘力が向上。
今回は角田のレースペースも非常に良かったですし、残り4戦で更にポイントを重ねてほしいですね。
そしてレース後、驚くニュースが飛び込んできました。
なんとハミルトンとルクレールが、車両規定違反により失格。ハミルトンは2位、ルクレールは6位でフィニッシュしてましたがそれぞれ順位が剥奪される結果となりました。
失格の内容はマシン下部のプランク(スキッドブロック)が規定以上に削れていたとのこと。マシンの車高を下げ過ぎていたということですが、C.O.T.A.はF1カレンダーの中でも特にバンプが激しいサーキットで、しかも今回はスプリントレースフォーマットのため通常3回あるプラクティスが1回のみでした。ルールもフォーマットも全員平等なのですが、プラクティス1回しかなかったのはなかなか難しかったですね。
この裁定により2位以下は全員順位が繰り上がりとなり、ノリスが2位、サインツが3位というトップ3になったのでした。
サインツは過去にも表彰式まで終わった後の裁定でトップ3に入ったことがありこれが3度目。しかも2年置きに起きているので、次は2025年に起きるかもしれないですね(^^;;
また今回の裁定で最も恩恵を受けたのは12位でチェッカーを受けていたサージェント🇺🇸(ウィリアムズ)ではないでしょうか。ここまでノーポイントのルーキーでしたが、ホームGPであるアメリカで遂に初ポイントを獲得!本来であれば他車の失格などではなくレースでしっかりと10位で終えて無線での祝福やファンからの声援を浴びたいところではありますが、とは言えポイントはポイント。嬉しい1ptとなりました。
因みに、アメリカ人ドライバーがF1でポイントを獲得するのは実は93年イタリアGPで3位だったマイケル・アンドレッティ(当時マクラーレン)以来なんと30年振り!
アメリカでのF1人気も高まってきてますし、これから更に活躍してほしいですね。
そして角田裕毅は10位から8位へと繰り上がり、チームとしても今季最上位フィニッシュとなりました。FLも含めて合計5ptを獲得。コンストラクターズランキングとしても非常に大切なポイント獲得となりました。
ランキング
このレースを終えてのドライバーズランキングはこちら。
シーズン中盤から調子が鰻登りのノリスが遂にフェラーリの一角、ルクレールを上回りました。ルクレールはレース失格となったのが痛かったですね。またハミルトンもランキング2位の座が見えたかに思えましたが失格ノーポイントによりペレスとの差は39ptに広がりました。
残り4戦、ランキング2位以下の争いが見ものですね。
続いてコンストラクターズランキング。
こちらもマクラーレンがアストンマーティンを上回りランキング4位に浮上。ここ最近の調子を考えるとマクラーレンが更に伸ばしていきそうですね。アルファタウリは今回の角田の8位+FLで5pt加算出来たのは非常に大きい。ハースの背中が見えてきました。残り4レースでこのランキングが変わるのか?目が離せません。
次戦
さて、次戦は北中南米連戦の中米を担うメキシコシティGP。F1カレンダーの中で最も標高が高い高地レースでどのようなバトルが生まれるのか?毎年のことですがペレスの地元ということもあって熱狂的なファンが多く、今年も超満員間違いなしでしょう。
FP1ではヤングドライバープログラムで若手育成ドライバーが何人か走る予定もあり、その辺りも注目していきたいですね。