仕事を辞めたくて考えた(その後)

「2020年は激動の年だった」

と未来の我々は確実に言うであろう。

個人的に思い返せば娘のインフルと共に明けた2020年、初っ端からなんだか心がざわざわして毎日何かしら動いてないと気が済まなかったことを覚えている。投資信託やら断捨離やら何かしたくてソワソワしていた。

それから本格的な自粛になり、ワンオペ育児をしながらの在宅勤務。子供を放ったらかしにしている罪悪感と仕事に集中できないもどかしさ…途中からは韓国ドラマにハマってドラマ漬けの毎日(これはそれなりに楽しかった!)。体を動かさない生活というものは体への影響も大きくて、ストレスと運動不足から顔中に湿疹が出た。もともと家にいるのが好きなインドア派ではあったけれど、好きな時に、好きな人に会えて、好きな場所に行けるというのはこんなに人の心を潤していたのだなあと思った。遠方の親にもなかなか会えず辛かった。

そんな日々を送る中、移り行く雲のようにゆっくりと自分の考え方が変わっていった。コロナで当たり前が当たり前ではなくなったこと、絶対に揺らがないと思っていたことが呆気なく揺らいでしまったことで、自分が信じていること(もの)がいかに儚いものか気付かされ、だったら人から言われることよりも自分が信じたいことを信じた方がいいし、より一層自分の頭で考えなければならないという気持ちが強くなった。

今までの常識や、世間一般のこうであらねばならないを一度疑えるようになったのはコロナ禍での大きなメリットだったと思う。

そして段々と今の仕事を続けていくメリットってなんだろう?というマインドになったのかもしれない。

とてつもなく辞めたくなったのはこういった考え方の変化だったり、コロナ鬱まではいかないけど精神的にしんどくなってきていたのもある。あとは何かに引き寄せられてる感じもあった。どうしても今の環境を変えたくなり、もう本当に辞めた方がよさそうだ、いつ言おうか、いつ言おうか、と悩んでいたちょうどその時、旦那の転勤が決まった。大きな変化である。

とにかく今の環境を変えたい…!と思い詰めていたので、これ幸い、転勤に対する抵抗は一切なかった。仕事を辞める絶好のチャンスであったが何故か私は辞めなかった。上司に言ったところ私の意向を聞いてくれ、そのときなぜか働き続ける気満々だった。(もう説明がつきません。)とにかく環境を変えれば働き続けられる気がしたし、部署から1人だけ転勤なので向こうの事務所に同じ部署の人もいないし気楽と思ったのだろうか。在宅勤務をマックスで使おうと思っているしこんな条件よく働けるなら続けたいと思った。上司は私に続ける気があるとみると、すぐに異動なく転勤できるように段取りしてくれた。正直言うとあんなに辞めたかったのにここで感謝の気持ちがかなり強く湧いてきた。必要にされていることを感じたし、私にもまだ会社が必要なのだな…と思った。

もし転勤できなかったらどうしていただろう?幼稚園に入れて、パートしていただろうか?それか保育園を探して転職活動をしていただろうか?

人生って何があるか分からない。考えても考えてもどうなるか分からないものである。考えることも大切だが、大きな流れと直感を信じて進んでいこうと思った。

2020年、12月末に引っ越しとなる。

私自身が親の都合で2〜5年スパンで居住地を転々としてきた身なのだがここは自立してから住み続け縁あってもうかれこれ14年。離れることに一抹の寂しさもあるが新たな門出にワクワクしている。きっと縁があればまた戻ってくるでしょう。

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