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行者堂

今伊勢神社から要害山の尾根沿いを桟橋方向に向かいます。

今伊勢神社から少し歩けば上の案内があり、指し示す方向に進みます。

在光寺や今伊勢神社の鎮座するエリアは赤丸部分にあたり、デフォルメされた観光マップには今伊勢神社から進むこの道は載っていませんでした。

上は今伊勢神社で使用した挿絵、神社から右方向へ尾根道が続いています。
挿絵赤丸部分が放光院大願寺山門で見た仁王像が安置されていた仁王門。

尾根道を歩いて行くと上の石標が見えてきます。
これが挿絵に描かれている嘗ての仁王門跡、遺構らしきものはありません。
この石標がなければ仁王門があった事は想像もできないかも知れません。

今回掲載する行者堂は、この石標から左方向に向かった先に鎮座します。

行者堂全景。
尾根道の左側に、東西に細長い社地が作られ、その奥に瓦葺の小さな堂が築かれています。
桟橋から見ると南正面の高台の頂に位置します。

社地左の手水鉢。
左に行者堂の参道が出来ており、これを下っていくとみなと隧道の車道まで繋がっています。

行者堂全景。
海を見渡す急峻な高台に建つ堂。

右手の由緒書きには以下のように記されていました。
【行者堂
祭日 旧暦四月七日
由緒 役の行者(修験道を修業する人)
諸国を遊歴して苦業をした人、俗に役の行者と称している大和国葛城上郡の人、舒明天皇の六年(634)に生まれる。
32歳のとき、葛城山に入り孔雀明王の呪を誦して悉地(さとり)と得、神験を現わす。
文武天皇の二年讒言により伊豆に流され、大宝元年(701)赦されて還える。
終わる所を知らず、故にここには修験道の祖をお祭りしてあるお宮である。
昭和45年5月10日】

役小角は修験道の開祖とも云われ、波乱と謎に満ちた生涯を送ったとされ、一説には、毎夜〃配流先から冨士まで空を飛び修行を重ねたとも伝わる超人をお祀りする。
神格は修験道の神、足の守護神、悪霊除けの神で、御利益は縁結びを始め、病気平癒、安産、悪霊祓除、心願成就などのご利益を授けてくれる。

行者堂後方から歩いて来た道の眺め、この道を左に下っていくと桟橋方向です。
堂の創建等詳細は不明ですが、厳島圖會の別の挿絵に、この堂が描かれいる事から、天保13年を更に遡るのだろう、少なくとも昭和45年という事はなさそうです。

行者堂自体は見所に乏しいかもしれないが、堂後方から桟橋方向の展望が開ける。

行者堂
創建 / 不明
祭神 / 役小角
祭礼 / 旧暦4月7日
所在地 / ​広島県廿日市市宮島町857
参拝日 / 2023/03/03
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