昨年、長谷寺にて
去年の12月、鎌倉にある長谷寺に行った。
鎌倉に行くのは三度目くらいだったのだが、長谷寺に行ったのは初めてだったかもしれない。友人がいなければ、伺うこともなかったかもしれない。
北海道にいると、なかなか寺社仏閣への興味は沸かないような気がする。歴史が遠いのだ。でも、長谷寺で「本尊十一面観世音菩薩立像」と対面して、ひどく感激した。見上げるほどの背の高さ、くすみがかった金色に輝くその像。非常に神々しく、美しかった。30代になったからこそ、染み入ったのかもしれない。高校生だったら「いるなあ」くらいだったと思う。昔の人が、何年もかけてこの立像を作り上げた。「ありがたい」もの、そのものだった。
立像に心を奪われた先のお土産コーナーで、ポストカードを物色していたら、気になる人(神様?)がいた。上段の赤い顔、鼻の長いそのひとだ。
このポストカードの裏には
「観音三十三応現身立像」とある。
wikipediaで調べてみると「観音菩薩が衆生を救済する際に、相手の機根に応じて種々の姿を現すことを図像化したもの」とあった。観音さまはいろんなものになれるのね。
更に調べてみると、わたしが気になる彼は、どうやら
「迦楼羅身」。別名、金翅鳥(こんじちょう)。
煩悩の象徴であり、雨風を起こす悪龍(毒蛇)を常食している巨大な鳥なのだそうだ。起源はインド神話だそうで、なんだか納得できる。
こんなに興味がわくなら、しっかり長谷寺ミュージアムに入って実物を見てくるんだった、と少し心残り。そう、見てこなかったのです。
観音三十三応現身像は、他にも日本各地に9か所ほどあるようで、でもそんなに重宝されていないのか、ネットではなかなか情報をキャッチできない。
こうして、大好きなみうらじゅんのように仏像を愛するようになってしまうのだろうか。北海道にいる分にはその機会があまり多くもないので、のめりこみすぎることもなさそうだが、今なら京都にいったら寺社仏閣を興味津々に楽しめる気がしている。
はてさて、なぜこのポストカードが今時期でてきたかというと、引っ越し作業中にひょっこり出てきたからだ。買ったときから迦楼羅身が気になって、家に帰ったら調べようと思っていたら、こんなに時間がたってしまった。この数年でかなりの回数引っ越しをしているが、どうにもこうにも引っ越しに苦手意識がある。今日はほんの骨休めということで、どうぞよしなに。
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