元気でいてほしい
入籍をした。
同居してから1年半ほど経っていたので、わたしの名字が変わるくらいで、これと言った変化はない。
戸籍が出来るまで一週間ほどかかるらしいので、煩わしくなかなか終わりの見えない「名字変更作業」はまだ見ないことにしている(いいのか)。
20代半ばから30代前半まで、長いこと「異性とお付き合いしたいのに、にっちもさっちも何にもうまくいかない時期」があった。
そのそばで、多くの友人たちが結婚し、妊娠・出産し、家庭を築いていった。こちとら、母は亡くなり、父は倒れ、泣きそうな看病時期もあった。忙しい時に限って、住んでいたアパートのストーブの排気口は雪がいっぱいになり、半べそで夜中にひとりで雪かきをする夜もあった。
ひとりで生きてるのが辛くて、光のないトンネルの中を進んでいるみたいで、惨めでたまらなかった。
かけっこしてて、結婚したひとたちは先にいて、妊娠出産したひとたちはもっともっと先をいっているイメージで、どうにもこうにも距離をつめられない。
独り身は独り身で、結婚したら結婚したで、妊娠出産したら妊娠出産したで、それぞれのフェーズの悩みや不安が絶え間なくあって(というか、個々人の性格によって、そこをキャッチするか否かにも差はあって)、どのフェーズにいようがその人個人の価値観になんら違いはない、と、自分のフェーズが変わってやっとわかるのだけど。
当時のわたしにはそれがわからなくて、友人知人の結婚報告をきいても素直に喜べなかったり、結婚式に行けない時期があった。それは、自分の惨めさが、友人知人を祝う気持ちよりも遥かに大きかったと言う、かなり自己中心的な理由で。
なので、自分の入籍報告も、どこかで誰かをかつての自分と同じ気持ちにさせているかも、という後ろめたさも少なからずあった。
なかよし同級生のLINEグループがある。それぞれ結婚したり、出産したりで、なかなか一同に集まれることも少なくなった。独身の子は、あんまり連絡が取れなくなりつつあって、わたしの入籍報告にもスタンプひとつだった。ただ単に、仕事に忙殺されているのかもしれない、わたしのこと嫌いなだけかもしれない、それならそれでいい。ただ、彼女が彼女らしく、日々を生きていてほしい。そして、みんなそれぞれどのフェーズにいたとしても、ジェーンスーさんが言うように、50代くらいになったら、また同じところに集まって、昔みたいにホールケーキをつつきたいし、大富豪してバカ笑いしてたい(50代でそれやってたらだいぶヤバいかもしれないけど)。
そんなことを言えば言うほどおこがましいのかもしれないけど、わたしは自分が思ってる以上に、距離が空いてしまった女の友人たちと再会したいのかもなって、書きながら思った。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?