マレーシア留学は何歳から行くのがベストなの?
前回記事の続き、これまでに、知り合いなどから聞かれた質問に答えたものの中で、納得や感謝をしていただいた回答をnoteの方に残しておくシリーズです。
不定期に更新していきますので、これからマレーシア留学・低年齢での海外留学・母子留学などを検討されている方はぜひフォローしてくださいね。
前回記事はこちら👇
質問1.2は前回記事に掲載しています。
3.マレーシア留学は早ければ早いほどいい、と聞きました。何歳から行くのが理想的なの?
「マレーシア留学は年齢が低ければ低いほどいい」という意見を聞いたという知り合いからの質問でした。
誰が言っていたの?とたずねると、「インターナショナルスクールの先生と、エージェントさんが、留学セミナーで言っていた」とのこと。
それは、早くから(今すぐ)来てくれる方が彼らにとってベネフィットがあるからかな、という気がしないでもありません。
何歳で行けば理想的なのかは、子どもにもよるし、状況や環境、運にもよるので断定できません。が、均して考えたときに、私の感覚では日本で小学校2~4年生くらいがいろいろな条件がそろう最初のタイミングなのではないかな、と思っています。
理由は、以下の通りです。
■日本語の基礎をある程度学んでいる
➡低年齢で海外に出ることの大きなリスクの一つが、日本語が身につきづらいことです。特に、「漢字」と「敬語」は将来にわたって身についていた方がいいし、後からまとめて学び直そうとしてもなかなか難しい分野です。
小学校を2~3年やれば、簡単な漢字は習得でき、日本語の教科書レベルの本が読めるようになっているはずですので、日本語の維持を家庭で行おうと思うときにやりやすいです。
多くの場合、親や親類が日本人ですし、将来ずっと英語圏で生きていくのだとしても日本人である以上、ネイティブレベル(少なくともビジネスレベル)の日本語は期待されるので、あまり低年齢で海外に行くのも「理想的」とまでは言えないんじゃないかな、と思います。
(赤ちゃんの頃から英語メインの教育をしていても親のかかわり方次第では日本語はきちんと身に着けることは可能なので、だめなわけでもないです。でも、特に「書き」「読み」が弱くなる傾向は否めません)
■日本の優れた算数の基礎(基本的な四則演算や九九など)を習得している
➡日本の算数教育は世界でもトップレベルです。個人的には、算数に関していえば、日本でずっと学ぶのがいちばんいいと思っています。
日本の子どもの算数力を支えているのは、やはり単純な計算問題を数多く解くなどの演習量だと感じます。インターナショナルスクールでは、計算問題を多く解く・速く解く、というようなトレーニングをしませんし、九九を憶える歌もありません(どの形式の算数を取り入れているのかは学校によりますが、どの形式であっても)。
算数力は将来の大きな試験でも武器になりますから(文系でも理系でも有利に働きます)、日本式の勉強を捨てきらないほうがいいんじゃないかな、と思っています。我が家でも子どもは無理のない範囲で日本の算数のドリル(例えば、長男はこれ・長女はこれ、のシリーズ)に取り組んでいます。
■インターナショナルスクールの小学校から入れる
➡インターナショナルスクールも、中学校(セカンダリー、ミドルスクールシニアスクール)よりも、小学校(エレメンタリー、ジュニアスクール)の方が勉強に「楽しさ」の要素が大きく、学校の規模も小さく、日本人も少ないので、一気に人が増えるセカンダリー(Year7)からよりも、その手前、できればYear3~5くらいから入れると手厚く見てもらえるし、子どももなじみやすいです。また、何かトラブルがあっても親の目が届きやすいです。
(イギリスの学年は日本の1年半先をいっているので、誕生日によりますが日本の小学校1年生はYear2か3に入ります)
■そのインター校が誇る、レベルの高い英語の授業が受けられる
➡例えば小学校3年生の年齢だとイギリス式の学校でYear4かYear5に入ることとなりますが、インターナショナルスクールの英語は、Year3くらいからライティングのいろいろな手法を学ぶなど「より勉強らしい」授業スタイルになり、Year4~6となると英語の授業のレベルは英検準1級~1級レベルになっていきます。そのため、Year4.5あたりからESL・EALではなく本流の英語のクラスに出席できていると本当にいいよね…と実感しています。
また、セカンダリーに上がってからよりも小学校時代の方が、ESL・EALから抜け出しやすいです。小学校でESL・EALを抜けておけばセカンダリーでもESL・EALに所属する必要はなくなるケースが多いです。
そうすると、セカンダリーでも英語を話すお友達を作りやすくなったり、他の日本人留学生に貢献できる立場になって自己肯定感があがったり、先生からの評価がよくなったりと、よい環境を作りやすいです。
この点だけでいえば、「年齢が低ければ低いほどよい」のですが、そうすると日本語力が~というトレードオフになりますので、その間を取って、小学校2~3年生くらい、と個人的には思う次第です。
■ローカルの友達を作りやすい
➡全校でも少し触れましたが、多くの日本人留学生は小6前後(イギリス式でYear7前後)くらいから来ますから、それより2~3年前に入学していれば日本人の多い学校でも日本人が少なく、ローカルの友達ができやすく、英語環境を作りやすいです。
日本人が周りにいると、やはり日本人同士でつるんでしまいがちなので、先にローカルのお友達と仲良くなっておくといろいろな意味でよいです。
■日本の小学校への帰属意識もある
➡日本の小学校への帰属意識があることで、万が一短期でマレーシア留学を断念して帰国する場合に「戻る場所」があります。日本で一度も小学校に通わずにマレーシアの学校に行くと、日本に戻ったときにいきなり日本の小学校に入るのはハードルが高いかな、と思います。一度も入学したことがないと子どもにとってはまったく「自分の場所」ではないので、抵抗を示す子を見てきました。
また、マレーシアのインターの春休みは日本の春休みとずれていることが多く、夏休みも日本より長いですから、春休みと夏休みに一時帰国することで公立小学校に一時的に通うことができ、日本人のお友達とのつながりをキープしたり、日本語のキャッチアップに役立てたりすることも可能です。
日本にもマレーシアにもお友達がいる、というのはとてもいいことですし、低年齢だったり、新しい場所が苦手な子だったりする場合など、マレーシア留学はハマらないかもしれない、という懸念もありますので、日本の小学校への所属意識も持っている、というのも悪くないリスクマネジメントと思います。
■日本人独特の「お友達との付き合い方」も経験しておける
➡日本人同士の付き合い方って、けっこう独特です。端的に言って「察する文化」。あまりダイレクトにものをいわないとか、少しきつい言い方をすると相手が傷ついてしまうとか雰囲気が悪くなるとか。ローコンテクスト文化です。あと、日本的な文化において「出る杭」はすぐ打たれます。マレーシアでもどこでも、英語圏の文化とは全く違います。
マレーシアは日本人留学生が多いので、どこかで日本人コミュニティにも入ると思います。そのため、「日本人同士の付き合い方」も少しは心得ておくのも悪くないかな、という感じです。
海外インターの子は、夏休みの一時帰国時に日本で集まってみんなで遊んだりもします。その関係が大人になるまで続いて「同窓会」っぽい仲間になっていくことも多いので、日本流の付き合い方を多少知っていると便利な面もあるかな、と思います。
まとめ
上記の理由で、多くの人(Year7前後での留学)よりちょっと早め、日本での小学校2年生~4年生くらいが、いろいろな意味でやりやすい時期なんじゃないかな、と思う次第です。
そして、上記は傾向なので、それより早い場合、遅い場合は、上記を参考に足りないものをサポートしてあげればいいと思います。
もちろん、Year7前後からの留学でも遅すぎるということはないのですが、その場合はできるだけ日本人の少ない学校がいいと思います。どこの学校でも増える時期なので、その学校の日本人の大部分がYear7前後にいる、なんてこともあり得ます。もちろん、それでよければいいのですが。
イギリス式の場合、最初の重要な試験がYear11の終わりにありますので、Year10、11の2年間は試験勉強一直線の時期です。普通の子どもの場合、英語力がない状態でその時期から入るのはきついですから、Year8くらいまでにはある程度(英検準2級~2級くらい)の英語力をもって入れているといいのかな、と思います。多くのマレーシア留学のエージェントさんが「Year9以降はおすすめしません」「おそくともYear8までに」というのはこのことを言っています。
なお、高校1年生のときに日本の学校を辞めて海外インター校に入り、欧米の有名大学に進学していった、という子を2人知っていますが、その2人はもともとかなり優秀で(日本でも進学校で成績トップクラス、運動もできて人望もリーダーシップもありコミュニケーション上手)、しかも本人の強い意志で親の反対を押し切ってでも海外に来ている、というタイプの子たちです。もちろんきちんと、ある程度の英語力を日本で身につけてからきています。高校生からの留学でも成功する子は、そういうタイプの子です。
普通の子で14~15歳以上などであれば、そのまま高校まで日本で過ごし(どの学校でもいいからトップクラスの成績を残せる学校に入る)、大学で留学、という方が、進学という意味ではよい結果は出しやすいと思います。
4.親が英語ができません。それではだめですか?
親の英語力がほとんどなくても、留学生活が成り立たない、ということはないです。
通常の学校からの連絡はテキストベースなので(学校からお知らせはメール、担任の先生やクラスの連絡網は多くの場合WhatsAppというテキストチャットアプリです)、DeepL翻訳にかけて読めば日本語で読めます。
学校との面談なども、学校に日本語ができるスタッフがいる学校を選ぶ/面談の際は誰かに通訳をお願いする(その学校にいる日本人の上級生に頼むなど)、などで乗り切れます。マレーシアの場合、そういう対応をしてくれる学校はわりと多いと思います。
生活も、買い物やタクシーなど、決まった言葉しか使わないのですぐに慣れます。
公共のもの(電気や水道料金、警察に提出するような書類など)はそもそもマレー語なので、Google翻訳に頼るしかありません。
ただ、多少は英語ができた方がもちろん便利だし、親も一緒に勉強することで子どもの大変さを理解してあげられたり、子どもの同志になれたり、子どもが敬意をもってくれたりと、思春期に入っていく子どもとよりよい親子関係をキープすることに繋がります。
日本にいるときから少しずつ親子とも、家庭での英語学習習慣をつけておくといいので、オンライン英会話がおすすめです。オンライン英会話なら、日本からマレーシアに引っ越してもそのまま継続して使えますので、学習習慣を継続しやすいです。
初心者~中級者におすすめなのはネイティブキャンプ。月額の安さ(6480円。月に3~4回やればモトとれる感)のわりには、先生とテキストの質がいいです。
(いろいろなオンラインプラットフォームで講師をしているという先生も、いろいろある中でネイティブキャンプが教材の質も生徒の質もいい、と言っていました)
ネイティブキャンプで特におすすめは、「デイリーニュース」という教材。英検やTOEICなどの対策にもなるし、総合的な力が少しずつついていきます。
トップページから、「学習」➡「教材(教材を見る)」➡「教材の種類から選ぶ」➡「デイリーニュース」で見られます。初心者さんでしたら最初はレベル3から試してみてください。
追加料金のかかるネイティブコースをつける必要はないです。ノンネイティブの先生で十分ちゃんと学べます。
オンライン英会話で英語を口から出すことに慣れてしまえば、ローカルのお友達が作れます。ブロークンな英語で身振り手振りでも大丈夫です。
ローカルのお友達ができると、入ってくる情報量も行動範囲も生活の便利さや楽しさも段違いになりますから、ぜひともママの英語学習もおすすめしたいです。
特にお友達になってほしいのは、ローカルのチャイニーズ・マレーシアンと韓国人留学生の韓国ママ。
チャイニーズママは明るくてエネルギッシュでサッパリしていて、大らかでお世話好き。親切でいろいろなことを教えてくれたりおうちの食事に呼んでくれたり、世界を広げてくれます。話しかけて嫌な顔をされることはほぼないと思います。
韓国ママは、日本人よりも「教育留学」の先輩。考え方が先進的で、情報量も多く、人付き合いの感性も日本人と近いので、あまり違いによるストレスを感じることなお付き合いできると思います。
パーソナリティは人ごとに違いますが、私の経験値からするとそんな感じ。もちろんどの国出身でもどの人種でも、ご縁のある方、素敵だな、と思う方とは、どなたとでもよいお付き合いができるといいと思います。
具体的な声のかけ方など、また別で記事にしますね。
ではではまた、続きを書きますね。