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とりあえずマウント取るのをやめませんか?【マレーシア母子留学、ママ友付き合い心得7か条】
マレーシア留学に来る子どもが増えています。
マレーシア留学は、大きく分けて2つの方法があります。
子ども本人だけがマレーシアに来て寮付き学校(ボーディングスクール)に寮生(ボーディング・スチューデント)として入学する「単身留学」と、
子どもがひとりの保護者(多くは母親)を伴ってマレーシアに来る「母子留学」です。
コロナ後は留学生の低年齢化が進んでおり、ボリュームゾーンは小学3年生ともいわれます。そのため「単身留学」の年齢に達していない子どもが多く(概ね11歳前後から、「寮生活が可能な程度に自立した子であれば」という条件のもと寮生を受け入れる学校があります)、増えているのは母子留学、という構図になります。
すると、学生が増えるとともに、日本人の母親も増えます。
これは慣れない海外生活(多くの人にとって初めての海外生活)を始めるにあたり、大変心強く、情報収集の面でも役立ち、たいへん良い面があります。
ですが、またそこに気を付けた方がいいポイントもできてくるので、今日はそんな話です。
☕ママ友付き合いは難しい
日本で園や学校生活を経験した人なら、少なからず「ママ友付き合い」を難しい、煩わしい、と感じたことのある人もいるのではないでしょうか。
そう、(日本人同士の)ママ友付き合いというのは、結構難しいのです。
よく聞くのが、「同じグループのママ友以外には挨拶もしない」とか、
私立の付属校などでは「先に入学している方がエライ」(大学より高等部、高等部より中等部、中等部よりも小学部、幼稚園も付属している学校なら幼稚園から入学している方がヒエラルキー的に上)とか、そんな話です。
(「あの方、❝幼稚園から❞なのにとてもフレンドリーよね」とか、「中等部からは❝いろいろなご家庭❞が増えるから」とかね)
あとは、新興住宅地のタワマン住みママが、同じ地域の公団に住んでいるママたちのことを❝公団組❞と呼ぶとかも、聞いたことがあります。
保育園で「公的な補助金」の話をきっかけに仲間外れ問題に発展した、という話も(世帯収入によってその補助金がもらえる・もらえない、という種類の補助金の話で、もらった・もらわないの話から「あのママは世帯年収が高いことを自慢してきた・バカにしている」と捉えられたとかそういう)
それは、日本が単一民族で、言語もひとつで、会社員(会社役員も含め)が多くて、学校教育は「みな平等・均一化」を目指すシステムで、そういった背景があるのでハイコンテクスト社会(=「空気を読む文化」)で、「❝私たち❞はみんな同じ常識を共有している」と多くの人が無意識に思っていることに由来する、と私は考えています。
だから、「(同一の価値観・ライフスタイル・バックグラウンドを持つ)私たち」と、「そうでない人」をついつい「二分化」して考えてしまうんですね。
そして、なんとなく「そうでない側の人」に対して批判的になってしまったりするのですね。
日本国内でもそれは不毛だな、っと思うのですが、マレーシアまで行って「無意識に」、もしくは「よかれと思って」そういうことがないように、こういうことに気を付けたらそれを避けることができるんじゃないでしょうか? というポイントを今日はご提案したいと思います。
☕1:詮索しない
日々の暮らしの中で日本人のママに会うと、
「このママ、余裕があって素敵だわ」と思ったり、
「このお子さんは英語も上手だし賢そうだわ…」と思ったり、
母子留学でありながら毎日パパも一緒に暮らしている様子だと
「パパはどんなお仕事をされているのかしら」「何ビザなのかしら」
と気になったりすることもあるでしょう。
でも、まずは詮索するのはやめましょう。
「パパのお仕事」や「何のビザで来ているか」などは、わりとプライベートなことです。
「子どもの習い事は何をしているか」なども、日本人がいない習い事を探し当てて通っているのかもしれず、今はあまり教えたくないな…と思っている可能性もあります。
もっと仲良くなって、気心が知れて、自然にお互いにそういう話が出るようになるまで、聞くのは控える方がいいです。
知り合って間もない人との会話は天気の話や学校行事の話、食べ物や買い物の話、または害虫対策の話や断水対策の話、LazadaやShopeeのお買い得情報あたりにしておきましょう。
また、噂話もやめましょう。その場にいない人の話題は、純粋に褒めること以外するべきではありません。
☕2:急激に仲良くならない
前項とも関連するのですが、急激に人との距離を縮めない方がいいです。
近しい関係になってから「あ、ちょっと違う」と思ったときに距離を取るのは、なかなか至難の業です。それならば、気が合うことが分かってから近しくなる方がよほどラクです。
同じ日本人、というだけで気が合うとは限りません。
また、なんでも特定の人に「情報を教えて」と近づいていくのも、人によっては仲良くなるきっかけになるのかもしれませんが、人によっては負担だったりすることもあります(確認作業が発生して手間がかかるとか、テキストメッセージならテキストを打つ時間がかかるとか)。また、そのママ友が持っている情報が正しい保証もありません。
ローカルのママも含め、いろいろな人に雑談の話題のひとつとして自然に聞く、くらいの方がいいのではないかなという気がしますし、また、学校に関わることは学校に聞くのが最も確実です。一般的な内容なら、GoogleさんやChatGPTさんに聞くのも有効です。
まずはいろいろな人と浅く広く関わり、深い友情はそれなりの時間をかけて育みましょう。
☕3:私の方が上、あちらの方が上、とか「上下」でみない
私たちはみんな個別の人間で、みんな違います。
「みんなちがって、みんないい」という歌の通りです。
英語力、住んでいるエリア、家の広さ、車を所有しているか否か、高層コンドならその階数、パパの仕事、月々の生活費、通っているインターの学費、習い事にかける費用、外食の頻度、所持品、ネイルやお肌のお手入れ具合……etc.
違って当たり前なので、「上」とか「下」とかでみるのはやめましょう。
☕4:違和感があった出来事を「悪」と決めつけず、まずは「どうしたの?」と聞く
多くのママ友トラブルのもとは、「陰口」や「批判」、または物事(イベントごととか)に対する「温度差」です。
「あのママが○○した/○○をしなかった」のは非常識。
「あの子がみんなと違うことをした」のは良くない。
「あの人にこんなことを言われて、私は嫌な思いをした」
そんな風に思う出来事がもしあったのだとしたら、それを別のママ友に「相談というかたちの陰口」を言うのではなく、なるべく気にせず放っておきましょう。
もしくはどうしても気になるなら、本人に直接「どうしたの?」と聞きましょう。
その際は「あれはよくなかったよ」と自分の意見を伝えるのではなく、「どうしたの?」とまずは相手の話を聞くのが大切です。
「どうしたの?」の返答を聞いてやはり「非常識」と思ったとしても、それは「自分とは違う感覚なんだな」と思うにとどめましょう。「正してあげよう」「教えてあげよう」「同じ日本人として恥ずかしくないように」と義務感をおぼえる必要もありません。
例えば、同じことをした・言ったのが、マレーシア人ママや他の外国からきたママだったらどうでしょう? 親友でもないのに、その国の言語や英語でわざわざ本人に忠言しますか?「教えてあげよう」「直してあげよう」としますでしょうか。
日本人以外の人がしたことなら「分かり合えなくても、理解できなくても仕方ない」と思って放っておけることなら、相手が日本人でもそうしましょう。
もしくは深刻なトラブルで解決を図る必要があるのなら、本人や他のママ同士で語るのではなく、学校や管理人など適切な担当者に報告し、判断を仰ぐなりして建設的に解決を図りましょう。
☕5:「違い」はひとまず放っておく。「自分の常識」を押し付けない
前項の繰り返しになりますが、大切なことなので。
自分と他人は違う存在です。正してあげたり教えてあげたりする義務はありませんので、よほどのことでない限り、違いは違いのまま放っておきましょう。
直してあげるよりは適切な距離を取る方が建設的なことは多々あります。
☕6:現地ならではの生活も楽しむ
日本人ママ友を作り毎日一緒に過ごし、日本食を食べ、日本レベルのカフェやレストランに行き、日本にいた時と同じような習い事をし……という生活を海外にいながらも楽しめるのがマレーシアのよさ、でもあるのですが、個人的にはもっとローカルっぽいことを体験してほしいな、と思います。
日本人が多く通う習い事ではなく、ローカルの子どもが多く通うような習い事をして学校以外の友達を作ってみたり。
乗馬もいいし(私は落馬した経験があるので、お子さんが乗馬をするならこういうエアバッグベストの用意をおすすめします。頭はヘルメットで守れますが、腰なども傷めるとやっかいです)、
シンガポール算数を英語で学ぶのも、算数と英語の両方の勉強にもなって、子どもが算数好きならおすすめです。
ローカル色強めのレストランにチャレンジしてみたり(楽しい・美味しいお店がたくさんあります)、
ローカルママのお友達をつくってそういう情報を教えてもらったり、連れて行ってもらったり、お宅に遊びに行かせていただいたり(中華系ママと麻雀したりw)、
学校の集会やボランティアに積極的に参加したり、
IsetanやDon Don Donki、Pavilion、Sunway Pyramid以外のショッピングモールにも行ってみたり。(おすすめは、マレーシア最大規模のショッピングモール「1Utama(ワンウタマ)」。買い物だけでなく、室内レジャーからエンタメからなんでもあります。鉄道駅から直結だしグラブでも行けますので車がなくても行けます。というか、駐車場が巨大で且つ混雑しているので、すごく離れたところに止めなければならなかったり駐車場内渋滞があったり周辺の道が大渋滞することもあるので、自家用車でないほうが早い場合も多々あるかも)
(あとはIKEAのCheras(チェラス)店のところの「My Town Shopping Centor(マイタウンショッピングセンター)」や、室内アスレチックやスケート場のあるプトラジャヤの「IOI City Mall(アイオーアイ・シティモール)」もいいですね)
ゴルフを始める、なんていうのもいいですね。お手頃価格です。
(ただし道具のレンタルはほぼないので、日本から持って行ってもいいかもです。日本のAmazonで初心者用のそこそこ十分なセットが5~6万円台くらいで売っています)
子どもを学校に送ってからお迎えまでの間にマラッカに行って観光してきたりすることも、車があって運転に自信があれば、可能です。片道2時間くらいです。(運転に自信があるローカルママは、1時間ちょっとだ、と言っていましたw)
と、まあ、だいぶ脱線しましたが、「日本と同じ生活」ばかりを求めず、いろいろと新しいことにチャレンジしたり、冒険したりするのもいいですよ、という提言です。
特に、英語やらなきゃ、日本語もやらなきゃ、公文は?学研は?補習校は??サッカーやスイミングやコーディングは??ドリルは?問題集は??ピアノやバイオリンは??と日本と同じような習い事や放課後の過ごし方をするのではなく、
ただ単にお菓子やお弁当をもって公園や広場にピクニックに行ってぼんやりしたり子どもと一緒に絵を描いたり、
休日の早朝に運動公園に行ってエクササイズしたりウォーキングしたり、
夕刻に家の前でバドミントンしたりジョギングしたり、自転車に乗ったりシャボン玉をしたり……
と、昼の暑さと日没のはざまの貴重な1時間を、ローカルの家族が過ごすようにゆったりした親子で過ごす毎日も、体験してほしいです。そして、たくさん一緒に笑って、学校の話やお友達の話をたくさん聞いて、たくさんお子さんを褒めてあげてほしいです。
☕7:まあ、おおらかに
せっかく日本から出たのですから、思い通りにならないこともあるでしょうが、細かいことを気にせずおおらかに過ごしたらいいと思いますよ、というお話でした。
人のことを気にせず、人からどう思われるかもあまり気にせず、学校で忘れ物があってもなにかあっても別になんとかなりますから、ひとまず日本人同士でマウントを取ったり取られたり批判したりされたりしないで、違いを違いのまま放っておく練習をしたらいいと思います。
それが「多様性」ということなので。
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