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多義語すぎ!? 意外に難解な英単語「Strain(ストレイン)」の意味アレコレ【ネイティブが普通に使う英語表現】

「え、そんな意味もあるの?? どうしてそうなる??」

って思うような英単語に出会うことってないでしょうか。
私はあります。昨日出会いました。

今日は、そんな多義語すぎる英単語「Strain(ストレイン)」についての備忘録メモです。

例文や類義語もまとめていきますよ。

英語学習者のみなさま、
英検やTOEICなどの試験を控えているみなさま、
英語関連の「へぇ」体験をしたい方は、ぜひご一読くださるとうれしいです。


「Strain」の意味5つ。真っ先に思いつくのはなに?


「Strain」という単語と聞いてまっさきに思いつくのは、個人的には「濾す(こす)」という意味です。

「ざる」や「茶こし」のことを日本でも「ストレーナー」というし、「ティー・ストレーナー」「カクテル・ストレーナー」などは日本でも通じる商品名ですよね。これはわりに知られている、なじみ深い意味ではないでしょうか。

おうちBarで活躍、キンキンに冷えたカクテルを注ぐ際に欠かせない「カクテルストレーナー」


ところが、昨日、生物関連の記事を読んでいたら「ん?」と思う「Strain」の使い方が出てきたのです。

(英語上級者の方なら「あの意味のことかな?」ってお察しかもしれませんね)

ということで、「Strain」の意味いろいろ、いってみましょう。
まずはスタンダードなどころから。

1. 濾す、ろ過する(液体や固形物を分ける)


品詞: 動詞

意味: 液体や混合物をこして、固形物を取り除く行為。
料理や化学実験で、液体から固形物を取り除くために使う動作を表します。

例文:
After boiling the vegetables, strain them to remove the excess water.
(野菜を茹でた後、余分な水を取り除くために濾します。)

He strained the juice through a fine sieve.
(彼はジュースを細かいふるいで濾した。)

類義語:
Filter(フィルター), Sieve(ふるい)


2. 負担やプレッシャー(精神的・物理的な圧力)


品詞: 名詞(不可算名詞)

意味: 精神的・肉体的な負荷やプレッシャー、緊張の状態を表す。動詞として使うなら、そうした行動。


例文:

名詞:
The
financial strain is affecting their ability to make ends meet.
経済的な負担が彼らの生計に影響を与えている。)

She felt the strain of the long hours but kept pushing through.
(彼女は長時間の労働の負担を感じていたが、乗り越え続けた。)

動詞:
She strained to lift the heavy box.
(彼女は重い箱を持ち上げようと無理をした。)

類義語:
Stress(ストレス), Pressure(圧力), Tension(緊張)


3. 努力や奮闘(大きな努力をすること)


品詞: 動詞/「Strained」で形容詞/「Straining」で動名詞

意味: 何かを成し遂げるために、力を振り絞って努力する行為。 自分の限界まで力を使い、何かを達成しようとする時に使われます。

例文:

(動詞)
He strained to hear the faint sound in the distance.
(彼は遠くのかすかな音を聞こうと一生懸命に耳を澄ませた。)

They have been straining to meet the project deadline.
(彼らはプロジェクトの締め切りに間に合わせるために必死に努力している。)

形容詞(Strained)
She gave a strained smile.
(彼女はぎこちない笑顔を見せた。)

動名詞(Straining)
The straining of his muscles was evident.
彼の筋肉の緊張が明らかだった。)


類義語:
Struggle(奮闘する), Exert(努力する), Strive(努める)


4. 系統、品種(生物学的な意味)


品詞: 名詞(可算名詞)

意味: 生物学的な「品種」や「系統」、特に植物や動物、微生物の異なる遺伝的なバリエーションを指す。特定の遺伝的特徴を持つ生物の系統や亜種を意味します。生物学・科学的文脈で使用されます。


例文:

A new strain of wheat was developed to resist disease.
(病気に強い小麦の新種が開発された。)

Scientists are studying different strains of the flu virus.
(科学者たちは、異なるインフルエンザウイルスの系統を研究している。)

類義語: Variety(品種), Breed(品種), Lineage(血統)


5. 曲や旋律(音楽や歌)


品詞: 名詞(可算名詞)

意味: 特定の曲や旋律、音楽のフレーズを指す詩的な表現。

和訳: 特に音楽や詩の中で「旋律」や「楽曲」を指す場合に使われます。

例文:

The strains of a classical piano filled the air.
クラシックピアノの旋律がその場を満たした。)

I love the strain of the Japanese old folk song "Oboro-zukiyo (A Hazy Moonlit Night)."

(日本の古い童謡「おぼろ月夜」の旋律が大好きです。)

類義語: Melody(メロディー), Tune(曲), Harmony(ハーモニー)


語源を知れば、もう忘れない


「Strain」の語源は、ラテン語の「stringere」(締め付ける、引っ張る)に由来するそう。

この単語は、古フランス語の「estreindre」を経由して英語に入ってきた言葉で、元々の意味は「引っ張る」というもの。それが、現代英語での様々な意味に派生しているのだそうで、イメージとしてはこんな感じ。

■濾す:
物理的に引き伸ばす動作が、液体をこして固形物を分けるという意味に展開

■負担やプレッシャー:
引っ張られることで発生する圧力や緊張から「負担」や「プレッシャー」の意味が派生

■努力や奮闘:
限界まで自分を「引っ張る」イメージが、努力や奮闘を表すように

■系統や品種:
特定の方向に進化した(引っ張られていった)生物学的な「系統」。生物学やウィルス関連の話などにわりと出てきます。


私が読んでいたのはまさに予防接種の話の記事。「Strain」は病原ウイルスの系統のことを述べる文脈で出てきていました。


おまけ情報でさらに記憶を補強。マンガやドラマで「Strain」といえば?


「Strain」という言葉を調べていてみつけたのがこちら。

画像クリックで無料試し読みできます。
『北斗の拳』の武論尊が原作、劇画の第一人者である池上遼一が作画を担当。全5巻。

マレーシアの首都、クアラルンプールが舞台という珍しい設定。
内容は、たった5ドルで殺人を請け負う謎の日本人殺し屋マヨを中心に展開するクライムドラマ。犯罪ドラマと政治的陰謀が交錯し、アジア全体に広がる企業の権力争いや友情、贖罪といったテーマを描いたスリラー、ということです。

マレーシアを知っている人ならおなじみの建物や風景がたくさん出てきそうで楽しめそう! 設定もダイナミックだし、作者が豪華コンビなので読みごたえがありそうですね。

(マレーシアの人は日本のマンガファンが多いので楽しめるかも……と思って無料試し読み部分をチラ読みしたらそれには向かないことが発覚……
お色気シーンを含むコンテンツはマレーシアでは違法図書なので要注意。イスラム圏なので性的コンテンツの規制は厳しく、最高110万円の罰金・最長1年の懲役刑の対象になりえてしまいます)

作中で、この「strain」の意味は「血族」と説明されています。でもわざわざこの言葉を選んでいるのは、「緊張・負担」の意味も込めているのではないでしょうか。

もうひとつ。海外にも有名作品があります。こちらは小説と、それをもとにしたドラマシリーズ。

数々の人気作を生み出しているギレルモ・デル・トロの小説が原作。すごくおもしろそう!!

こちらは2014年から2017年に放送されたアメリカのホラードラマシリーズの「The Strain」

この作品は、ギレルモ・デル・トロとチャック・ホーガンによる小説三部作が原作。ニューヨークを舞台に、CDC(疾病予防管理センター)のチームが感染拡大を食い止めようと奮闘するスリラー要素満載のシリーズです。

日本語訳もされていますね

ベルリン発ニューヨーク行きの飛行機がJFK国際空港に着陸。誘導路に進入した後に停止する……というエピソードから始まる物語。吸血鬼ウイルスのアウトブレイクが発生し、人類の生存をかけた戦いを描きます。

このタイトルも、「緊張・負担」という意味と「(変異していく吸血ウィルスの)系統」という「ダブル・ミーニング」ですね。


まとめ:「濾す」以外の意味は、このマンガとドラマを思い浮べて


最初は「なぜ『濾す』と『負担』と『系統』がひとつの言葉!?」と戸惑った「Strain」ですが、こうしてみるとなんとなくつながっているような。

「濾す」以外の意味は、このマンガ・ドラマを思い浮べれば簡単に思い出せそうです。

英単語を覚えるにはビジュアライズ(映像化)が有効なので、ぜひ活用してくださいね。

これからも、カナダ人のお友達との日常的な会話や、カナダで読んだ本、記事、ラジオで聞いた言葉など「ネイティブが日常に使っている言葉や表現」で「へぇ」と思ったものを解説してこちらのマガジンに入れていきますね。


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Yuriko | 教育移住6年目(マレーシア→カナダ)☕海外バイリンガル子育て
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