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9歳年上の彼氏との思い出②
3月の幌平橋駅出入口を上がると、乗りなれた白いパジェロがすでに到着していた。
別れる別れないという電話でのやり取りから数週間ぶりの電話で、好きな人ができたから、本当にお別れだと告げた翌日。
ウィンドウ越しに見えたSHINくんは少し緊張している面持ちだったように記憶している。
私は、助手席のドアをあけた。
「SHINくん久しぶり、荷物ありがとう」
「車乗って」
「ううん、この後すぐに予定
9歳年上の彼氏との思い出①
現在の夫であるBAKUと付き合うことになる直前まで付き合っていた9歳年上の彼氏SHINくん。当時彼は30歳、私が21歳。
SHINくんは性的指向がバイセク寄りのノンケの地方公務員だった。彼との出会いについては話せば長くなるため割愛する。
付き合っていた1年8か月という期間は楽しいことばかりではなかった。彼は結婚を約束した女性と破断になり寂しさを抱えて過ごしていた。そんな中私と出会ったのである。
ジェンダーレス男子との同棲
1996年2月 真冬の札幌は例年通り寒い日が続いていた。
当時の私は札幌市内のホテルのフロントで働いており、夜勤もこなしていた。昼から勤務し、翌昼に終了するという毎日を送っていた。
終業後、制服から私服に着替えてホテルの裏口からでると必ずと言っていいほど笑顔のBAKUが車で迎えに来ていた。モデルをしながら、お母様の介護をしていた彼だからこそ、平日の正午過ぎにそんなことができていたのだ。
「B