村上春樹『走ることについて語るときに僕の語ること』
村上春樹『走ることについて語るときに僕の語ること』(文春文庫)
作家であり、ランナーでもある著者が「走る」という行為を通じて自分自身を見つめ、それを「正直に」言葉にした一冊。
本書を手に取ったきっかけは、わたし自身も走ることを習慣にしようと思ったからだった。
著者は1982年の秋に走り始め、それから毎年必ずどこかのフル・マラソンの大会に出るほどのベテランランナーだ。週に60キロ、一ヵ月に260キロ走ることを最低ラインの目標とし、一日10キロを一時間かけて走りこむことを日課