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膝前十字靭帯再建に革命:CoreTissue BioEngineeringの臨床試験が始動
スタートアップ企業のCoreTissue BioEngineering(CTBE)は、2024年11月6日に、膝前十字靭帯(ACL)損傷に対する新しい治療法の臨床試験を開始すると発表しました。この治療法は、ウシの組織を使って作られた人工靭帯を用います。
背景:
従来の治療法では、患者自身の太ももの腱を使って靭帯を再建しますが、この方法にはいくつかの問題があります。例えば、腱を採取する手術が痛みを伴い、筋力が低下するリスクがあります。また、再び靭帯が切れてしまうこともあります。
新しい治療法:
CTBEの新しい治療法では、ウシの腱を使いますが、特別な方法で細胞を取り除いています。この方法により、患者の体が移植された腱を拒絶することなく、自然に自分の組織として受け入れることができます。移植された腱は、患者自身の細胞が入り込んで再生され、最終的には患者の体の一部として機能します。
前臨床試験の結果:
動物実験では、この人工靭帯が実際に自己組織化し、骨と強く結びつくことが確認されました。これにより、移植された靭帯が自然な靭帯のように機能することが期待されています。
臨床試験の計画:
臨床試験は、18~45歳の膝前十字靭帯損傷患者を対象に行われます。まず、東京女子医科大学病院で安全性を確認し、その後、全国6施設で標準治療と比較して効果を検証します。試験の評価項目には、膝の運動機能や筋力などが含まれます。
CTBEは、2026年内に臨床試験を完了し、承認申請を目指しています。また、将来的には肩や肘の靭帯損傷にもこの技術を応用する計画です。
このように、CTBEの新しい治療法は、従来の方法に比べて患者に優しいアプローチを提供することが期待されています。
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