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人生の目的があなたを見つける - 自分だけのラーニングパレットを持とう
ティール組織を提唱している方の動画(下記参照)を見た。
「あなたが人生の目的を見つけるのではなく、人生の目的があなたを見つける」というコペルニクス的な転換。
何か思いっきり深呼吸できて、気が楽になった感じがした。
これまで、無数の書籍、無数の人々、多くの機会に、まずは自分の目的を見つけて、それに向けて進むことが重要だと言うことを何度も何度も繰り返し教えられてきた。
しかし、長い間人間をやっていると、こうした「目的初めにありき論」に対して違和感を抱くようになってきた。つまり、人間の社会や未来と言うのは、絶えずダイナミックに動いており、誰も予測をすることができないのだ。
そうした時代において、目的を設定したとしても、その目的は、未来においても意味があるとは限らないのである。
さらには、私たち自身の、将来においても同じ自分であると限らない。明日の時間が今日の自分と同じであると言う保証はどこにもない。人間自身も常に変化する存在である。
だとするならば、前もって目的を設定してそれに向けて進むのではなく、自ら常に学ぶ姿勢を持ち、常に自分の中に沸き起こる興味関心や疑問に耳を傾けながら、目まぐるしく動く時代に柔軟に時代に対応していくことの方が重要ではないだろうか。
その意味で大変参考になったのが、「ラーニングパレット」と言う考え方だ。これは、言ってみれば人生で自分がこれまで学んだことを、まるで絵の具のように混ぜながら、学びを進めていくパワフルなツールである。
こうした人生経験を通じて使ってきた「絵の具」を使って描くのは、自分自身の学びの地図である。これは、他者から与えられた退屈な地図ではなく、自分で創り上げていく地図である。もうワクワクが止まらない。
このように、自分独特のパレットを使って、人生の絵を描いていく中で、人生が私たちの目的を見つけてくれるのかもしれないと思った。
詳しくは、荒木博行さんの「独学の地図」を読んでいただきたいと思う。超絶オススメである。
この本の中で、一回の学びと言うのは「2ミリの体験」と言われているように、ごくわずかのものであるようだが、この本で得られた学びは、2ミリどころか、2メートル、いや、2キロ以上にも及ぶ巨大なものであったように感じる。
自分自身の経験と照らし合わせて言えば、私のこれまでの学びと言うのは、自分が他者から学んだことをきれいにまとめていたに過ぎなかったのかもしれないなぁと思い至った。言ってみれば、他人のふんどしで相撲をとっていたのだと思った。
もっと自分の体験の差分として深められていなかった。何かガツンとやられたような感じがしたの。まさしく、学びのコペルニクス的転換だった。
野中恒宏
参考:
『ティール組織』著者フレデリック・ラルーさん「Purpose Story」(Teal Journey Campus)